舌の根も乾かないうちからBL。どこが飽きてきたというのか。>自分

小さなカフェ「ルフージュ」で働く新(あらた)は、オトコ殺しの笑顔の持ち主だが、中身はハバネロ級の毒舌家。近くに建つ高層ビルの最上階に住む実業家・眞宮は、精悍な男前なのに好きな人には心と逆の態度を取ってしまう天の邪鬼。
そんな二人が偶然出会い、新は眞宮に正体を隠して、毎日食事を届けることに!
会えば喧嘩の意地っ張り同士だけど、顔も見えない夜のキッチンの暗闇では、なぜか素直になれて…。(ノベルス裏書きより)


やり手の会社社長だけど少年のように恋に不器用攻×毒舌だけど心根は親切だとみんなにバレバレ仕事のできるカフェのマネジャー受。

こんな二人なので、二人とも自覚のあるゲイだし出会ったその日から一目ぼれしているくせに、不器用で誤解を招きやすい言葉と毒舌との応酬で、出来上がるまでにノベルス1冊かかってるよ!(褒めてる)
しかも、先代の時代から続いている美老年秘書が社長に付いていなかったら、この二人まったく進展しなかっただろうよ!!
や、この秘書がとてもいい味を出していて、発表された時期的にも映画「バットマン・ビギンズ」とは無関係のはずなのに(最初にノベルスが発行されたのは2005年4月。映画は2005年6月公開)、彼を想定して読むとぴったりはまります。

まあでも、いくら「顔の見えない夜のキッチン」だってキスできるくらいに顔を近寄せれば知ってる顔にはピンとくるだろうし、声を出すと自分の正体がばれるからといって、手のひらに文字を書いてコミュニケーションをとるのに、あの長台詞はないだろうと思ったり、ご都合な部分が無きにしも非ずなのですが、そのBLファンタジーがいいスパイスになっているので、無問題。

そこに目をつぶれば、ベテランの著者らしく二人がなかなか一筋縄では出来上がらないイベントを次から次へと繰り出して、長さを感じさせません。
とても満足のいく1冊でした。

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