岸本葉子によるエッセイの書き方本。
「京都造形芸術大学通信教育部における授業記録に基づき、書き下ろしたもの」ということで、授業のように分かりやすく要点をまとめて、ノウハウに特化して書かれている。
それも、自己表現ではなく職業として、コンスタントに、時には与えられたテーマに即して書くことを前提としているので、ある意味非常にドライ。でもそこがおもしろい。

岸本葉子という作家は、私よりも数年年上で、独身でフリーで家を買ったりなんたり、と、すべてではないけれど自分に近い部分があるのでたまに気が付くと手にとって読むのだけれど、でもなぜか、根本的なところで寄り添いきれないところがある。自分にとっては気になる存在。
この本の中でも、テクニック中心に説明するところは興味深かったものの、「敬体と常体は、文章のリズムによっては混在していても構わない」と言い切ってしまうところや、例として紹介している自分の書いたエッセイで、「~のような。」とか「~だったり。」とか、文章の途中で句点を打って終わりにしてしまう文体が気になって気になって仕方がない。
まあ、これは好みの問題であって、批判するつもりは毛頭ない。
とはいえやっぱり微妙な気分で読み終わった。

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