最近寂しさが身に染みる独身男藤本誓のもとに、やけに模様がくっきりとした三毛猫が現れるようになった。と同時に、会社からの帰り道、野良と思われる白猫が「お腹すいた」と猛アピールしてくるように。食べ物を与えるようになった誓は、次第に猫が飼いたくなり、ペット可物件に入居してしまう(表題作「猫だけが知っている」より)。今日もミケさんたちは、猫好きな誰かのことをじっと見ている!?ページをめくるたび、あなたも猫の魅力のとりこになる、モフモフ猫小説誕生!

https://www.amazon.co.jp/dp/4758441251


Amazonにお薦めされて発行を知ったネコ小説。
著者の矢崎在美といえば人語を話し普通に人間社会で生活するピンクのぬいぐるみが主人公の「ぶたぶた」が有名で、私もシリーズ当初は欠かさず読んでいたのに、最近こんな猫小説に手を出していたとは不覚にもチェックしておりませんでした。
というわけでさっそく入手。

タイトルに入っているNNNとは、著者はあとがきで都市伝説、と言っていますが、より正確にはインターネットの猫好きコミュニティにおける有名なネットジョーク。はからずも捨て猫や野良猫を浩って飼い始めることを「NNN(ねこねこネットワーク)という秘密結社から猫が派遣されてきた」と言い慣わしていて、そこから様々なNNNの設定が作り上げられています。

この本は、NNNから猫が派遣される、つまり様々な立場の人が家のない猫と出会い、飼い始めることになる短編小説集で、拾う立場の人間と、ネットワーク側の野良猫の視点から語られています。
どの話も必ず最後は野良猫が飼い主と出会う話なのでハッピーエンドが保証されている点で、安心して読めますが、だからこそ、それをフィクションとして成立させるにはもうひと捻りほしかったところですが、気楽に読める本ではあります。

今月になって続編も刊行されたので、また読んでみます。


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