と、いうわけで図らずも第3紀最後、300冊目はBL談義盛りだくさんのこの本を読みました。

BLというのは100人の腐女子がいれば100通りのはまる理由があり1000通りの萌えツボがあるので、この話に語られるBLも、「そうだそうだ!」と膝を打つところもあれば、「……やっぱり若い人たちとは来た道が違うなぁ」と思うところもあり。

なんだか、我とわが身を省みていろいろと考えさせられてしまいましたことよ。

それにしてもよしながふみってクレバーな人だよなぁ。

ISBN:477831087X 単行本(ソフトカバー) よしなが ふみ 太田出版 2007/10/04 ¥1,260
インターネットを駆使して情報を収集するためのハウツー本。
著者は元新聞記者であり、自分が知らない分野について基本的な情報を集めるための方法を、インターネット検索に慣れていない人向けに書いたもの。

ポイントとしては、
(1)情報を集める際にはつねにマトリクスを意識して、ある事象の全体像を把握するにはどの部分の情報が欠けているかなどを整理する。

(2)マトリクスを書くには、その分野の直感的な世界把握=クオリアを身に付けることが必要。それをインターネットで集めた情報から把握する。

(3)インターネットの情報源は大きく分けて4つ。
A.新聞・雑誌記事などオフィシャルなデータベース
B.一般のウェブサイト
C.個人や企業のブログ
D.2ちゃんねるなどネット掲示板の書き込み
A→Dと情報の信頼度は下がるが、ディープさは深まる。

(4)インターネット上の情報探索にはニューロン型。ある出発点から投網のように四方に情報探索を広げて、その中からひとつの「気づき」があれば、その方向性に絞って深く調べ、そこからまたあちこちに方向を広げ……という作業を重ねる。

(5)「気づき」(情報のハブ)にはセレンディピティ(偶然の出会い・幸運)が必要。インターネットによって「出会い」やすくなった。

と、まとめられる。
平易な文章で実例を元に書かれているのですんなり理解できる。面白かった。

……仕事で読んだんですけどね。
この本で読書記録第3紀も99冊目。記念すべき100冊目には今取り掛かっていますが……。ある意味とてもわたしらしいセレクトでございます(大汗)。

ISBN:4569695043 単行本(
ソフトカバー) 佐々木 俊尚 PHP研究所 2007/09/11 ¥1,365
相変わらず実家を出たい熱は低値安定(笑)したまま続いていて、ついこんなキッチン本を買ってしまう。
いわゆる料理研究家みたいな人たちのおうちの台所を24人分?取材した本なので、そりゃもうお金をかけたキッチンでしょうよ、と思いきや、意外と使い込んだ道具に囲まれ、自分が使いやすいようにチープな工夫が随所に凝らしてあって、清潔でしかも懐かしい感じもする台所もあって参考になりました。
それに、意外とそれほど広くない台所もあったりしてね。
ケンタロウ氏が鍋二つで作る料理を紹介していて、タイのカオマンガイ(鶏ごはん)風レシピもあって、真似したくなりました。

ISBN:4838718098 単行本 お勝手探検隊 マガジンハウス 2007/09/20 ¥1,575
夏前に友だちから借りていたこの本を読むことをすっかり忘れていた。
Sさんゴメンなさい(平謝)。

こんな中学生がいるかーっ!!と、のんびりしすぎている自分の甥っ子(高1)を眺めながら思いつつ、でもきっと、腹の底ではこんな風にいろいろ考えてるんだろうな〜とも思う。
自分が中学生のときにも、妙に大人びた人から子どもっぽい人までいたよなぁと今になって思う。自分はもちろん子どもっぽい人でした……。恥ずかしくてあまり思い出したくないが。

瑞垣くんの、キリキリするような思考に息を詰めるようにしながら読破しました。
なんだろうなぁ。この、一見ありがちに見えながら、他にない吸引力で引きつける文章は。

ISBN:4048737570 単行本 あさの あつこ 角川グループパブリッシング 2007/02 ¥1,260
絶版になったものの著者が私家版として再販した「上海金魚」を読了。先日読んだ「透過性恋愛装置」に脇役で出てくる二人の馴れ初めのお話。
ゆったりゆったり話が流れて、ゆっくりゆっくり気持ちが近づいていくのがよかったです。

ISBN:4773002638 単行本 かわい 有美子 笠倉出版社 2003/05 ¥900
ISBN:4576070614 文庫 谷崎 泉 二見書房 2007/04 ¥580
若手建築士として注目を浴び、己れのルックスにも自信を持っていた北嶋は、とあるコンペでホテルマンの牧田と出会う。その落ちついて控えめな物腰を軽んじ、コンペで最優秀賞を逃したことで牧田にいちゃもんをつける北嶋だったが、常に大人の余裕を持つ牧田に諌められ高慢な鼻をへし折られてしまう。それをきっかけに牧田の人間性に触れ、恋に落ちてしまった北嶋は、思い付く限りの策を弄するのだったが…。


どうしても雑誌掲載のBLは、1回分で話をまとめなければならないので1話が小さくまとまってしまいがちになり、単行本にまとめたところで小ぶり×3くらいになってしまう。
いっぽう書き下ろしだと、1冊分のボリュームの中で丁寧に登場人物の心理を書き込めるから読み応えがあるものがおおい。
久しぶりによんだかわい有美子もそう。とりあえず主人公(受)の嫌な奴っぷりを前三分の一でこれでもか、というほど書き込んでいるので、恋に落ちてからの豹変っぷりがおかしいし、ここまで自己中心的だと書き込んでいるから、男に恋しても自己不信に陥ることなく恋に突っ走ってしまう行動もすんなり受け取れる。
しかも単行本の半分くらいのところで攻めに告白して振られているよ!!
ラストは決まっているのだから、ここへ来てまだ受けにいい思いをさせない焦らしっぷりはいっそ快感です。
なので、とうとう攻めが自分の気持ちを自覚してしまうところはカタルシスあるなぁ。

久々にいいBL(なんじゃそりゃ)を読ませていただきました。
そして、先日の夏の有明まんがまつりでこの本の番外編を売っていたらしいとネットで知り……。
見たよ。わたしかわい有美子のスペースでその本見たけど買わなかったよ。
バカバカ! わたしの大バカ!!
月末の池袋まんがまつりで買いに走るわ!

ISBN:4773003227 単行本 かわい 有美子 笠倉出版社 2007/05 ¥900
大学で助手をしている亮一郎は、年上の口のきけない使用人・徳馬に、密かに想いを寄せていた。幼い頃に母を亡くした亮一郎にとって、物心ついた頃から傍にいてくれた徳馬は、誰よりも欠け替えのない存在だった。自分の想いで関係を壊したくなくて、亮一郎は想いを告げぬまま、女との結婚を考えるが…。口のきけない男の秘められた過去と思いとは?互いを想い合う、切ないラブストーリー。


久しぶりの木原音瀬。評価の高い「箱の中」「檻の外」は相当覚悟がないと読めなさそうだと思って敬遠していたのだけれど、これはあらすじからするに「恋愛時間」とか「恋について」みたいな地味なほのぼの系? と思って読んでみた。

えーっと、読む前の先入観がいろいろと覆されたので、いまいち乗り切れず。
先入観その1:明治・大正期の書生ものというか、そういう風俗ものかと思っていたら、妖怪変化ものだった。
先入観その2:使用人攻かと思っていたら……!

先入観その1は、あらすじの書き方がトラップでした。
その2は、通勤途中に読むために(恥ずかしげもなく……!!)しおり代わりに絵葉書を挟んで、挿絵シーンはすべて隠して読んでいたので、挿絵で受け攻めを判断できなかったのが敗因かと。
っていうか、口の利けない使用人攻のほうが萌えませんか?<好みによる

でも、まともな文章のBLはそれだけで読んでいてうれしいなぁ。
久しぶりに、昼休みも本を読みたいがために弁当を持たずに外に食べに出ました。

ISBN:4883863247 新書 依田 沙江美 蒼竜社 2007/06/29 ¥900
自宅と仕事場の境目がなくなりつつある今、自然とたまってしまう本の整理にも技術がいる。『Living with Books』は、実用的かつスタイリッシュに「本と暮らす」アイデアを提案した1冊。書斎からホームオフィス、応接間、キッチン、寝室、浴室に至るまで、本のディスプレイ方法150例を部屋ごとに紹介。また巻末には蔵書のお手入れ方法や整…


榎田尤利とともに「気軽に読む/眺める本」ということで借りてきてしまった……。自分の家をこんな風にカッコよくできるわ け は な い の に 。(涙)

そもそもイギリスで出版された本なので、日本で真似できない点も多々あり(バスルームやトイレに本は置けないよな〜)、まあ雰囲気を楽しむ本でしょう。
夢は膨らみました。夢だけは。

ISBN:4882822237 大型本 今井 由美子 産調出版 2000/03 ¥4,022
で、BL読みたい熱冷めやらぬままに書店に行ったものの、最近BLからは距離を置いていたので、書店に華やかに並ぶ本のどれを手に取ればよいのやら、悩むことしきり。
以前は木原音瀬とか榎田尤利とか榊花月とかその辺を手当たり次第に読んでいれば満足だったのですが、今の疲れた気分のときに以前読んでいた作家さんを読むとちょっと重そうで……。

そんな中、先日1巻を読んだ英田サキDEADLOCKの3巻を発見。2巻を読んでいないものの、まあ話は分かるだろうと思わず手に取り購入、読み始めたら止まらなくて無事読了。
こんな失礼な読み方をして作家の方に申し訳なく。

それはさておき、こう来るか。
コルブスにはもっと派手に危ない人をやって欲しくもあり、でも主人公2人への複雑な感情は読み手に無理なく受け入れられるだけの描写があったので、納得感はあり。
一方で主人公たちのロマンスは、最後にじりじりさせてちゃんとハッピーエンドにしたところがよいですな。1巻から引っ張ってたネタで〆るところも好感度大。
楽しいお話でございました。

今さら2巻、読むかなぁ……。

ISBN:4199004408 文庫 英田 サキ 徳間書店 2007/06/23 ¥560
昨日図書館に本を返しに行って、仕事で読まなきゃならない本が山積みなのに、つい気軽に読める本が読みたいなぁ……と思ってこれを借りてしまった。

ホントは駒崎優の黄金の拍車シリーズを読みたかったのだけれど、これはどうしてもどこまで読んだのだったか思い出せず。

シリーズの途中だとわかってはいたのですが、これだけでも楽しんで読めました。
でも、やっぱり他の最初からちゃんと読まないとね。

ISBN:4062558378 文庫 北畠 あけ乃 講談社 2005/12/02 ¥620
この週末は、負け犬3人組で出雲へ神頼みに行ってきました(涙)。
松江にも立ち寄り、小泉八雲の旧居を訪れた際、受付に置いてあった私費出版がおもしろそうだったので購入。

松江には小泉八雲は1年強しか暮らしていなかったのだけれど、武家の家に暮したいということで、江戸時代中級武士だった根岸家(当時は出雲の方へ転勤していて空き家になっていた)を借りることになったそうです。
で、その家の3代下った嫁がいまもこの家に暮していて、その方が根岸家に残された資料や自分の思い出などを書いたもの。
家を大切にして暮している様子が垣間見えて、とても面白かったです。
もちろん、プロが書いたものではないので拙い部分はありますが、それでも書いた人の人となりが偲ばれる文章でした。

私費出版なので高いのは致し方ないとしても。
著者が実際にこの家の一部に居住しているので、公開は部分的であったのですが、見られないからこそ、平面図は公開部分のみでなく、ぜひ全体を載せて欲しかったと思います。

根岸道子、松江北堀美術館発行、2005年、1500円、60p+カラー6p+英文版31p
そりゃもう、東に某カナダのフィギュアスケート選手のインタビューが載った雑誌があれば海外通販し、西にその選手が出るアイスショーがあると聞けば新幹線日帰りで2公演観覧するわたしが、バトルのインタビューが載っている日本語の雑誌を買わないでか。
それが、たった1ページのためだとしても。

ISBN:4403310435 大型本 新書館 2007/09 ¥1,890
童話や寓話をかのエリッヒ・ケストナーが語りなおしたものを収録。
載っているのは「ほらふき男爵」「ドン・キホーテ」「シルダの町の人びと」「オイレン・シュピーゲルの愉快ないたずら」「ガリバー旅行記」「長靴をはいた猫」。
基本的に、ほらふきだったり愚か者だったりいたずら者だったりと、ナンセンスな笑いが楽しい話ばかり。
有名なのにちゃんと読んだことがない話(ほらふき男爵とドン・キホーテ、オイレン・シュピーゲル)をかいつまんで読めたので基礎教養としてもよろしゅうございました。

ISBN:448003532X 文庫 ケストナー、池内紀 筑摩書房 2000/01 ¥998
迫りくる老後を、恐れることなくどう乗り切るか。少子高齢化が進む日本では、老齢のシングル生活者がますます増えていく。未婚や配偶者との死別で迎えたシングル女性たちの老後設計を、20年にわたる取材ノートから説き起こす。シニア婚はメリットがあるか?蓄えはどれぐらいで安心か?いつまで健康でいられるか?最晩年の住居は?簡単な弔い方は?……誰にでも当てはまる身近な問題を、30人のケースからクローズアップ。


タイトルに偽りアリ。
いっそ恐いよシングルの老後(涙)。
20年前に『非婚時代』という本を書いた著者が、その本でインタビューした人たちのその後を追っているのですが、著者自身もウーマンリブや女性の自立のために闘ってきた世代であり、インタビューされている人たちもそういう世代です。
そういう人たちは自分の生き方をよく考えざるを得ないし、世間の荒波にも負けずに自分の人生を勝ち取ってきた人たちです。
……わたし(等)のように、漫然と気づいたら30代シングル負け犬、な世代とは根本から違う。
これじゃダメだよなぁとつくづく考えさせられました。

ISBN:4022731516 新書 吉廣 紀代子 朝日新聞社出版局 2007/06 ¥777
最近話題のこの本を読んでみた。
前半は、野口英世から説き始めて人がいかにDNAによる自己複製の仕組みを明らかにしてきたか、後半は、うまく要約できないけれど、生物の細胞がいかにタンパク質を合成するか?ということを、文系にも分かりやすく、やや叙情的に(笑)解説している。
特に前半は、19世紀末からの科学史っぽいところもあり、とても面白かった。野口英世がそんな人だとは思わなかったよ〜。

先週、リンクを張っているおむすびウーマンさんと日本海側へ旅行したのだけれど、特急電車の中で、彼女がうとうとしている間にわたしはこの本を読み進めていた。
彼女が目を覚ましたとき、彼女をほっといて本を読んでいたことを少々後ろめたく感じて、
「いまこんな本を読んでいるんだ〜」
と言ってカバーを掛けていた本の内表紙を捲って見せたら、驚いた彼女がカバンから取り出したのも同じ本だった。
2人して顔を見合わせて爆笑。

そんな話をカイシャの隣の席のバリバリ理系+体育会系のお姉さんに話したら、
「ええっ、旅行に本を持っていくんですか?!」
と、意図したところと別の部分で驚かれた。

……持っていくよねぇ、本?

ISBN:4061498916 新書 福岡 伸一 講談社 2007/05/18 ¥777
動物学者で、遺体の収集と分析から研究をしている人が、自分の研究について述べている本書。
著者の遺体に対する熱意が迸っていて、とても面白かった。特に、時間が経つに連れてどんどん腐敗していく死体を前に、いかに迅速に解剖するか、どの部分を保存するかなどを判断していく様は非常にスリリング。
「6本指である」と云われるパンダが笹を手に持つ構造を、従来の説を引っくり返して解き明かす辺りなどとてもおもしろかった。
でも、ときどき遺体の解剖写真が出てくるので、弱い人はご注意あれ。

ISBN:4480062203 新書 遠藤 秀紀 筑摩書房 2005/02/08 ¥735
ISBN:4062558807 文庫 柏枝真郷 講談社 2006/07/01 ¥630
スティーブが可愛いのでぜひ幸せになって欲しい……。
そんなわけで9.11三部作部分は読了。炭そ菌騒動なんて、そういえばそんなものもあったよなぁと思い出す。日本じゃそれほど大騒ぎにはなっていなかったと思うけれどやはりNYでは大変なことだったんだろう。
いよいよ次巻が最終巻。

ISBN:4062558424 文庫 柏枝真郷 講談社 2005/12/28 ¥630
9.11を描く三分冊のうち、その夜から2週間後までの話。
前の巻が事件当日の描写であって、ある意味ニュースや映画などで見たことのある映像の追体験でもあるのに対して、この巻では、報道されなかっただろう、一般の人たちの視線からみた「その後」を描いている。
もちろんフィクションではあるけれど、作者の入念なリサーチにより、まるであの時あの街にいた、けれども事件に巻き込まれなかったし身近な人たちも難を逃れた、多くの一般の人たちの一人になったような気になって読んだ。

前の巻では、9.11の描写としてはすばらしいけれど、主人公とそのパートナーとの関係を楽しみにしていた読者にとっては、二人がほとんど絡まないのはどうだったんだろう? と思わなくはないけれど、この巻では二人の絆が再確認されて、なんだかんだいっても(わたしは)コレを期待しているのだなぁと思いました。

ISBN:4062558130 文庫 柏枝真郷 講談社 2005/08/06 ¥630

1 2 3 4 5

 

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索