お友だちがエラいはまって映画館に通っているのをみて、気になって見てきました。

ガイ・リッチー節が炸裂しておりました(笑)。

あの隙なく無駄なく構築された脚本は気持ちいいですね。
さらにマンガ的なスチームパンクなロンドンの画作りもツボ。
また、ホームズの論理性を映画にしようとするとどうしてもスピード感がなくなるし
映画の絵としてもおもしろくない、という問題を、カットバックを多用して解決している
演出の手腕にも感心しました。

そして、最初にガイ・リッチーの「ロック、ストック~」を薦めてくれた人が
「タイムリミットものの傑作」というふれこみだったこともあって、
これもそういう目で見ていたのですが、大なり小なりあちこちにタイムリミットのハラハラ感を
撒き散らしていて、それもすばらしい。
「明日の正午に世界が変わる」という一番の山場も明らかなタイムリミットですが、
実は「ワトソンが結婚してホームズと暮らしていた家を出るつもりでいる」というのも
広い意味ではタイムリミットのテクニックなのかな、と思いました。
ホームズは、ワトソンが家を出て行かないようにあの手この手を尽くすのだけれど、
「その時」はだんだん近づいてくる……
事件の解決と並行して、そんな人間関係の緊張感も、ぐいぐい見るものを引っ張る要因に
なっているように思いました。

すみずみまで計算が行き届いている、という意味ではピーター・ウィア監督に通じるものがありながら、あちらが無駄をそぎ落としているのと対極的に、こちらは過剰なまでに情報を詰め込むところが面白い、
そして、どちらも非常に好みなのだけれど、どうやらあまり流行っていないところも似ているようだ。
ああもったいない。

コメント

秋林 瑞佳
2010年4月23日9:12

>タイムリミットのハラハラ感
そうそうそう!そうなんですよー!

ガイ・リッチーが復活してくれて嬉しい1本でした。
(私はタランティーノよりガイ・リッチー派)
マドンナと結婚してから散々だったけに、「祝!復活!」二乗です。

これ続編ができないかな~…。

夜霧のネオンサイン
2010年4月23日23:06

ガイ・リッチーって、ホントに「復活」って言葉がふさわしいほど
作品なかったんですね~。(上の文章を書くのに過去作品を調べてちょっと驚きました)
続編作って欲しいですけど、あんまり興行成績よろしくないようですね。
そんなところもP.ウィアー監督の「マスター・アンド・コマンター」を思い起こさせます(涙)。

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