ナイロビの蜂
2006年5月17日 映画鑑賞記録第2紀(05.12〜)それは、しばしの別れのはずだった。英国外務省一等書記官のジャスティンは、ナイロビの空港からロキへ旅立つ妻テッサを見送った。「行ってくるわ」「じゃ2日後に」それが妻と交わす最後の会話になるとも知らずに…。ジャスティンに事件を報せたのは、高等弁務官事務所所長で、友人でもあるサンディだった。テッサは車で出かけたトゥルカナ湖の南端で殺された。彼女は黒人医師アーノルドと共に、スラムの医療施設を改善する救援活動に励んでいた。今回もその一環のはずだったが、同行したアーノルドは行方不明、警察はよくある殺人事件として事件を処理しようとする…。
前日に最近の仕事の山場をひとつ越え、山から派生した峰を追わなければならないと言うもの取りあえずほっと息をついだ水曜日。
いちおう我が社は水曜と金曜が「NO残業デー」ということになっていて、終業時間に放送も入るのだけれど、だれもそんな放送聞いちゃいない。
でも、今日のわたしは聞いた(笑)。
そーいや4月に転職してから忙しくて映画も見に行ってなかったなぁと思ったら、ついネットで「今から見に行って、待たずに見られる映画」を探し始めてしまい、ちょうど見たいと思っていたうちの1本が、急げば間に合いそうだったので即座にパソコン落として退社した。
感想は、ひと言。
「男ってロマンチストなんだから(溜め息混じりの笑)」
原作がハードボイルド(=男のロマンス小説。ちなみにジョン・ル・カレ)なので当然っちゃ当然なんですが、「あー、もう、オトコってこういうの好きよねっ」と微苦笑が浮かんできます。
ちょっとネタバレに抵触するかも知れませんが。
(1)ちょっと情けない主人公が
(2)なんか知らないけど謎を秘めた美人の女性に愛されて結婚する
(3)でもその奥さんはいきなり巨大な悪や組織の論理に圧殺される
(4)奥さんを亡くした怒りのため、主人公はキレて、暴力と破滅の道を突き進む、、、、
という、典型的なハードボイルドのツボを押さえつつ、その他の部分が新鮮なので、安心して観ていられながらお得感も味わえます。
新鮮な部分というと、まずは巨悪の設定がアフリカを舞台にしていること。風景が新鮮です。
それから、陰謀の中心にある金を生みだすモノが、この場合は「人」である、ということ。これが、どれだけ意外なものだったり、他の人にとっては価値がなくても一部の人にとっては垂涎のものだったりするかが、陰謀モノのおもしろさを左右しますよね。
あとは、主人公がイギリス人の上流階級だということ。つい最近、ここからリンクを張っているかたがイギリス人のレイシズムについて書かれていましたが、そんな人と、アフリカ人を救おうと奔走する妻。そして、妻の足跡を辿るうちに主人公の内面に起こる変化、というのがキモです。(ベタな展開でもありますが)
いや、おもしろかった!
邦題もセンスありますよね。原題は「The Constant Gardener」。読みのカナ書き(しかもTheを抜く)じゃなくてホントよかった。
っていうか、邦題の方がピンと来ます。
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