今週のBL
2008年10月11日 読書記録第4紀(07.10~)
今週読んだBL3冊。
BL読みたい熱最盛期に密林で注文した本が先日届いた。
スローリズム 杉原理生(ルチル文庫,2008)
中学からの同級生・現サラリーマン。ゲイ×ノンケ。
攻があまりに禁欲的に、12年に渡って気長に親友の位置をキープし続けてようやく落とすという、作者の焦らしに読者も楽しく翻弄される。
二人の会話が、ナチュラルな若いお兄さん同士、という感じで好感が持てます。
青空(そら)の下で抱きしめたい 神江真凪(シャレード文庫,2006)
ホスト(+5歳の娘)×リストラされたサラリーマン。
先日来、気になっている作者のデビュー作。この作品でも、濃やかな(ややブンガク寄り?な)描写はそれなりに好み。だけれど、話はいまいち心に来なかったかな。
と、言うのも、わたしはホストのおにいちゃんよりも、当て馬の、ずっと受に想いを寄せていた大学時代の先輩の方が好みだからだ!(笑)。
自分の想いを押し殺して受に尽くすあたり、上記「スローリズム」の攻に通じるところがあるにもかかわらず、彼方はハッピーになり此方はあっさり捨てられる……(涙)。
ホント、私的な判断ですみません。
犬ほど素敵な商売はない 榎田尤利(シャイ・ノベルス、2006)
会社社長×ホスト。調教もの。
調教ものの傑作。
攻は、出張ホストを犬に見立てて、ホントに犬用のトレーニングをつけるので、話の前3分の2くらいまで、えちシーンはまったくない。にもかかわらずそこはかとなく漂うエロス……。
たとえばS×文学は、×Mというプレイにおいてしか表現されえない愛を描くとすれば、この話は、調教として表現される愛を昇華し表現した調教文学といえましょう。(<何この上から目線)
というか、前半はまったくの、犬がトレーニングを経て飼い主と信頼関係を築いていく過程を描いていて、こっからどうやってBLのお約束に移行するのか、ハラハラして読み進めましたが、実にスムーズにシフトチェンジして最後はらぶらぶバカップルで終わるという、お見事としか言いようがない。
攻と受双方の心の傷が、調教という世間様には受け入れられない関係性によってのみ補われるという解釈(といっていいのかな)は、まさしく初期のジュネ小説の体裁とも言えるけれど、それをうまくBL風味にしているところが職人技。
いい話を読みました。
ただ、この作品を読んでしまうと、先に読んでいた、この作品に出てくる出張ホスト業つながりの第2弾の小説は、この作品の特徴やいいところを継承していないことが非常に残念。
この作品を受けて第2弾を企画するなら、たとえば緊縛趣味とか、うーんいい例えが思いつかないけれどコスプレとか? そういうプレイの1種でありあまり世間様に受け入れられないものをテーマにするとよいのではないか、と素人考えながらに思うのです。
とはいえ、緊縛趣味は、文学的に解釈して映像化した映画があったよな……。
今日の日記はNGワードが多すぎて、検索で来る人がどっと増えたらイヤだなぁ(嘆息)。
BL読みたい熱最盛期に密林で注文した本が先日届いた。
スローリズム 杉原理生(ルチル文庫,2008)
中学からの同級生・現サラリーマン。ゲイ×ノンケ。
攻があまりに禁欲的に、12年に渡って気長に親友の位置をキープし続けてようやく落とすという、作者の焦らしに読者も楽しく翻弄される。
二人の会話が、ナチュラルな若いお兄さん同士、という感じで好感が持てます。
青空(そら)の下で抱きしめたい 神江真凪(シャレード文庫,2006)
ホスト(+5歳の娘)×リストラされたサラリーマン。
先日来、気になっている作者のデビュー作。この作品でも、濃やかな(ややブンガク寄り?な)描写はそれなりに好み。だけれど、話はいまいち心に来なかったかな。
と、言うのも、わたしはホストのおにいちゃんよりも、当て馬の、ずっと受に想いを寄せていた大学時代の先輩の方が好みだからだ!(笑)。
自分の想いを押し殺して受に尽くすあたり、上記「スローリズム」の攻に通じるところがあるにもかかわらず、彼方はハッピーになり此方はあっさり捨てられる……(涙)。
ホント、私的な判断ですみません。
犬ほど素敵な商売はない 榎田尤利(シャイ・ノベルス、2006)
会社社長×ホスト。調教もの。
調教ものの傑作。
攻は、出張ホストを犬に見立てて、ホントに犬用のトレーニングをつけるので、話の前3分の2くらいまで、えちシーンはまったくない。にもかかわらずそこはかとなく漂うエロス……。
たとえばS×文学は、×Mというプレイにおいてしか表現されえない愛を描くとすれば、この話は、調教として表現される愛を昇華し表現した調教文学といえましょう。(<何この上から目線)
というか、前半はまったくの、犬がトレーニングを経て飼い主と信頼関係を築いていく過程を描いていて、こっからどうやってBLのお約束に移行するのか、ハラハラして読み進めましたが、実にスムーズにシフトチェンジして最後はらぶらぶバカップルで終わるという、お見事としか言いようがない。
攻と受双方の心の傷が、調教という世間様には受け入れられない関係性によってのみ補われるという解釈(といっていいのかな)は、まさしく初期のジュネ小説の体裁とも言えるけれど、それをうまくBL風味にしているところが職人技。
いい話を読みました。
ただ、この作品を読んでしまうと、先に読んでいた、この作品に出てくる出張ホスト業つながりの第2弾の小説は、この作品の特徴やいいところを継承していないことが非常に残念。
この作品を受けて第2弾を企画するなら、たとえば緊縛趣味とか、うーんいい例えが思いつかないけれどコスプレとか? そういうプレイの1種でありあまり世間様に受け入れられないものをテーマにするとよいのではないか、と素人考えながらに思うのです。
とはいえ、緊縛趣味は、文学的に解釈して映像化した映画があったよな……。
今日の日記はNGワードが多すぎて、検索で来る人がどっと増えたらイヤだなぁ(嘆息)。
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