女王フアナ
2004年12月17日 映画鑑賞記録(04.03〜)
15世紀、レコンキスタを完成させたスペインのカトリック両王の次女フアナは、政略結婚でハプスブルグ家の王子フェリペに嫁ぐが、一目で王子に恋に落ちる。兄弟が亡くなったためにカスティーリャの王位を継いだ彼女は、女好きの色男・フェリペを一途に想って嫉妬に狂う。そんな彼女から権力を奪おうと画策する父と夫。
というような話。「狂女フアナ」の話はどこかで読んでいたけれど、はっきり認識したのは、この映画の公開前にテレビ「スペイン語講座」で紹介されていたからだったと思う。そのときから気になっていた映画だけれど、今回レンタルするきっかけになったのは、先日見た映画「靴に恋して」に出てくる色男役の俳優さんが、フェリペをやっているから。
この映画では、フアナは本当に狂っているのではなく、常軌を逸して独占欲が強くて嫉妬深いだけなんですが、正直、見ていても彼女の精神はかなり境界線上にある。女王様だから仕方ないのかも知れませんが、なにせ人の言うことを聞かないし。フェリペに対しても、ただ「わたしだけを愛して!」と叫ぶだけで、じゃあ彼に対して優しくしてあげようとかいう発想がない。せめて彼が亡くなるときに、許しを乞うているのだからひと言「許す」と言ってあげればいいのに、結局「死なないで」「一人にしないで」と泣き叫ぶだけ。
話が通じないのって、怖いよ。
フアナ視点の物語だし、女優さんはチャーミングでかわいいから、一見してその怖さが目に見えないけれど、あれは実際にいたら相当怖いと思う。
その怖さを一番感じるのは、彼女がほとんど常に妊娠していること。夫の愛をつなぎ止めるだけに、彼女はすぐに彼の前で脚を開く。夫が死ぬまでの10年足らずで、6人の子どもをもうけているからそりゃ妊娠してない期間の方が短いんじゃないか、ってくらい。
でも、そんな彼女に子どもを生ませるフェリペも、疎ましく思いながらも彼女への気持ちが残ってないわけではなかったんだろう、と思わせるあたりが大変よろしいです。
史劇なので美術や衣装が豪華で、光の当て方もまるで当時の絵画を思わせるような重厚さ。美しいです。
で、肝心のフェリペですが、狂ったように追いかけてくるフアナをすげなくあしらう色男ぶりは、「靴に恋して」のクンそのまま。でも、そのときどきで惚れている女には優しいので、憎めないんだよな〜。
いやあ、おもしろかったです。コスチュームプレイ好きな方にはお薦めです。
DVD ポニーキャニオン 2004/09/15 ¥4,935
というような話。「狂女フアナ」の話はどこかで読んでいたけれど、はっきり認識したのは、この映画の公開前にテレビ「スペイン語講座」で紹介されていたからだったと思う。そのときから気になっていた映画だけれど、今回レンタルするきっかけになったのは、先日見た映画「靴に恋して」に出てくる色男役の俳優さんが、フェリペをやっているから。
この映画では、フアナは本当に狂っているのではなく、常軌を逸して独占欲が強くて嫉妬深いだけなんですが、正直、見ていても彼女の精神はかなり境界線上にある。女王様だから仕方ないのかも知れませんが、なにせ人の言うことを聞かないし。フェリペに対しても、ただ「わたしだけを愛して!」と叫ぶだけで、じゃあ彼に対して優しくしてあげようとかいう発想がない。せめて彼が亡くなるときに、許しを乞うているのだからひと言「許す」と言ってあげればいいのに、結局「死なないで」「一人にしないで」と泣き叫ぶだけ。
話が通じないのって、怖いよ。
フアナ視点の物語だし、女優さんはチャーミングでかわいいから、一見してその怖さが目に見えないけれど、あれは実際にいたら相当怖いと思う。
その怖さを一番感じるのは、彼女がほとんど常に妊娠していること。夫の愛をつなぎ止めるだけに、彼女はすぐに彼の前で脚を開く。夫が死ぬまでの10年足らずで、6人の子どもをもうけているからそりゃ妊娠してない期間の方が短いんじゃないか、ってくらい。
でも、そんな彼女に子どもを生ませるフェリペも、疎ましく思いながらも彼女への気持ちが残ってないわけではなかったんだろう、と思わせるあたりが大変よろしいです。
史劇なので美術や衣装が豪華で、光の当て方もまるで当時の絵画を思わせるような重厚さ。美しいです。
で、肝心のフェリペですが、狂ったように追いかけてくるフアナをすげなくあしらう色男ぶりは、「靴に恋して」のクンそのまま。でも、そのときどきで惚れている女には優しいので、憎めないんだよな〜。
いやあ、おもしろかったです。コスチュームプレイ好きな方にはお薦めです。
DVD ポニーキャニオン 2004/09/15 ¥4,935
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