いわゆるライトノベル、それも男の子向けレーベルなので、あちこちで噂を耳にしていたものの、なかなか手に取る気になれなかった。

ある日都会から引っ越してきた転校生は自分を「人魚」だと自己紹介する変な美少女だったが、彼女には人に言えない秘密があって――

という、表紙の幼児顔の女の子の絵と合わせて一読するとかなり引く内容かと思いきや、最初の1ページ(ここでラストがバッドエンドであることがいきなり明かされる)から予想を覆す展開。
上記の美少女の「変さ」は、わたしが今、若い子達の考えていることがわからないと思うその理解しがたさに通じていて、そこのところを、著者は上手く救い上げて昇華して作品に仕上げていて、すごいと思った。
正直、下手なJ文学よりも(いや、J文学自体読んでないけど)よっぽどイマドキの子どもたちの世界を分かってると思う。一般書でも十分いける。とにかく驚いた。

ISBN:4829162767 文庫 桜庭 一樹 富士見書房 2004/11 ¥525

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