「国立メディア芸術総合センター(仮称)」の基本計画(案)を公表し議論
http://www.bunka.go.jp/oshirase_other/2009/mediageijutsu_090514.html
 本年(2009年)8月21日開催の第6回「国立メディア芸術総合センター(仮称)設立準備委員会」において,センターの設立に当たりその趣旨・目的や役割・方向性を明らかにするとともに,事業内容,施設内容・規模,管理運営等についての重要事項をまとめた「国立メディア芸術総合センター(仮称) 基本計画(案)」(PDF形式(376KB))を資料として,同計画のとりまとめに向けた議論が行われました。
 今後,委員会での議論を踏まえて修正した後,「基本計画」をとりまとめて近く公表する予定です。

http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/media_art/06/pdf/6-doc02.pdf


と、いうわけで、先週末あった会合で、設立の方向性をまとめた結果のペーパーが、文化庁のサイトから公表されている。
まずはその迅速さを評価しよう。

が。

リンク先のPDFを見て驚くなかれ。というか私は顎がはずれそうになりました。
わー、プリントした書類をスキャニングでPDFにしてるよ!
データをそのままPDFにすることできなかったのかな(汗)。

(1)下手に文章の一部をコピペしてブログで突っ込まれないためにわざと画像データにした。(テキスト選択できない設定にもできるはずだけど)
(2)担当者が、データをそのままPDFにする方法を知らなかった。
(3)原稿を作った人(例えば外部有識者?)が、データを文化庁担当者に渡しそびれた。(いやでも、メールで送れば……)

と、あれこれ理由を考えてみたけれど、まあとにかく、メディアアートを初めとするメディア芸術を収集・保存・展示しようとする人たちのやることとは思えないので笑えた。

内容については、もういまさら突っ込まないでおこうかと思ったけど、3点だけ。

(1)趣旨・目的の2項目(p2、PDFのページ数ではp6)
欧米では別個に扱っているメディアアートとアニメ・マンガ・ゲームを、一緒くたにメディア芸術として扱おうというのが日本独自だと言っているけれど、正直、別個に考えたほうがいいと思う……。
というか、ここを読んでますます、メディアアートでお金を取ろうとして無理無理流行りのアニメ・マンガ・ゲームをくっつけたように感じられてならない。

(2)3.事業内容 のなかの 収集・保存・修復(p6、PDFのページ数ではp10)
……なんか、「修復」とかいって、どこかの博物館の文章ひっぱってきただけじゃないかと思う。
いや、修復してくれるのはぜひ修復してほしいんですが、映画(アニメ)・ゲーム、そして大好きらしいメディアアート(笑)などのデジタルメディアの再生機器の保存のことも考えてるのかな?というのが見えなくてちょっと不安になったり。
いま、デジタルデータの保存で一番危惧されているのが、メディア(CDなりDVDなりHDDなり)がいつまで保存・再生可能なのか(主流の再生機器が変わったとき、メディア変換しなきゃならない)、と、それらを再生する機械をいつまで可動状態にして置けるか、ということだと思うのですが、なんかその視点がごそっと抜け落ちているように思えてならない。
デジタル化は、すりゃあいいってもんじゃない。維持していくのにもメッチャ金がかかるんだよね……。

(3)(別表)面積配分(p13、PDFだとp17)
最初、展示部分と収蔵庫部分の面積比は、表:裏は2:8か3:7くらいが妥当じゃないかと思ってました。
ところが、ふたを開けたらなんと、約10,000平米の総床面積のうち、
*収蔵庫 1,100平米
*展示室 3,100平米
ですってよ。1,100平米がどれくらいの広さか見当つかないときには、
*上映ホール 800平米
と比較すると収蔵庫がどれくらいのものかイメージできるでしょう。

ちなみに、東京国立博物館は(平成21年度概要より)
*延面積:展示面積:収蔵面積(8,815平米)=8:2:1

国立西洋美術館は(トップページ » 当館について » 美術館の建物)
*延面積:展示面積:収蔵面積(1,097平米)=16:4:1

東京都現代美術館は(こちらのページより)
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/museum/GENDAI/data.html
*延面積:展示面積:収蔵面積(2,696平米)=12.5:2.7:1

国立公文書館は(こちらのページより)
http://www8.cao.go.jp/chosei/koubun/kenkyukai/sidai/150609/siryo1.html
*延面積:書庫面積(7,000平米)=1.7:1

国立国会図書館本館+新館は(トップ > 国立国会図書館について > 国立国会図書館要覧 > 建物と設備 )
「総延面積は約148,000平方メートル、うち書庫が53%を占め、総収蔵能力は約1,200万冊になります」
だそうだ。

あら、最初の自分のイメージはまったく的外れだったようで、申し訳ない(汗)。
とはいえ、このメディア(中略)センターは、図書館や公文書館のような書籍や文書等の保存施設よりも、博物館・美術館的なモノを展示する箱モノイメージでいるらしく、つまりはマンガやゲームの保存よりも、もっとアート(笑)作品の収蔵と展示をイメージしているのでしょう。


どうせ来週にはなくなってしまうかもしれない計画に、いつまでも噛み付いてて大人気なくってスミマセン。


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