古代ローマを舞台にしたハードボイルド第2弾。
いやもうすんごいおもしろかったよ! なんといっても各キャラのキャラ立ちがはっきりしてて、みんな一筋縄じゃ行かないところがなぁ。あとがき(高瀬美恵!)にも書いてあったけど、舞台の古代ローマの風習なんかはものすごく書き込んであるのに、人物は現代人的な思考なので、感情移入しやすくてさくさく読める。
各巻ごとの事件の解決とともに、主人公と恋人との恋の行方がシリーズ通して興味をひっぱるところは、平岩弓枝「御宿かわせみ」シリーズに通じるところがありそう。
ただそれって、恋が成就しちゃうとシリーズを引っ張るのが辛くなるんだけれど、コレはすでに本国でも10数冊出ているそうなので、先が楽しみです。

ISBN:4334761089 文庫 リンゼイ・デイヴィス 光文社 1999/03 ¥820
架空のヨーロッパ・中世と近世の間くらい?を舞台にした、賞金を掛けられた傭兵さんとお医者さんのお話、第1話の最終巻。
第1話は全3巻ですが、時系列的には2巻→1巻→3巻と進むので、1巻の内容をはっきり覚えていなかったものでちょっと辛かった……。特にカタカナの人名はなかなか覚えきれなくて(汗)。

それにしても、戦争が背景にあるものの、メインのストーリーは戦況とまったく関係のない個人レベルの話なので、まったりというかほのぼのというか、割とこじんまりとまとまってしまったのは、キャラが立っているだけにちょっと惜しいかな。

いやでも、医者と傭兵の正体が最後の最後で明らかになるんですが、医者はさておき傭兵についてはどこかに伏線があったろうか?

ISBN:4125008922 新書 駒崎 優 中央公論新社 2005/06 ¥945
先日読了した「氷菓」の続編。高校古典部の4人組が、途中で終わってしまった文化祭用ビデオ映画の続きを推理する。
これもおもしろかったです〜。
最初に出てくる、チャットのログ、最初はどれが誰だか分からないんですが、最後まで読んでから戻ってみると、いかにもその人らしい話し方をしているのが分かるし。
企み系の「女帝」と呼ばれる上級生もよかったですが、すみません、腐女子としてはメインキャラクタの里志くんと、一瞬出てくる彼の友だち山内くんの関係が妙に気になります……(微笑)。

ISBN:404427102X 文庫 米澤 穂信 角川書店 2002/07 ¥560

氷菓

2005年7月29日 読書記録(04.02〜)
机の脇に積み上げてある「これから読む本」から抜き出した1冊。
こういう「日常の謎」的ミステリは好きだなぁ。歴史のある学校の歴史ある(けれど廃部寸前の)古典部の、過去に起こった歴史を、先輩がいなくなって新入部員4人で解き明かすのですが、前の方にあった、直接関係ないような描写が後に伏線として生きてくるところなんて、痛快・爽快です。
実は、帰りの電車で最寄り駅を降りるところで、ようやく全ての真相を知っている人のところに行き着いて、語り始めるところだったので、いても立ってもいられずに、降りたホームでベンチに座って最後まで読み通しました(苦笑)。家に帰り着くまで我慢できなかったんですもの〜。
キャラクタが、「謎を解くための造型」内に留まっているような気がしないでもないのが残念ですが、こういうパズルっぽいミステリでは、キャラが生々しすぎるとよろしくないのかも知れません。

ISBN:4044271011 文庫 米澤 穂信 角川書店 2001/10 ¥480
先日の「これから読む本」リストに入っていなかったのですが、うっかり新刊出ていたのを失念していたので購入→読了。
すっげーや。初めはお色気を振りかけて魔銃士の戦いとレベルアップで見せていくジャンプ的な話かと思っていましたが、あれよあれよという間に天下国家や戦争史観から個人レベルの見栄や欲まで語って鮮やかな曼陀羅を描いてみせる手腕はお見事です。
でも、次でいったんケリが付くそうで、ここまで広げた風呂敷をどうやって畳むのか、本当に興味津々。
そして。
メガネ! メガネ兄弟萌え!!
執事! 執事超萌え!!

ISBN:4840112622 文庫 高殿 円 メディアファクトリー 2005/05 ¥609
と、いうわけでサンドラ初期の傑作と言われる「侵入者」読了。
無実の罪で服役していた、インディアンと白人のハーフの男が、祖父の死に目に会うために脱獄、途中で侵入した家の住人であるヒロインを人質に逃亡する。
誇り高く、白人を信用しないヒーローと、典型的WASPのお嬢さんとが、反発し合ながらもいつしか……、というパターンなんですが、結局ヒーローは酋長の血を引いて土地持ちでしかも弁護士ときた! 結局オンナは安定志向。
そして、ヒーローはインディアンとかラテン系・スコッツOKでも、ヒロインは基本的に美人で白人でないとならないんだろうな〜。

ロマンス小説っていうのは結局二人が結ばれるまで(というか有り体に言えばえちするまで)が売りなので、普通の小説なら終わる部分から先が長くて、なんかバランス悪い気がするなぁ。

ISBN:4596910030 文庫 サンドラ・ブラウン ハーレクイン 2001/09 ¥680
もっとも好きなBL作家の一人である超寡作作家の、ノベルス文庫落ち。書き下ろし短編目当てに買ったけれど、本文中にもあちこち書き足しがあった。
一番の気に入りで何度も繰り返し読んだと言っても、最後に読んだのが何年も前なのに、書き足し部分はずいぶん気づいた方じゃないかな。とくに、ラストに取って付けたように追加されたえちシーンはちょっと蛇足気味? イマドキのお嬢さんたちにはそれでも足りな目かもしれませんが。

今市子は好きなマンガ家だし、この話の雰囲気にも合ってると思いますが、この話に関しては、ノベルスの時の挿絵のイメージが強すぎて、替わってしまったことが少し残念……。

ISBN:4775505815 文庫 鷺沼 やすな オークラ出版 2005/06 ¥580
「インタビュー術!」にも紹介されていた、スポーツノンフィクション。それ以外の場所や人からもよく名前を聞いたり薦められたりした「江夏の21球」所収。
スポーツには興味がなかったので、今までさんざんいい評価を聞いていても手が出なかったのだけれど、「インタビュー」という点から興味を引かれて手に取った。で、とても面白かった。
主に雑誌に掲載された短編を集めたものなのだけれど、スポーツ界の、いろいろな場面・いろいろな人をテーマに、緊張感あふれる物語が展開している。

小説と違ってノンフィクションは、そのまま時系列で書いたって作品にはならないのであって、素材をどう編集し構成するか、というところにもライターの力量が現れるのだと思う。
この短編集でも、一番山場となる試合なり競技会について書いていく合間合間にそこに至るまでのバックグラウンドが少しずつ挟み込まれたりして、クライマックスへと盛り上げていくやり方が、テクニカルではあるけれどうまいなぁと関心。
こういう背景部分までわかればスポーツ観戦も楽しいのかもしれないと思いました。

ISBN:404154002X 文庫 山際 淳司 角川書店 1985/02 ¥483
最近、日経新聞土曜版「NIKKEIプラス1」のお料理コーナーが好きだ。家事をまったくしない私でも作ってみようという気になる料理が載っている。
どれくらいかんたんなレシピかというと、「水出し緑茶」なんてのまで載っている。それってどうよ(笑)。

そのお料理コーナーをまとめた本を書店で見つけたので、下のマンガと一緒につい購入。合わせて、BL小説で一番好きな作家の1人、鷺沼やすなのノベルスが文庫落ちして書き下ろし短編がついたというのでノベルスを持っているのに買ってしまった「夢の卵」と、「インタビュー術!」のなかでお薦めインタビューの一つに挙げられていた山際淳司「スローカーブを、もう1球」の4冊を衝動買い。でも合計で3,000円ちょいだったのでなんだか得した気分になった。

ISBN:4938508729 単行本 ベターホーム協会 ベターホーム出版局 2004/12 ¥1,260
編集エージェント会社のサイトで連載されている著者のエッセイ集第3弾くらい?
いきなりここから読み始めたのは、この本に三浦しをんがヴィゴ・モーテンセンに対するかっとんだ妄想を赤裸々に書いた一文が載っているから。
いや、でも他の部分も大変おかしかった。わたしよりも少し若いらしいけれど、マンガ遍歴やBL系文化への偏愛には共通するものがあって、おかしいおかしい。
この人が直木賞候補なんだから、時代も変わったものよのう。

ISBN:4872338596 単行本 三浦 しをん 太田出版 2004/06 ¥1,470
で、途中まで読んでいたこちらも読了。

雑誌や新聞、ノンフィクション系の本を眺めてみると、その多くはインタビューをもとに成り立っていることがわかる。その名のとおり「インタビュー」として扱われているものはもちろん、それ以外のものも取材や調査という形で人から話を聞き、まとめられたケースばかりだ。そんな身近にあるインタビューの舞台裏を、気鋭のフリーライター・…


海外の俳優さんに興味を持ち始めて、ネットでインタビューを読み漁るようになってから、「インタビュー」というものについて興味があります。
でも、そういう特殊事例だけでなくて、例えば普段の会話でも、相談を持ちかけられた友人に、どういう話の振り方をすれば(本当の)悩み事を引き出せるだろうか、とか、インタビュー術には応用範囲も広いと思う。
文章も平易だし、具体例がちょっと俗っぽくて興味が引かれ、大変面白く読みました。
インタビュー本も読みたくなってきました。
でも、とりあえずは前回の予告どおりに購入した三浦しをんのエッセイを読んでます。

ISBN:4061496271 新書 永江 朗 講談社 2002/10 ¥777
日曜に出かけるとき、読みかけていた新書を持って出るのを忘れ、途中の書店に寄ってとりあえず読む本を物色。荷物が多かったので、できるだけ薄い文庫を、と思うと日本のエッセイものになってしまう。と、いうわけで、実は初・角田光代。

これは多分、最初に読むには適さない本だったかもしれない。
ちゃんと、小説から入るべきだったかなぁ。
実は一番面白かったのは、三浦しをんの解説だった。
というわけで、次は三浦しをんのエッセイを読んでみようと思ったのでありました。

ISBN:4167672014 文庫 角田 光代 文芸春秋 2003/09 ¥530
動物にまつわる短編3編。
自己犠牲とか奇跡とかを扱っていて、キリスト教徒ではないわたしにとってはちょっとおとぎ話的な予定調和に見える。
が。正直言ってそういう話もツボだったりして、この中の1編でもあっさり涙ぐむ(当然、朝の通勤電車の中でね/汗)。

ギャリコの動物ものは、けっして動物に人間のような感性を持たせず、ただ動物らしく行動しているだけなのだけれど、唯一、この3篇の中の最後の1篇に出てくる牝牛は、微妙に人間的感性があるように描写されていて違和感。ただし上手く説明されていて、けっして「存在しない動物」にはなっていない。

ISBN:4102168028 文庫 ポール・ギャリコ 新潮社 1996/12 ¥420
映画にもなった川上弘美の出世作。実は初・川上弘美。
以下ネタバレ。





というほどでもないけれど、これも死にネタ。でもこれは泣かなかったのはなぜだろう?やっぱり、思いを遂げて死ぬのは満足だけれど、想いを遂げられずに死ぬのは切ないからなのかな。

ISBN:4167631032 文庫 川上 弘美 文藝春秋 2004/09/03 ¥560
ええ、ええ。朝の通勤電車で(以下略)。
ああ……二日続けて、こんなことになろうとは。というか、ベタといえばベタな死にネタに弱いわたしが悪いのか……。

ISBN:4101253323 文庫 梨木 香歩 新潮社 2001/07 ¥420
ええ、ええ。朝の通勤電車内で涙ぐんでしまったのはヒミツです。
(以下、後日)

ISBN:4087747700 単行本 恩田 陸 集英社 2005/06 ¥1,470
BL的にはようやく前巻で主人公たちが出来上がった、と思ったとたんに離れ離れになって、どうなることかと引きもバツグンで迎えた最新刊。
この巻から「スペイン編」になるということでしたがスペインには行き着かず(笑)。
それにしても微妙にビセンテひいきなわたしは、「だめ! ダメだよビセンテ主人公の色香に迷っちゃ!!」という意味でもハラハラしっぱなしでした(笑)。
この著者は、映画M&Cのパンフレットに短文を寄せるほど、海モノにも精通しているので(正確には、自分の小説のバックボーンにつついての知識の仕入れ方が尋常じゃない)、ライトノベルの海洋モノでも手を抜かない描写に満足です。
これ、もういっそBLじゃなくてもいいんだけど……。ダメ?

ISBN:4199003568 文庫 松岡なつき(雪舟 薫) 徳間書店 2005/06/29 ¥540
元弁護士で、美味しいもの好きが高じてグルメ・ライターとなった著者が、米ヴォーグ誌で連載していた美食エッセイをまとめたもの。第2弾。
誤って第2弾から買ってしまいましたが、もとが雑誌連載なのでこれから読んでも問題はありませんでした。
美味しいものを食べるためにエネルギッシュかつ実証的な探究心を発揮する著者は、おいしいトロを食べるために漁船に乗ったり、アメリカで購入できるエスプレッソメーカーを集めて飲み比べたり、自宅でおいしいピザを焼くために、非接触型温度計を買ってニューヨーク中のピザ屋の焼き釜の温度を測り、家庭用オーブンがそこまで熱くなるようにサーモスタット部分を破壊したりと、ありとあらゆることに挑戦します。
実は、それでもアメリカ在住の読者向けなので食材やらなにやらにぴんとこないところがあったのですが、最後のほうになって、「マンハッタンでもっとも美味しいタルトとは」という話(タイトルは違います)を読んで、無性にタルトを食べたくてしかたがなくなりました。
グルメエッセイはコレがなくちゃね。

ISBN:4167651483 文庫 ジェフリー・スタインガーテン(野中 邦子 訳) 文芸春秋 2005/03 ¥700
詳細はのちほど。

ISBN:434440551X 文庫 雫井 脩介 幻冬舎 2004/08 ¥800

※秋林さま
コミックバトン、受け取りました。週末に書きますので少々お待ちを。
わたしの好きなロマンス小説作家、サンドラの翻訳最新作は西部開拓時代を舞台にしたヒストリカル・ロマン。この時代といえばわたしの世代には「大草原の小さな家」シリーズで画像イメージはバッチリなので、世界観への抵抗はなかった。
物足りなかったのは……、サンドラの作品を主に訳しているのは新潮社と集英社なのですが、集英社のほうはロマンス小説寄りの作品が主で、つまり、セッ■スシーンがしょっちゅう入る。終いには飽きてそこだけ飛ばして読んじゃいました。
でも、それ以外の筋もちゃんと面白いので満足です。
ここに出てくる脇キャラの続編もあるそうなんですが、某所にて重大なネタバレを読んでしまい、なんかクヤシイ……。

ISBN:4087604896 文庫 サンドラ・ブラウン 集英社 2005/06/17 ¥680

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