真実の瞬間(1967伊)
2017年5月13日 映画鑑賞記録第4紀(17.05~)
ご無沙汰しておりました!
パスワード再発行申請メールの返信が受信できたので、無事に再開できるようになりました。行方不明になるんじゃないかと気にされていた方がいらっしゃいましたら、心よりのお詫びとお礼を。
実はこの映画、CATVの放送をしばらく前に録画予約をしていたものの、どんな映画だったかうっかり失念しており(スペインの映画だから予約した、ということしか覚えていたなかった)、新鮮な気持ちで再生したのですが(笑)、始まってから10分近く、BGMもタイトルもなくスペインの闘牛シーンが続くので、もしかして闘牛ドキュメンタリだったかしら、と思い始めたころに、ようやく主人公が登場してセリフも出てきました。
ことほどさように、ドキュメンタリータッチの、闘牛士の一生を描いた映画です。
1967年といえばスペインはまだフランコ政権の時代。「ミツバチのささやき」よりさらに数年前に制作されているので、この映画もそういう、暗に政権批判(上のあらすじに依れば、貧困層の生活の苦しさを告発)するような映画かと勝手に予想していたのですが、どうやらそれとも違うようです。
個人的に(某スペインの昼ドラにはまっていたせいで/笑)スペインには関心が高いのですが、闘牛文化にはあまり興味を引かれず、とおりいっぺんのことしか知りませんでした。(えすとえむ「ゴロンドリーナ」も読んでいない/汗)
この映画では、闘牛という興行についてとても詳しく描かれているので、そういう面からもとても興味深い内容でした。
タイトルになっている「真実の瞬間(La hora de la verdad)」とは、闘牛への止めのひと刺しを指すのだそうですが、止めの前に牛を弱らせるためにいくつも刺す剣と、止めの剣は形が違って、止めの剣は(ヨーロッパの剣は普通そうですが)十字架の形になっていて、それを牛の肩甲骨の間に上から真っ直ぐに突き立てる。その映像を見たとき、ああ、もしかして闘牛って、キリスト教の宗教儀式的な要素が少なからずあるのかしら、と得心したのでした。
そういえば、映画の冒頭も最後も教会のシーンだし。
(以下ネタバレのため白字で伏字。こんな古い映画でネタバレもないとは思いますが……)
そう考えると、主人公ミゲルの人生が、キリストの生涯となんとなく重なるんです。特に最後、牛に突かれて闘牛場で倒れ、人々に抱えられて裏へ連れていかれる姿とか。最後に一瞬映るマリア像はピエタだし。
(ネタバレ以上)
そういう意味でもいろんな意味で見られる、いい映画でした。
後から調べたら、監督はドキュメンタリー映画出身らしい。なるほど。
さらに、公開時キネ旬ベストテン入りしているそうです(キネ旬ベストがどういう傾向なのかとか、よく知りませんが/苦笑)
というわけで思わぬ拾い物でとても楽しめたし、いろんな方にお勧めしたいのですが、まあ、時代が時代なので闘牛の牛が流す血とか、どんどん殺されるところが余すところなく映るので(当然本当に殺してるだろうし)、リアルでいいなぁと思うと同時に、かわいそうだというのは否めない。
そういうの、平気な方はぜひ。
パスワード再発行申請メールの返信が受信できたので、無事に再開できるようになりました。行方不明になるんじゃないかと気にされていた方がいらっしゃいましたら、心よりのお詫びとお礼を。
実はこの映画、CATVの放送をしばらく前に録画予約をしていたものの、どんな映画だったかうっかり失念しており(スペインの映画だから予約した、ということしか覚えていたなかった)、新鮮な気持ちで再生したのですが(笑)、始まってから10分近く、BGMもタイトルもなくスペインの闘牛シーンが続くので、もしかして闘牛ドキュメンタリだったかしら、と思い始めたころに、ようやく主人公が登場してセリフも出てきました。
ことほどさように、ドキュメンタリータッチの、闘牛士の一生を描いた映画です。
青年ミゲルは貧しい村を嫌って都会に職を求めるが、労務者生活に疲れ果て闘牛士養成所の門を叩く。厳しい訓練にも耐え、地方巡業で見事な闘いぶりを見せ認められ、晴れの舞台に登場。人気の高まりと共に収入も増すが、それに比例してきつくなる日程に心も体も酷使され、彼は自分の望むのとは違う向きに歩み始めていると漠然と気付く。群がる女性たちも慰めにはならない。しかし、なおも命懸けの興行は続く…。
1967年といえばスペインはまだフランコ政権の時代。「ミツバチのささやき」よりさらに数年前に制作されているので、この映画もそういう、暗に政権批判(上のあらすじに依れば、貧困層の生活の苦しさを告発)するような映画かと勝手に予想していたのですが、どうやらそれとも違うようです。
個人的に(某スペインの昼ドラにはまっていたせいで/笑)スペインには関心が高いのですが、闘牛文化にはあまり興味を引かれず、とおりいっぺんのことしか知りませんでした。(えすとえむ「ゴロンドリーナ」も読んでいない/汗)
この映画では、闘牛という興行についてとても詳しく描かれているので、そういう面からもとても興味深い内容でした。
タイトルになっている「真実の瞬間(La hora de la verdad)」とは、闘牛への止めのひと刺しを指すのだそうですが、止めの前に牛を弱らせるためにいくつも刺す剣と、止めの剣は形が違って、止めの剣は(ヨーロッパの剣は普通そうですが)十字架の形になっていて、それを牛の肩甲骨の間に上から真っ直ぐに突き立てる。その映像を見たとき、ああ、もしかして闘牛って、キリスト教の宗教儀式的な要素が少なからずあるのかしら、と得心したのでした。
そういえば、映画の冒頭も最後も教会のシーンだし。
(以下ネタバレのため白字で伏字。こんな古い映画でネタバレもないとは思いますが……)
そう考えると、主人公ミゲルの人生が、キリストの生涯となんとなく重なるんです。特に最後、牛に突かれて闘牛場で倒れ、人々に抱えられて裏へ連れていかれる姿とか。最後に一瞬映るマリア像はピエタだし。
(ネタバレ以上)
そういう意味でもいろんな意味で見られる、いい映画でした。
後から調べたら、監督はドキュメンタリー映画出身らしい。なるほど。
さらに、公開時キネ旬ベストテン入りしているそうです(キネ旬ベストがどういう傾向なのかとか、よく知りませんが/苦笑)
というわけで思わぬ拾い物でとても楽しめたし、いろんな方にお勧めしたいのですが、まあ、時代が時代なので闘牛の牛が流す血とか、どんどん殺されるところが余すところなく映るので(当然本当に殺してるだろうし)、リアルでいいなぁと思うと同時に、かわいそうだというのは否めない。
そういうの、平気な方はぜひ。
コメント