と、いうわけで予告どおり「ウィンブルドン」再読。

ウィンブルドン大会最終日のセンター・コート、スタンドを埋めた16,000人の観客は二人の天才プレイヤーの試合に陶酔していた。オーストラリア出身のキングとソ連出身のツァラプキン、親友どうしの若い二人の死闘は凄まじいばかりだった。白球を追って左右に揺れる顔、顔、その中に復讐心に燃える一つの顔が……。圧倒的な臨場感と息詰まる迫力のテニス・サスペンス。


なにがすごいって、後半半分はずーっとこの決勝戦の試合+決勝戦の勝者と英国女王を暗殺すると脅迫した犯人を追う描写でもたせるところだよな。
ホント、ここへ来るともうノンストップで読む手を止めさせません。
この親友同士の純粋な友情が、最後に変質していく予感を感じさせるところが余韻となって、忘れられないサスペンスです。

そんなわけで、昨年の8月からカウントし始めた第2紀は11か月で終了。1年足らずでほぼ100冊読んだ、ってことは、裏を返すと副業を怠っているということなのですが(大汗)。

ISBN:4102191011 文庫 ラッセル・ブラッドン 新潮社 1982/05 ¥462
出勤前に、本棚のカオスを前に「気軽に読めて楽しい本が読みたいなぁ」とツラツラ眺めていて(なんて時間の余裕はないんですが/汗)、ふと目に付いたこの本を再読。
リーグ打率トップのセンターの野球選手が恋をした相手は、ダブルプレイコンビの二塁手だった、というある意味センセーショナルな題材を、小気味いい語り口で、ドレフュス事件になぞらえて語る物語。
野球ものとしても、アメリカの価値観を見るにしても面白いけれど、主人公の選手の恋物語としても読ませる。美人の奥さんも子供もいるのに同性に惹かれちゃうことに混乱する様が、まるでティーンエイジャーのようで。

「ブロークバック・マウンテン」のヒットを受けて、ブラピがゲイものの原作を探している、なんてウワサがゴシップ記事に載っていたとき、「これなんていいじゃん」と思っていたので、つい主人公をブラピに当てはめて読みました。
この主人公、二塁手への恋に目覚めるまでは、まっとうなアメリカ白人、という設定で、ブラピのある意味毒のない容姿はけっこうぴったりしてると思う。
相手役の黒人のキャスティングには悩むけど。

そんなわけで、第2紀の99冊目はなんの含みもなくこの本を読んだんですが、そうすると100冊目はやっぱり「ウィンブルドン」(ラッセル・ブランドン、新潮文庫、1982)ですね。(発掘しなきゃ……)

ISBN:4167309475 文庫 ピーター・レフコート文藝春秋 1995/02 ¥612
再読。
最近ふたたび三度再燃している「実家を出たい」熱。
本棚をあさって引っ張り出して、再読しました。
まあ、先立つものがないといかんともしがたく……。

ISBN:4163562508 単行本(ソフトカバー) 岸本 葉子 文藝春秋 2000/05 ¥1,450
行きに読みかけの本を読了してしまい、書店で気軽に読める本を探していてサンドラの新刊を発見。

HQなので、まああり得ない展開なのだけれど、ラブロマンスを読むにはラブロマンス回路を開いておけば、主人公とヒーローが誰もがうらやむ超美男美女だろうが、一目見た途端にさしたる理由もなく恋に落ちようが、どんなに仕事をがんばってる主人公でも愛に目覚めると簡単にキャリアを投げ打とうが、そんなもんはモウマンタイ。
ハッピーエンド以外ありえない結末へ向けて、安心して読み薦められるので、気軽な1冊です。

ISBN:4596911797 文庫 サンドラ・ブラウン ハーレクイン 2006/06 ¥760
やっと読み終わったよ!
仕事でやんごとない事情が発生して、泣きながら読み通しました。
でも、読み終わってから人に内容を説明しようとして、自分がまったく理解していないことに気づきました……(遠い目)。

ISBN:4873112834 単行本 オライリージャパン 2006/04 ¥1,995
上司が貸してくれました。

作者には、偶然ネットで見つけた敬称を奉りたいと思います。

「ニ ア ホ モ の ネ申」

某高村女史と同様、無自覚でやってるらしいところがスゲーです。

ISBN:4861762537 文庫 あさの あつこ ジャイブ 2005/12/01 ¥567
まだAmazonにデータが上がっていなかった。
よく見てみたら、発行日は7月20日。フライングゲット?

しばらくMyぶたぶたブームのときに読み過ぎて、「まあ、結局同じパターンでみんなが驚くんだよな」と慣れてしまって離れていたのだけれど、久々に読むとやっぱりこの「黄金パターン」が楽しいんだよなぁ。
今回は田舎の高級ホテルが舞台。最後までぶたぶたに順応しない人がいて、新鮮だった。

あとがきによると、来月もぶたぶたの新刊が出るらしい。
今回は光文社だったけど、今度は徳間デュアル文庫。「大人の事情」によるそうな。
読まいでか(笑)。

しばらく前に海外で出版された伝記本の翻訳。海賊2の公開に合わせて翻訳出版された。
すくなくとも、素人のわたしがネットを徘徊して得られるオーリについての些末な事象はほぼ網羅され、さらに詳しく書かれているので非常に好感が持てる。日本の映画雑誌のライターは、ときにファンなら誰でも知ってるようなことさえ間違って書くからな(怒)。
ただ、原作が出版されたのが古いため、まだ昨年のKoH・エリザベスタウンの興行が奮わなかったことまでは書かれていないのが残念。
もっとも、そこまで書いて下り調子で終わらせるワケにはいかないでしょうが。

ISBN:4812427649 単行本 竹書房 2006/06/23 ¥1,300
年ばれる(苦笑)。

でも、身に覚えのあることばっかり書かれていて、元気になりました。

ISBN:4569665977 文庫 中山 み登り PHP研究所 2006/03 ¥520
10年以上前に、図書館で借りたこのシリーズ。
最終巻だけは待ちきれなくて、新刊を買ってしまい、その後古本屋で1・2巻を見つけたものの、3巻は未だに入手していません。
しばらく前に再読を始めて、同時に3巻を探し始めたんだけれど、ネット・オークションにもなかなか3巻だけってのは出てこなくて、業を煮やして3巻をすっ飛ばして最終巻を再読しました。

古代ローマを模した架空の世界で、魔法の力を授ける「力の言葉」。ひとつを知れば天才、2つを知れば達人、3つを知れば魔術師で、4つを知ると魔法使いになる。ただし、他人と言葉を分かち合えば言葉の力は半減し、分かち合っている誰かが死ねば、力はまた戻る。
そんなルールがRPG感覚と言えなくもないけど、この主人公は自ら言葉を求めるのではない。
それと、今で言う人種のように、エルフやドゥワーフ、ジンと呼ばれる、見た目と性格がかなり異なる人々がそれぞれの勢力圏を保って暮らしているのは、古代ローマとその属州との関係になぞらえられるかも知れない。その各国や、中心にある大国インプの王宮での陰謀やらなにやら、大勢出てくる人たちの思惑が絡み合って、一気に読ませます。
しかも、最後のオチが! そう来るか!!
再読でもやっぱりワクワク読み通しました。

ISBN:4150201900 文庫 デイヴ・ダンカン 早川書房 1994/02 ¥652
大好きな英国児童文学作家、ジョーン・エイケンが70歳のときに、自分の気に入っている短編を集めて出した短編集。
この人も、イギリス人らしい後味の悪さというか皮肉の効いたというか、クセのある話を書きますが(R.ウェストールを念頭に置いてます/笑)、こうして並べられるとますますそれが顕著にわかりますな。
孤児が虐待される話が多いんだけれど、普通の家庭が不思議な現象を当たり前のように受け入れているアーミテージ家のシリーズはほのぼのしていていいなぁ。ここの家のペットはネコとユニコーンで、「これ以上、ヒマラヤクマまで飼えません!」と奥さんに怒られちゃう子ども。
この家のシリーズは「とんでもない月曜日」という本に1冊にまとめられている、ということで、
……えーと、ウチの本の山のカオスの中に古本で買った文庫が埋もれているはずなのだが。発掘できるかな?(大汗)

ISBN:4812425832 単行本 ジョーン・エイキン 竹書房 2006/02 ¥1,680
結局、予約本の引き上げ期限が来てしまったので、図書館で借りてきて先に読んでしまいました。

中世後期作と見られる、傑作の6枚組のタピスリーから、その制作にまつわるエピソードを想像して描かれたフィクション。
「真珠の耳飾りの少女」の作者の作品です。

登場人物6人の1人称で話が進みます。一番メインの主人公と言えるのが、タピスリーの原画を描いた絵師であり、スケコマシのニコラ。ホントにイヤな男だけど、本人に悪気がないのでなんだか憎めない。

中世舞台だし、白水社だし(←偏見)、もっと読みづらい文章かと身構えていたのですが、登場人物が活き活きしていてとても読みやすかったです。
「真珠の〜」の映画も面白かったし、こちらの原作も読んでみようかしら。

ISBN:4560047995 単行本 トレイシー・シュバリエ 白水社 2005/01 ¥2,310
先日、カイシャの近くの図書館で見かけた絵本。
魚モチーフが好きなので、この絵本に出てくるヤマメもツボにヒットしたのですが。
絵本故に詳しく語られない、ヤマメのピンクとイワナのスノーじいさんの関係が、なぜか心の腐女子ツボに心地よい刺激を与えます(大汗)。
井伏鱒二「山椒魚」にさえドキドキできるお仲間にお薦め。

ISBN:4198612455 単行本 村上 康成 徳間書店 2000/09 ¥1,365
16歳の少年ハルは、船を転覆させた時に18歳の少年バリーに助けられ、恋に落ちた。だが常に一緒に行動する幸せな時間は、長くは続かなかった。バリーはハルを重荷に感じ始め、激しい口論の直後、事故で死んでしまう。混乱し自分を責めるハル。そしてバリーとかわした誓いが甦り…? 巧みな構成で恋を失った少年の混乱と再生を描く青春小説。


「マイ・プライベート・アイダホ」の次にこれを読んだのは意図したものではなかったけれど、図らずも同じような痛みを感じる作品を読んだ。
16歳のころに自分も感じていた、あの狂った感じがそのまんま描かれているようで、胸が痛くなる。よくあの頃の感じを覚えてるよなぁと作者に感心。
いい話だった。

ISBN:4198607818 単行本 浅羽 莢子 徳間書店 1997/11 ¥1,680
鈴木京香と佐藤浩市には抗えず(笑)、でも映画を見る前に原作を読む。
実はこれ、初・伊坂幸太郎。

サクサク読めた。すんごい面白かった!
他の本も読みたくなった。

……映画は。どーしよーかなぁ。

ISBN:4396332688 文庫 伊坂 幸太郎 祥伝社 2006/02 ¥660
ISBN:4861301548 単行本 コクヨS&Tセキュリティ推進室 日経BP企画 2006/04 ¥1,470
ティファニーの前会長によるテーブルマナーの入門書。イラスつ付きでわかりやすく、子どもから大人まで、行儀よく食事をしたいと思っている人におすすめだ。どんなときにどのフォークを使えばいいかという細かいことから、とにかく家であろうと外であろうと品よく楽しく食事をいただくコツを伝授してくれる、薄いけれども優れた1冊。


ISBN:4306092011 単行本 後藤 鎰尾 鹿島出版会 1969/12 ¥840
リヨンの修道院から、一角獣を描いた古いタペストリーが発見された。パリのクリュニー美術館に収められた中世美術の最高傑作“一角獣と貴婦人”シリーズの6点のタペストリーに連なるものなのか?その謎を解明しようと、学芸員のアレックスが奔走する。タペストリーに秘められた中世の悲恋をめぐるミステリー・ロマンス。


こういう、過去のロマンスを探りつつ、現在のロマンスが進行する、っていう話はそそられます。バイアットの「抱擁」(新潮文庫)なんかもろツボです。
「抱擁」はロマンス小説のパロディで、ロマンス小説家に受けがいいのか、この前に読んだ「きみがぼくを見つけた日」のところどころに引用されてました。
それはさておき。
こちらの話のモチーフになっている、「一角獣と貴婦人」シリーズのタペストリーは、偶然、前にNHKでやってた特集番組を見たことがあったので興味をそそられました。
が、それ以外はロマンス小説の基本を忠実に押さえただけでちょっと肩すかし気味かなぁ、、、、。

ひとつ興味深かったのは、登場人物がほとんど女性ばかりだってこと。主人公の片方の男性と、思わせぶりな老人以外は話に出てくるかほんのチョイ役だけ。主人公の片方の男性も「儚げでセクシー」なんて言われてて、著者はマッチョなものに嫌悪を抱いているのかとさえ思うほど、見事に女の園でした。
まるで、BLの裏焼きのようだわ。

(以下ネタバレ)





当然出てきたタペストリーは修道女たちの贋作だと期待していたよ(苦笑)。
メトロポリタン美術館のキュレーターも、元学友の鑑定家も、主人公の障害となるには小物すぎ。
恋のライバルは簡単に身を引きすぎ。
なにか企んでそうな人たちはみんな主人公の考えすぎ。
むむむ。

ISBN:4167705230 文庫 ケリー・ジョーンズ 文藝春秋 2006/05 ¥1,000
愛する人は未来からやってきた。
やがてくる別れを知っていた―。
初めての出会いはクレア6歳、ヘンリー36歳。
未来から来たヘンリーが、突然クレアの前に姿を現わしたのだ。
当然、驚いたクレアだったが、以来、彼がたびたび時空を超えてやってくるのを心待ちにするようになる。
だが、18歳になったころ、彼はぱったりと姿を見せなくなり…。


タイムスリップ・ラブロマンスということで読んでみた。
きっとSF者な方たちには、タイムパラドックスが…とか、なんかいろいろムズカシイことを言われそうですが、ラブロマンスとしてはなかなかでは?
それよりも、この複雑に入り組んだ時間経過のあれこれをきちんとまとめてきたところに感心します。
主人公の一人、ヘンリーは、主に精神的ストレスが原因で、本人の意思にかかわらずいきなりタイムスリップしてしまう。そのとき、自分自身以外のものは一緒に持っていけないので、行ったさきでは素っ裸。いったんスリップしても、10分後か、1時間後か、1日後には元の世界に戻れるのだけれど、もちろんそのときも素っ裸。
行くのは主に過去だけれど、未来に行くこともできる。で、自分の未来の妻が幼い時に会いに行くのだけれど、そのヒロインが20歳になって最初に未来の夫に会うときは、夫は未来の妻のことは知らない、という入り組んだ話。
ヒロインとヒーローが交互に一人称で話を進め、しかも話の進み方も時系列でなく、複雑だけれど先が気になる。

関係ないけれど、この下巻で人生2度目の乱丁に出会った。
1折16ページ分、まるまるノドと小口が逆についてたよ……。

ISBN:4270100397 文庫 オードリー・ニッフェネガー著 ランダムハウス講談社 2006/05/01 ¥924
しばらく前に「修道士カドフェル」シリーズを再読していて中世ヨーロッパ熱が高かったときに、送料無料にするためにAmazonでついでにぽちっとした本。
山川出版社だけあって、標題テーマを教科書的に、わかりやすく、でもやや淡々と書いてある。一色刷だけど図版は豊富。脚注も充実していて、ホント、教科書を読んでいる気分になりました。(この本は縦組だけど)
このシリーズは50タイトルあまりが出版されているので、気になっているテーマについて、教科書的な基礎知識を読みたいときにはすごい使えると思った。
取りあえず次は「古代ローマの市民社会」かなぁ。<ファルコの影響。

ISBN:4634342405 単行本(ソフトカバー) 堀越 宏一 山川出版社 1997/05 ¥765

1 2 3 4 5

 

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索