ライトノベルを書いている人が、普通のサラリーマンにわかってもらえるように「ライトノベルとは何か」を解説した本。
痒いところに手が届く、というか、「ライトノベルとはジャンルでなく手法である」という意見には納得。
広汎な読書量を以て一般小説を引き合いに出すので、これならサラリーマンにも簡単に反駁しがたいだろうと思わせる。
まあ、敢えて言えば研究者ではないので論拠は経験およびごく身近なところでの聞き取りなので、結局個人的な意見レベルで終わってしまっているのが惜しいところ。
ぜひとも研究者による調査分析を待ちたいです。

あー、でも本人も書いている通り、少女向けのライトノベルには、視線は配っているものの、著者の言う「ライトノベルとはなんぞや」の中に、少女向けは必ずしも入らない部分が多く、「やっぱ、少女小説はライトノベルとちゃうんちゃう?」という「違和感」(←この本の中のキーワード)は拭えないのでした。

昔は、少女小説(もしくはBL)の側からこういう分析本を書いてほしいと思っていましたが、最近は、(自分の経験に基づいたエッセイ的な回顧録以外)少女向けジャンルのなかから分析本は出ないのだ、と達観しております。
自らを語らないことこそが少女向けジャンルの特徴なのだ、と。

ISBN:4797333383 新書 新城 カズマ ソフトバンククリエイティブ 2006/04/15 ¥788

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