どんな事件が起きても不思議はない険悪な空気が町に充満していた。新任の新聞記者クィラランは畑違いの美術担当にまわされ、新進画家や批評家を取材してまわった。ところが、そこに渦巻いているのは、嫉妬、中傷、よからぬ噂話ばかり…。女流画家を妻に持つ町の画商がオフィスで刺殺され、画廊の絵が刃物で切られたのは、そんなときだった。家庭内のいざこざとも思えたが、次の殺人が起こるに及んで…。新聞記者クィラランが頭を抱えた難事件を解決に導く、不思議なシャム猫ココの推理とは?世の猫好き垂涎のシャム猫ココ・シリーズの処女作。


シャム猫ココシリーズ、翻訳の出版順では2冊目だけれど書かれた順では第1作。(←やや恨みを込めて/笑)

ただ、これを読んだら、最初にこれを出版しなかった気持ちも分かった。
(ネタばれにつき反転)
犯人が、会話の中では名前が出てくるものの姿が出てくるのは最後の最後
(反転以上)
なんだもの。特にハヤカワみたいなミステリが売りの出版社なら、これを最初に出したら次が出せなかったと思う。
推理小説のルール(ノックスの十戒)に反してるし。まあ、これを破ってもいいミステリはあるけれど。

でも、1冊目(第4作)を読んでいても思ったけれど、このシリーズ、何気に食べ物の描写がおいしそう。グルメが登場してシャレた料理を作るし、主人公クィラランがそれをまた旨そうに描写する。
パイナップルとミントのマリネ、って作ってみたい。

なぜか交互に読んでいる、シャム猫ココとお菓子探偵ハンナシリーズ、どちらも探偵役に飼い猫がいるけれど、ハンナの猫モシャは元野良でふてぶてしいけどハンナには甘えん坊で推理にはまったく役に立っていない一方、ココは高貴なシャム猫でツンデレで、タイトルになっているとおりクィラランに推理の重要なヒントを(意図せずに)指し示す。
対照的な猫だ。

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