3年待てば、兄王は迎えに来てくれる。
綏国(すいこく)公主珠枝(しゅし)は、隣国閃(せん)との和睦のため嫁ぐことに。異母兄を慕うがゆえ、時の運命に翻弄される娘の行方は……!?
珠枝は綏国公主。先王の寵子(ちょうし)でありながら、父王亡きいま、愛らしく美しい異母妹、仙華(せんか)の陰で心細い日々を送る。そんななか、大陸では巴飛鷹(はひよう)率いる閃国が勢力を広げ、綏との間で緊張を高めていた。そして、和睦のため、珠枝が閃の王妃として差し出されることに! 3年経ったら、必ず迎えに行く——幼い日から慕い続ける異母兄の言葉を信じ、見知らぬ国へ嫁ぐ珠枝を待ち受ける運命は、いかに!?


最近ご無沙汰していたホワイトハートですが、これ、人に薦められて読んだらすごくおもしろかったです!
まず文章がこなれていてとても読みやすいし、義兄への片思いを抱えながら敵国へ嫁ぐ主人公、でも夫はなかなかいい人で、二人の間で揺れる心——なんて、ドラマチックでロマンス小説のキモを付く設定。まさしくページを繰る手を止めさせない話でした。

敢えて難を挙げれば、状況をエピソードでなく地の文で説明してしまう個所が多く、もったいないなぁ……と思っていたら、もともと400ページ分くらいあった話を300ページまで刈り込んだんですね。そりゃ仕方がないか。もとの分量で読んでみたかったです。
後は、中華文化に詳しいからか、意外とモノの説明が少なくて、わたしなんぞは具体的な場面をイメージできないところが残念でした。特に、文明国である綏国と、野蛮な騎馬文化の国である閃国との文化の違いなんかを、具体的な建築や風俗の描写や、異邦人である主人公の視線で見せてくれるともっとのめり込めたのに、と思うと残念〜。

でも、続きも読みます!

ISBN:4062557657 文庫 森崎朝香 講談社 2004/11/01 ¥662

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