イギリス萌えなアメリカ人女性教授が書いた、イギリスのパブを舞台にしたミステリ・シリーズの第2巻。

第1巻「「禍の荷を負う男」亭の殺人」の感想
http://yogiribook.diarynote.jp/201108222110345994/

第11巻「『老いぼれ腰抜け』亭の純情」の感想
http://yogiribook.diarynote.jp/201102250109474169/

パブ<化かされた古狐>亭の看板が風に揺れている。スープのように濃い海霧の向こうで霧笛がむせび泣く。渺々たる荒地の彼方、北海に面した小漁村ラックムアで、十二日節の前夜、若い美女が殺された。真冬のヨークシャーか……ロンドン警視庁のジュリー警部は重い腰を上げた。アメリカ産の英国ミステリーで評判のシリーズ第二作(文庫あとがきより)


村と一体に影響力を持つ准男爵家にまつわる殺人事件を、なかなか一筋縄ではいかない人々からジュリー警部が捜査するのですが、彼の”相棒”とも言える爵位を返上した元貴族のメルローズがたまたま准男爵に招待されていたことから、またまた捜査のお手伝いをします。
ジュリー警部は、彼の能力や実績を嫉妬して昇進を邪魔している上司や呼ばれて来たのに迷惑顔の地元警察に、またメルローズは彼の叔父と結婚してメルローズが捨てた爵位を拾った(デリカシーのない)アメリカ人女性である叔母に、とても迷惑していて、お互いに

「あの人がいればいいなぁ」と思ったり、

”<オールド・ペキュリア>を飲みながらフランス文学を読んでいた”と聞いただけで「あの人だ」と分かったり、

さりげなく相手のやることを真似したり、

お互いに再会できたことを心から喜んだり、

とまあ、らぶらぶっぷりがエスカレートしつつあって非常に楽しめました。<そこか!
(でも、なぜか先に読んでしまった11巻でも、この微妙な距離感は縮まっていなかったのが残念。)

それはさておいても、毎回繰り返しますが、この作家は子どもと老人を書かせると一級品。

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