アマルフィ
2010年12月26日 読書記録第4紀(07.10~)
「殺意の試写状」を読んでから、何かこういうサスペンスを読みたいなぁと書店に入ったら面陳されてました。
映画が公開されていたときにも気になっていたものの強い動機もなくそのままにしてしまったので、こちらの小説版を読んでみました。
ちなみにこれは映画の原作ではなく、映画の原案を提供した作家が新たに書き下ろしたもの(のノベルズ版)。
真保裕一にしたらややスケール感が小さいと感じたものの、それでも2時間の映画にするなら十分な密度をもったサスペンス。また、この作者らしく色恋がないところも、余計なことに気を取られずに純粋にストーリーを追えるところかと思いました。
主人公の設定が、十分シリーズ化できるもので、世界をまたに駆けた活躍を期待したいところ。
で、映画も気になったのでTSUTAYAで見てみたら……
なんかストーリー違う? 佐藤浩市的なキャラは小説にはいなかったような……???
しかも佐藤浩市がいることで、ちょうど男女2組ずつになるまるで合コンセッティングのような配役はこれいかに。(笑)
これが(制作の)フジテレビクオリティってことですね。
あ。
そしてこれが第4紀の100冊目でした。
今回はなんと3年3ヶ月もかかりました……。今の仕事になって、読書量ががくんと落ちたのは気づいていましたが、これほどとは。とほほ。
まあ、今の仕事の契約期間もあと3ヶ月なので、4月からはたくさん本が読める(けれど買うお金のない)身分になるかも知れず(涙)。嗚呼。
映画が公開されていたときにも気になっていたものの強い動機もなくそのままにしてしまったので、こちらの小説版を読んでみました。
ちなみにこれは映画の原作ではなく、映画の原案を提供した作家が新たに書き下ろしたもの(のノベルズ版)。
真保裕一にしたらややスケール感が小さいと感じたものの、それでも2時間の映画にするなら十分な密度をもったサスペンス。また、この作者らしく色恋がないところも、余計なことに気を取られずに純粋にストーリーを追えるところかと思いました。
主人公の設定が、十分シリーズ化できるもので、世界をまたに駆けた活躍を期待したいところ。
で、映画も気になったのでTSUTAYAで見てみたら……
なんかストーリー違う? 佐藤浩市的なキャラは小説にはいなかったような……???
しかも佐藤浩市がいることで、ちょうど男女2組ずつになるまるで合コンセッティングのような配役はこれいかに。(笑)
これが(制作の)フジテレビクオリティってことですね。
あ。
そしてこれが第4紀の100冊目でした。
今回はなんと3年3ヶ月もかかりました……。今の仕事になって、読書量ががくんと落ちたのは気づいていましたが、これほどとは。とほほ。
まあ、今の仕事の契約期間もあと3ヶ月なので、4月からはたくさん本が読める(けれど買うお金のない)身分になるかも知れず(涙)。嗚呼。
殺意の試写状
2010年12月12日 読書記録第4紀(07.10~) コメント (2)白昼のホテルで大富豪が殺された。事件の黒幕として容疑にあがったのは二人―富豪の甥で映画マニアのクライトンと、画廊オーナーで富豪の愛人と目されるジュリー。図らずもこの二人に巻き込まれることになった凄腕弁護士デリクは、クライトンの映画のシーンをまねた常道を逸する行動に追い詰められていく。一方、ジュリーもまた、重大な秘密を抱えていた…。最後まで意外な展開が満載のサンドラの傑作。
久しぶりのサンドラのロマンス・サスペンス小説。
いやーおもしろかった! ヒロインが悪役にどんどんどんどん追い詰められていって、600ページ近い本の最後の100ページをきったところでまだヒロインを陥れる罠があるわ、さらにその後で思いっきり読者が騙されていたこともわかるわ。
そして最後の最後にも(勘のいい人にはもっと前に気づいているだろう)最後のどんでん返しもあるわ。
非常に楽しいサスペンスでした。
やっぱり悪役が魅力的だとサスペンスのおもしろさも倍増ですね!
でも、映画のネタはあんまりマニアックなものはないので、秋林さんがもしこの本に関心を持っても期待しないようにお願いします。
そうそう。
やっぱりこういうお話ですから、「暗黒面に落ちる」の暗黒面に”ダークサイド”とルビを振らないのはどうかと思うです……。
風の影
2010年12月5日 読書記録第4紀(07.10~)
再読。
そっかこれももう4年前の本か。
バルセロナを舞台に、「風の影」という謎の本を巡って、古書店主の息子である主人公が、その作者を探すうちに、作者の本を片端から燃やしていく謎の男や、内戦時の混乱で出世したサイコな刑事に目をつけられ、死んだ作者の人生が主人公のそれと不思議とシンクロしていき、やがて30年以上前に起こった悲劇にたどり着く、という話。
以前読んだときの感想を書いたはずなのに見つからない…。
やっぱり本を巡るミステリーというのは本好きにはたまりません。しかも私の好きな”過去の事件を解き明かす”系のお話。ひと様にもお薦めしたいのですが、かなり下品だったり痛かったりする描写があるのでお薦めする人を選ぶ…。
そしてご多分に漏れずスペインの小説には女装癖のある登場人物が出てくる(笑)。
(追記)
改めて検索しなおしたら前の感想が見つかった。でも当たり障りのない感想でした。
http://yogiribook.diarynote.jp/200701181426090000/
そっかこれももう4年前の本か。
バルセロナを舞台に、「風の影」という謎の本を巡って、古書店主の息子である主人公が、その作者を探すうちに、作者の本を片端から燃やしていく謎の男や、内戦時の混乱で出世したサイコな刑事に目をつけられ、死んだ作者の人生が主人公のそれと不思議とシンクロしていき、やがて30年以上前に起こった悲劇にたどり着く、という話。
以前読んだときの感想を書いたはずなのに見つからない…。
やっぱり本を巡るミステリーというのは本好きにはたまりません。しかも私の好きな”過去の事件を解き明かす”系のお話。ひと様にもお薦めしたいのですが、かなり下品だったり痛かったりする描写があるのでお薦めする人を選ぶ…。
そしてご多分に漏れずスペインの小説には女装癖のある登場人物が出てくる(笑)。
(追記)
改めて検索しなおしたら前の感想が見つかった。でも当たり障りのない感想でした。
http://yogiribook.diarynote.jp/200701181426090000/
再びのぶたぶた
2010年6月3日 読書記録第4紀(07.10~)
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Kindleショック インタークラウド時代の夜明け
2010年5月29日 読書記録第4紀(07.10~)
なんでも今年は電子書籍元年なんだそうですが、仕事の勉強もかねてこの本を読んでみたのは、もともと著者のブログを愛読しているからです。
「電子書籍の衝撃」(佐々木俊尚、ディスカバー21新書、2010)は、著者のはったりに乗せられてしまいそうなので次に読みます(笑)。
現在の書籍流通の性質や、Googleブック検索があれだけ反発されたのにAmazonがすんなり受け入れられた理由なんかがわかりやすく書かれていて、本当に勉強になりました。
でも後半の、デバイス=クラウド生態系の概念の話に移っていくとちょっと理解に時間がかかったり(汗)。
この本の著者は、経済産業省の官僚ですが、それよりもオタクでApple信者であることがよく理解できる内容でした(笑)。
グーグルを(ロード・オブ・ザ・リングでなく)「指輪物語」のサウロンに例える辺りは「それはオタクでないと理解できないだろう」と突っ込みたくなりました。そして、この本を読んで初めて、姉ヶ崎寧々が何者か理解しました。
「電子書籍の衝撃」(佐々木俊尚、ディスカバー21新書、2010)は、著者のはったりに乗せられてしまいそうなので次に読みます(笑)。
現在の書籍流通の性質や、Googleブック検索があれだけ反発されたのにAmazonがすんなり受け入れられた理由なんかがわかりやすく書かれていて、本当に勉強になりました。
でも後半の、デバイス=クラウド生態系の概念の話に移っていくとちょっと理解に時間がかかったり(汗)。
この本の著者は、経済産業省の官僚ですが、それよりもオタクでApple信者であることがよく理解できる内容でした(笑)。
グーグルを(ロード・オブ・ザ・リングでなく)「指輪物語」のサウロンに例える辺りは「それはオタクでないと理解できないだろう」と突っ込みたくなりました。そして、この本を読んで初めて、姉ヶ崎寧々が何者か理解しました。
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キス&クライから愛をこめて
2010年1月12日 読書記録第4紀(07.10~) コメント (2)
バンクーバーオリンピックを前にして出ました、フィギュアスケートものBL!
しかも上下巻!!
どうやら作者はそうとうフィギュアファンらしく、現実を思い起こさせるエピソードがこれでもかと盛り込まれ、競技の描写も詳細で、まるでBLでない普通のフィギュアスケート・ライトノベルを読んでいるかと錯覚させるような話の合い間に、主人公のフリークなヤクザとの恋愛が絡むという盛りだくさんな内容。
しかも巻末に主人公の演技のプロトコル(採点表)まで載ってるよ! もうオタクとしかいいようのない凝り様に、作者の愛を感じました。
そんなわけで恋愛部分はさておき(<あっ)フィギュア部分が大変おもしろかった本作ですが、あえてひと言言わせていただければ、作者のフィギュアスケートへの愛が強すぎて、リアルなフィギュアスケートからあまり踏み外せなかったところがチト惜しかったです。
どうせBLなんだから、もっと素っ頓狂な技とかやっちゃってもよかったのに~。
それと、せっかくヤクザサイドの事件とオリンピックが絡むのなら、いっそラッセル・ブランドン「ウィンブルドン」のような時間制限ものサスペンスの要素も盛り込んだらすごい傑作になっていたのに。本当に惜しい。
でも、BLとしては十分楽しめました。
しかも上下巻!!
どうやら作者はそうとうフィギュアファンらしく、現実を思い起こさせるエピソードがこれでもかと盛り込まれ、競技の描写も詳細で、まるでBLでない普通のフィギュアスケート・ライトノベルを読んでいるかと錯覚させるような話の合い間に、主人公のフリークなヤクザとの恋愛が絡むという盛りだくさんな内容。
しかも巻末に主人公の演技のプロトコル(採点表)まで載ってるよ! もうオタクとしかいいようのない凝り様に、作者の愛を感じました。
そんなわけで恋愛部分はさておき(<あっ)フィギュア部分が大変おもしろかった本作ですが、あえてひと言言わせていただければ、作者のフィギュアスケートへの愛が強すぎて、リアルなフィギュアスケートからあまり踏み外せなかったところがチト惜しかったです。
どうせBLなんだから、もっと素っ頓狂な技とかやっちゃってもよかったのに~。
それと、せっかくヤクザサイドの事件とオリンピックが絡むのなら、いっそラッセル・ブランドン「ウィンブルドン」のような時間制限ものサスペンスの要素も盛り込んだらすごい傑作になっていたのに。本当に惜しい。
でも、BLとしては十分楽しめました。
ジェニーの肖像
2009年12月28日 読書記録第4紀(07.10~)
先日読んだロマンチック時間SFアンソロジーで火がついて、うっかりその系統の本を数冊まとめてぽちっといってしまいました。
その1冊。
表題作と、「それゆえに愛は戻る」の2本立て。
両作とも、あまり売れない芸術家の「ぼく」と、不思議な女性とが、超自然的な現象により出会い、別れていく話。
前者はNY、後者はカリフォルニアの海岸が舞台だけれど、どちらも繊細な筆致で自然を描き出しているので、静かに物語は進み、また超自然的な現象の理屈を説明しないで、深い余韻を残して終わります。
ゆったりと話は進むので途中気持ちが離れることもあったし、御伽噺のような物語なので結末の予想を立てると、実は意外な結末だったりして、それも余韻に一役買っています。でも、意外だ、と思うのは、このおっとりした文章のなかに上手くミスリードさせる要素が紛れ込んでいるからかもしれません。
もしかするとSFの範疇には入らず、ファンタジーになるのかもしれないけれど、こういう表現もあるのだなぁと思いました。
そういえば、ジェニーの肖像は映画にもなっているそうです。
その1冊。
表題作と、「それゆえに愛は戻る」の2本立て。
両作とも、あまり売れない芸術家の「ぼく」と、不思議な女性とが、超自然的な現象により出会い、別れていく話。
前者はNY、後者はカリフォルニアの海岸が舞台だけれど、どちらも繊細な筆致で自然を描き出しているので、静かに物語は進み、また超自然的な現象の理屈を説明しないで、深い余韻を残して終わります。
ゆったりと話は進むので途中気持ちが離れることもあったし、御伽噺のような物語なので結末の予想を立てると、実は意外な結末だったりして、それも余韻に一役買っています。でも、意外だ、と思うのは、このおっとりした文章のなかに上手くミスリードさせる要素が紛れ込んでいるからかもしれません。
もしかするとSFの範疇には入らず、ファンタジーになるのかもしれないけれど、こういう表現もあるのだなぁと思いました。
そういえば、ジェニーの肖像は映画にもなっているそうです。
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ボーイ・ミーツ・ボーイ
2009年12月16日 読書記録第4紀(07.10~) コメント (2)
秋林さん別宅の紹介文に惹かれて購入。
アメリカ東部のゲイフレンドリーな高校に通う2年生の主人公(ゲイ)が、転校生と恋に落ちたり友だちとケンカしたりプロムの企画をしたりゲイの友だちの両親に誤解されたり、という日常を切り取った青春小説。
主人公のらぶらぶっぷりは微笑ましく読むとして、一番心が動かされたのは、ゲイの友だちが信仰に篤い両親との関係において一歩踏み出すところ。なんだかんだいって成長するわけじゃない主人公よりも、この彼のほうが本当の主人公なんじゃないかと思う。でも、この彼を主人公にしてしまうと重い物語になってしまうところ、ほのぼの主人公に語らせたためにさわやかな印象の小説になっている。
よい話を読みました。
アメリカ東部のゲイフレンドリーな高校に通う2年生の主人公(ゲイ)が、転校生と恋に落ちたり友だちとケンカしたりプロムの企画をしたりゲイの友だちの両親に誤解されたり、という日常を切り取った青春小説。
主人公のらぶらぶっぷりは微笑ましく読むとして、一番心が動かされたのは、ゲイの友だちが信仰に篤い両親との関係において一歩踏み出すところ。なんだかんだいって成長するわけじゃない主人公よりも、この彼のほうが本当の主人公なんじゃないかと思う。でも、この彼を主人公にしてしまうと重い物語になってしまうところ、ほのぼの主人公に語らせたためにさわやかな印象の小説になっている。
よい話を読みました。
時の娘 ロマンティック時間SF傑作選
2009年12月8日 読書記録第4紀(07.10~)
時の娘、といってもジョセフィン・ティではなく、サブタイトルどおり、時間SFかつロマンス小説短編集。
ああ~ロマンスってなんてステキなの!
って昔は舌を噛んでいえなかっただろう台詞を、いまは恥ずかしげもなく言います。
ロマンスってステキ。疲れた心には甘~い甘いロマンスが効く。それは男女でもBLでも同じです。そしてこの本は、短編集なので速攻で甘い気分に浸れる。次々甘いお話が出てくる。
まだ半分しか読んでいないんですが、それでももう大満足♪読み終わるのが惜しい……。
ああ~ロマンスってなんてステキなの!
って昔は舌を噛んでいえなかっただろう台詞を、いまは恥ずかしげもなく言います。
ロマンスってステキ。疲れた心には甘~い甘いロマンスが効く。それは男女でもBLでも同じです。そしてこの本は、短編集なので速攻で甘い気分に浸れる。次々甘いお話が出てくる。
まだ半分しか読んでいないんですが、それでももう大満足♪読み終わるのが惜しい……。