先日読んだロマンチック時間SFアンソロジーで火がついて、うっかりその系統の本を数冊まとめてぽちっといってしまいました。
その1冊。
表題作と、「それゆえに愛は戻る」の2本立て。

両作とも、あまり売れない芸術家の「ぼく」と、不思議な女性とが、超自然的な現象により出会い、別れていく話。
前者はNY、後者はカリフォルニアの海岸が舞台だけれど、どちらも繊細な筆致で自然を描き出しているので、静かに物語は進み、また超自然的な現象の理屈を説明しないで、深い余韻を残して終わります。

ゆったりと話は進むので途中気持ちが離れることもあったし、御伽噺のような物語なので結末の予想を立てると、実は意外な結末だったりして、それも余韻に一役買っています。でも、意外だ、と思うのは、このおっとりした文章のなかに上手くミスリードさせる要素が紛れ込んでいるからかもしれません。

もしかするとSFの範疇には入らず、ファンタジーになるのかもしれないけれど、こういう表現もあるのだなぁと思いました。

そういえば、ジェニーの肖像は映画にもなっているそうです。

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