陽だまりの彼女
2012年5月9日 読書記録第5紀(10.12~)幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。
先日のイタリア旅行のツアーに母親と参加していた男子(25歳)が読んでいたので、ちょっと関心を引かれて読んでみた。
事前にこの著者の予備知識はなかったのだけれど、ファンタジーノベル大賞受賞者だそうだ。
ちなみに、文庫オビには
「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」
とある。
が、ううーん、微妙にツボを外しているのでドキドキもキュンキュンもきゅーっと切なくもならなかった……。
たぶんこのカップルの描写が、完全オトコのコ目線でラノベ的だからじゃないかしら。
ラノベ的、というか現実的でないのは、この設定(というかオチ)ならば致し方ない部分もあるのだけれど、
それはオチを知ってから振り返れば納得するのであって、初読の際には感情移入を阻む要因になりかねない。
それ以外の部分では、例えばお仕事描写とか、お互いや家族を思いやる台詞回しとか、地に足の着いたいいところもあるんだけどなぁ。
二度目に、オチを知ってから読めばいろいろ納得もするのだろうけれど、1度目に感情移入
できていないと2度読む気にもなれなくて。
それと、なんだかこんなオチでもっとツボにくる翻訳小説かマンガの短編が過去に2、3本はあったような気がする。
だから、最初にこのネタに出会った人ならば感動するかもしれないけれど、どうにも既視感が拭えないのが、こそばゆい。
それにしても驚いたのは、主人公たちの地元が私の実家のある市で、彼女の勤め先のあるオフィスビルに私も勤めていたことがあり、彼らが一緒に暮らし始める街の沿線に私も住んでいたことがある、という、
なんとも不思議な偶然が重なっていること。
著者は東京出身でこの市との縁はなさそうだけれど、なんだってこんなマイナーな市を舞台に選んだかな?
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