相も変わらずおっさんずラブ。

先日ネットの、というか「note」というネット上で文章(やイラスト等の作品)を有料公開できるサービスで「おっさんずラブ」について無料公開している文章をつらつら読んでいたら、
「男同士のドラマなのにジェンダー背負ってる(意訳)」
ことへのもやもやを書かれている文章を見つけて、なるほどそういう見方はあるよね、と思ったり。
ただ、これを書いている方は実際にドラマを見ていない「やおい」素養のある女性のようです。
私は、ドラマは元よりキャストやスタッフのインタビューなども漁って読んでいるので、このドラマの場合はそういう話とはちょっとテーマがずれるよなぁ、と思っています。

このドラマのプロデューサーはアラサー女性で、ドラマを作るきっかけとなったエピソードをいくつかのインタビューで答えています。たとえばこちら。

ーーそもそもこの『おっさんずラブ』の企画は、貴島さんの大学時代のエピソードが基になっているそうですね。

貴島:はい。私は実家暮らしで、洗濯も料理も全然できなくて……(笑)ある日友達の家に泊まりに行ったら、着替えも用意してくれるし、ご飯も作ってくれるし、朝は起こしてくれるし、起きたら朝ごはんが用意されてるし、という状況で。ふと「あれっ彼女と結婚しちゃいけない理由って何だっけ?」と思ったのがこの企画の始まりでした。

(引用元 http://realsound.jp/movie/2018/06/post-201379.html


つまり、男だろうが女だろうがバリバリ働いていたら、家事を担当してくれる人に(異性だろうが同性だろうが)惚れるよね?という話なんですよね、そもそもが。
大前提として「主人公は家事ができず」そこへ「家事万能で自分に惚れている、けれど同性」が現れたら、セクシャリティを超えて恋愛できるか?というテーマなのだから、役割分担ができるのは避けがたいのですよね。

もちろん、最初の文章を書いた方の意見ももっともであって、これまで(今も)あった「女=家事を担う」という性役割から自由になれていない(カップルのうち片方のみが家事を担う)という批判も妥当性があります。同性同士のカップルで(異性のカップルでも)仕事も一緒なら、家事を担うのも平等であるべき、というのは理想です。
が、このドラマの作りが濃やかなところは、さりげなく逆の立場の恋愛観も提示しているところで、それがちずちゃんの「イケメン執事」なんだと思っています。

ちずちゃんは、当初ニート(転職活動中)だったし実家の居酒屋を手伝っているから目立たないですが、外資系広告代理店に再就職するバリバリのキャリア女性。しかも家事苦手。
そんな彼女の理想は、家事を担ってくれる執事(みたいなパートナー)。物語の最後には、理想の彼氏を手に入れています。
ジェンダーでいえば、このカップルは従来の性役割が逆転している。
ちゃんとそういう例も提示しているところが、抜かりないなぁと思うわけです。

自分の話になりますが、30代のころ独身で働いている女友だちとよく話していたのが
「私たちが欲しいのは彼氏や旦那じゃなくて、お母さん」
というもの。
このドラマの基底にあるのは、そういうことだと思うのです。
もちろん、メインは(強力すぎる当て馬に目がくらまされるものの)ノンケとゲイのボーイ・ミーツ・ボーイものだと信じてます!


コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索