ビューティフル・ボーイ
2005年11月9日 映画鑑賞記録(04.03〜)タイの伝統的格闘技・ムエタイで、化粧をして試合に出る「オカマのプロボクサー」として有名になった選手がいた。
性同一障害に悩み、結局手術を受けて女性となったこの選手の半生を描く映画。
外国人記者が、引退したこの選手にインタビューを申込み、彼/彼女が語るという形式になってます。
私の心の柔らかい部分にさっくり切り込む映画でした。一般の評価はそれほど高くも低くもないようですが、正直、わたしの中では今年のベスト5に食い込む作品です。
話はベタといえばベタだし、キワモノ狙いもあるのでしょうけれど、一方でスポ根ものの王道をきっちり押さえ、もう一方では世間的な評価と、本当に望む自分の姿とのギャップに悩む青年の葛藤を真摯に描いていて、普通に面白いです。
(以下ネタバレあり)
特に感心したのは、世間での名声が頂点に達したとき、すでに崩壊の兆しが見え始めていて、成功の栄華で間延びする間もなくあっというまに心と体の違和感から転落に転じるテンポの良さ。
さらに、違和感がピークに達して性転換手術を決心させる舞台に、日本の女子プロレスの選手との虚飾に満ちた東京ドームでの
異種格闘技戦が選ばれていること。そこまでの過程で、主人公の内面の苦悩がしっかり語られているので、このイベントの軽薄さや嘘くささが、とくに我々日本人にはひどく堪えます。さらにその後で追い打ちをかけるエピソードを持ってくる監督(もしくは脚本)はソツがないです。
そして、主人公のジムでの一番の友だちと、インタビューをする記者の顔立ちがどことなく似ているっていうのも、はっきり描かれなかった別のエピソードを深読みできるようで凝ってます。(ま、これはわたしの深読みしすぎかも知れませんが/苦笑)
とにかく、いろんな人に見てもらいたいなぁ。
主役を演じた人は、もともとホントにムエタイでチャンピオンにもなったことがあるというすごい人で(この映画の主役に抜擢されたので現役を引退した)、試合のシーンは迫力あります。
地の演技も、素人とは思えないくらい自然で(いや、タイ人の演技だから分かりませんけど/笑)、このデビュー作でいきなりタイ国内の最優秀主演男優賞を取っちゃったほどです。
画面の絵柄もときどきハッとするほどきれい。まあベタっちゃベタ。コテコテっちゃコテコテなんですが、わたしがそういうわかりやすい構図が好きだからいいんです(笑)。
で、さらにビックリなのが、この監督、これが処女作で、それ以前はシンガポールで普通に会社員をしていたらしい……。
性同一障害に悩み、結局手術を受けて女性となったこの選手の半生を描く映画。
外国人記者が、引退したこの選手にインタビューを申込み、彼/彼女が語るという形式になってます。
私の心の柔らかい部分にさっくり切り込む映画でした。一般の評価はそれほど高くも低くもないようですが、正直、わたしの中では今年のベスト5に食い込む作品です。
話はベタといえばベタだし、キワモノ狙いもあるのでしょうけれど、一方でスポ根ものの王道をきっちり押さえ、もう一方では世間的な評価と、本当に望む自分の姿とのギャップに悩む青年の葛藤を真摯に描いていて、普通に面白いです。
(以下ネタバレあり)
特に感心したのは、世間での名声が頂点に達したとき、すでに崩壊の兆しが見え始めていて、成功の栄華で間延びする間もなくあっというまに心と体の違和感から転落に転じるテンポの良さ。
さらに、違和感がピークに達して性転換手術を決心させる舞台に、日本の女子プロレスの選手との虚飾に満ちた東京ドームでの
異種格闘技戦が選ばれていること。そこまでの過程で、主人公の内面の苦悩がしっかり語られているので、このイベントの軽薄さや嘘くささが、とくに我々日本人にはひどく堪えます。さらにその後で追い打ちをかけるエピソードを持ってくる監督(もしくは脚本)はソツがないです。
そして、主人公のジムでの一番の友だちと、インタビューをする記者の顔立ちがどことなく似ているっていうのも、はっきり描かれなかった別のエピソードを深読みできるようで凝ってます。(ま、これはわたしの深読みしすぎかも知れませんが/苦笑)
とにかく、いろんな人に見てもらいたいなぁ。
主役を演じた人は、もともとホントにムエタイでチャンピオンにもなったことがあるというすごい人で(この映画の主役に抜擢されたので現役を引退した)、試合のシーンは迫力あります。
地の演技も、素人とは思えないくらい自然で(いや、タイ人の演技だから分かりませんけど/笑)、このデビュー作でいきなりタイ国内の最優秀主演男優賞を取っちゃったほどです。
画面の絵柄もときどきハッとするほどきれい。まあベタっちゃベタ。コテコテっちゃコテコテなんですが、わたしがそういうわかりやすい構図が好きだからいいんです(笑)。
で、さらにビックリなのが、この監督、これが処女作で、それ以前はシンガポールで普通に会社員をしていたらしい……。
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