精霊の守り人 (新潮文庫)
2016年3月23日 読書記録第6紀(13.08~)
NHKが鳴り物入りで実写ドラマ化する、国際アンデルセン賞受賞の原作。
実を言うと未読でした。
持ち歩きに便利な文庫で読み始めたのですが、途中で「ああ、そういえばこれは当初児童文学として出版されたのだった」と思い出した。
どうしても文庫フォーマットだと大人向けの文学を読むような心構えで読んでしまって、おや、と引っかかるところがいくつかあった。
一番引っかかったのは、たった250年前に使われていた文字が「古代語」とされて、さらに後の世の人が書き写した石板を解読するのが難しいことになっていること。250年前というと現代で言ったら江戸中期ごろの言葉。たしかに一般人が普通に読めるものではないけれど……。
でも、子どもにとったら100年前って大昔だから、250年前に使われていた言葉が解読不可能な古代語だったり、当時の出来事が神話とされていたり、というのもあり得るかも、と、読み替えが必要な部分がいくつかあった。
とはいえ、和製ハイ・ファンタジーとしてはとてもよくできていておもしろかった。
文庫版の解説を恩田陸と神宮輝夫が書いていて、神宮輝夫がきちんと、和製ハイ・ファンタジーとして荻原規子の勾玉三部作を挙げていてよかった。
ただ、和製ハイ・ファンタジーの傑作というとやはり12国記を挙げてほしいよなぁ。中華風味ではあるけれど、王と麒麟の関係を軸とした世界観の作り込みといい、そこで現れる人間の愚かさやうつくしさといい、あれほど素晴らしい作品はないと思うのだけれど。
たとえ未完だとしてもな!
実を言うと未読でした。
持ち歩きに便利な文庫で読み始めたのですが、途中で「ああ、そういえばこれは当初児童文学として出版されたのだった」と思い出した。
どうしても文庫フォーマットだと大人向けの文学を読むような心構えで読んでしまって、おや、と引っかかるところがいくつかあった。
一番引っかかったのは、たった250年前に使われていた文字が「古代語」とされて、さらに後の世の人が書き写した石板を解読するのが難しいことになっていること。250年前というと現代で言ったら江戸中期ごろの言葉。たしかに一般人が普通に読めるものではないけれど……。
でも、子どもにとったら100年前って大昔だから、250年前に使われていた言葉が解読不可能な古代語だったり、当時の出来事が神話とされていたり、というのもあり得るかも、と、読み替えが必要な部分がいくつかあった。
とはいえ、和製ハイ・ファンタジーとしてはとてもよくできていておもしろかった。
文庫版の解説を恩田陸と神宮輝夫が書いていて、神宮輝夫がきちんと、和製ハイ・ファンタジーとして荻原規子の勾玉三部作を挙げていてよかった。
ただ、和製ハイ・ファンタジーの傑作というとやはり12国記を挙げてほしいよなぁ。中華風味ではあるけれど、王と麒麟の関係を軸とした世界観の作り込みといい、そこで現れる人間の愚かさやうつくしさといい、あれほど素晴らしい作品はないと思うのだけれど。
たとえ未完だとしてもな!
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