バンクーバーオリンピックを前にして出ました、フィギュアスケートものBL!
しかも上下巻!!

どうやら作者はそうとうフィギュアファンらしく、現実を思い起こさせるエピソードがこれでもかと盛り込まれ、競技の描写も詳細で、まるでBLでない普通のフィギュアスケート・ライトノベルを読んでいるかと錯覚させるような話の合い間に、主人公のフリークなヤクザとの恋愛が絡むという盛りだくさんな内容。
しかも巻末に主人公の演技のプロトコル(採点表)まで載ってるよ! もうオタクとしかいいようのない凝り様に、作者の愛を感じました。

そんなわけで恋愛部分はさておき(<あっ)フィギュア部分が大変おもしろかった本作ですが、あえてひと言言わせていただければ、作者のフィギュアスケートへの愛が強すぎて、リアルなフィギュアスケートからあまり踏み外せなかったところがチト惜しかったです。
どうせBLなんだから、もっと素っ頓狂な技とかやっちゃってもよかったのに~。
それと、せっかくヤクザサイドの事件とオリンピックが絡むのなら、いっそラッセル・ブランドン「ウィンブルドン」のような時間制限ものサスペンスの要素も盛り込んだらすごい傑作になっていたのに。本当に惜しい。

でも、BLとしては十分楽しめました。

コメント

秋林 瑞佳
2010年1月13日19:26

>ヤクザサイドの事件とオリンピックが絡むのなら
ヤクザが絡むところが我がニッポンのBL小説らしいとゆーか、スゴイなあとしみじみ思いました。で…

>ラッセル・ブランドン「ウィンブルドン」
…を私もすぐ思い出してしまったので、ちょっと遠い目になってしまいました…。

夜霧のネオンサイン
2010年1月13日22:30

ヤクザ描写はちょっと甘いところもあるのですが、そこはやはりBL仕様ということで(笑)。

>>ラッセル・ブランドン「ウィンブルドン」
>…を私もすぐ思い出してしまった

ですよね~。主人公が最終滑走になったのですし、他の選手の演技を描写しないのなら、6分間練習~最終滑走までの約40分でサスペンスをして、いったん事件は解決したと見せかけながら、エキシビションでさらに追い討ちをかける敵!なんて話にするとまるでハリウッド映画のように派手派手になったなぁとか。
いろんな要素がよかったので(実は、主人公のフリーの演技の描写でちょっとウルッときました/汗)、「もう一押し」が欲しかったです。

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