若手建築士として注目を浴び、己れのルックスにも自信を持っていた北嶋は、とあるコンペでホテルマンの牧田と出会う。その落ちついて控えめな物腰を軽んじ、コンペで最優秀賞を逃したことで牧田にいちゃもんをつける北嶋だったが、常に大人の余裕を持つ牧田に諌められ高慢な鼻をへし折られてしまう。それをきっかけに牧田の人間性に触れ、恋に落ちてしまった北嶋は、思い付く限りの策を弄するのだったが…。


どうしても雑誌掲載のBLは、1回分で話をまとめなければならないので1話が小さくまとまってしまいがちになり、単行本にまとめたところで小ぶり×3くらいになってしまう。
いっぽう書き下ろしだと、1冊分のボリュームの中で丁寧に登場人物の心理を書き込めるから読み応えがあるものがおおい。
久しぶりによんだかわい有美子もそう。とりあえず主人公(受)の嫌な奴っぷりを前三分の一でこれでもか、というほど書き込んでいるので、恋に落ちてからの豹変っぷりがおかしいし、ここまで自己中心的だと書き込んでいるから、男に恋しても自己不信に陥ることなく恋に突っ走ってしまう行動もすんなり受け取れる。
しかも単行本の半分くらいのところで攻めに告白して振られているよ!!
ラストは決まっているのだから、ここへ来てまだ受けにいい思いをさせない焦らしっぷりはいっそ快感です。
なので、とうとう攻めが自分の気持ちを自覚してしまうところはカタルシスあるなぁ。

久々にいいBL(なんじゃそりゃ)を読ませていただきました。
そして、先日の夏の有明まんがまつりでこの本の番外編を売っていたらしいとネットで知り……。
見たよ。わたしかわい有美子のスペースでその本見たけど買わなかったよ。
バカバカ! わたしの大バカ!!
月末の池袋まんがまつりで買いに走るわ!

ISBN:4773003227 単行本 かわい 有美子 笠倉出版社 2007/05 ¥900

コメント

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2007年9月22日19:47

私もこれを最近読んで、面白い〜!と思ったんですけどね、なんかかわいさんの場合、本編は面白くてもタイトルで萎えてしまうことが多いんです(『いのせんとわ〜るど』とか)。

>月末の池袋まんがまつりで買いに走るわ!
いいなあ…(わはは!)。みなさ〜ん!かわいさんのスペースまで走ってたどり着いてる人を見かけたら、その方は夜霧さんですので(わはは!)

夜霧のネオンサイン
夜霧のネオンサイン
2007年9月22日21:03

うわ、また懐かしいタイトルを……。>『いのせんとわ〜るど』
たしかアレは終わっていなかったんでは?という危険な話は置いておいて、確かに、この本の姉妹編(?)の『上海金魚』を読んでいなかったのはタイトルがちょっぴり微妙だったからかも……。

>かわいさんのスペースまで走ってたどり着いてる人を見かけたら、
うわ〜ん、ヒドいですぅ。でも会場で走るのは禁止ですから、心で走って足は歩いていくことにします(苦笑)。

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