9.11を描く三分冊のうち、その夜から2週間後までの話。
前の巻が事件当日の描写であって、ある意味ニュースや映画などで見たことのある映像の追体験でもあるのに対して、この巻では、報道されなかっただろう、一般の人たちの視線からみた「その後」を描いている。
もちろんフィクションではあるけれど、作者の入念なリサーチにより、まるであの時あの街にいた、けれども事件に巻き込まれなかったし身近な人たちも難を逃れた、多くの一般の人たちの一人になったような気になって読んだ。

前の巻では、9.11の描写としてはすばらしいけれど、主人公とそのパートナーとの関係を楽しみにしていた読者にとっては、二人がほとんど絡まないのはどうだったんだろう? と思わなくはないけれど、この巻では二人の絆が再確認されて、なんだかんだいっても(わたしは)コレを期待しているのだなぁと思いました。

ISBN:4062558130 文庫 柏枝真郷 講談社 2005/08/06 ¥630

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