動物が重要な役割を果たす物語は3000年前も今も同じくらい好まれている。したがって、ミステリ作家たちが動物にある種の愛着を感じ、彼らが登場する物語をたくさん書いたとしても不思議はない。犬、猫、鳥、ハムスター、蛇…。自らも大の犬好きで知られる女性作家パレツキーが、さまざまな語り口の多様な動物観と多岐にわたる短篇形式の精華を、膨大な作品郡の中から選び抜いた、動物好きには読み逃せないアンソロジー。
動物ミステリをあれこれ読んでいた時期があって、これは絶版になっており近所の図書館にも入っておらず古本にもなく、しばらく様子をみていてやっとブックオフに出品されたのを購入したものの、ちょうど読む本が重なっていて手に取れなかった。
先日、ようやく手に取ったものの、最初の短編がなんだかよく分からなくて途中で止まったきりさらにしばらく時間が経ってしまった。その話さえ読み通せば、後の話は読みやすくておもしろい。
とはいえ、2本目が何ともいえない「それってどうなのよ?」的な話で(Amazonレビューで指摘されている「バカミス」はこれのことかと思われる)、この最初の2本をクリアできるかが高いハードルになっていて、どういう編集意図でこの2本を冒頭に持ってきたのか、編者(サラ・パレツキー)に問いただしたい気持ち満載だ。
私は、ヒョウ(モンバサへの客)と白鳥(隣人たち)、ハムスター(正義は勝つ)が特におもしろかった。短編なので、ネタばれせずにどうおもしろいかを説明できないのが辛い。
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