ここは本と映画の感想垂れ流しブログなので、こういう時事ニュースに関しての感想を載せたくはないのですが、他に適当な場所もないもので、すみません。

亡くなられた香田さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族にお悔やみを申し上げます。
マスコミの、あまり同情的でない報道は、香田さんがイラクへ行った意味や必然性がわからないからじゃないかと思う。手持ちがたった数百ドルで、ヨルダンで出会った日本人からも止められたというのに、ビザも取らずにイラクへ行ってしまった青年の行動は傍から見れば「無謀だ」としか言いようがない。
でも、(たまたま見かけたテレビの報道から把握する限りでは)高校を中退し、専門学校へ行き、「自分探し」を繰り返してニュージーランドへワーキングホリデーに行き、そして家族にも言わずにいきなり中東へ行ってしまった青年は、「生」の実感が掴みきれず、もがいていたんじゃないかと感じる。それは、香田さんだけが特別なのではなくて、NEETと言われる、働く意欲の湧かない若者らと根は同じなんじゃないかと思う。
(香田さんの経歴については、記憶違いがある可能性がありますのでご注意ください。なお、「生」の実感が掴みきれない、というと、95年の神戸の児童殺害事件や、98年のバスジャック事件の犯人と、香田さんはほぼ同年代(1歳上?)なのも象徴的な気がする)

訂正 神戸の連続殺傷事件は、97年でした。バスジャックは2000年。ですから彼らと香田さんは3歳ほど違いますね。3歳違うと中学・高校に通っていた時代もまったく重ならないので、世代としての考え方は異なると思います。すみませんでした。

それと、彼がせっかく止めてくれた人の意見に耳を傾けなかったり、イラクがどれだけ危険かを知らなかったりしたというのに、もどかしい思いを感じる。あの年頃だと、大人の(……20歳過ぎは十分大人だという意見もあるでしょうが)言うことを素直に聞けないのはわかる気がしますが、それにしても、思いついたら即実行、というか、情報収集してそれを分析して判断する、という過程がすっ飛ばされている感じが、とても怖い。
情報を出す側からのコミュニケーションが、彼との間に成立してない、というのが怖い。外国人でも宇宙人でも、「話の通じない相手」に本能的に抱く恐れを、この青年にも感じる。
でも逆に、彼を理解することが、この年代の若者たちの不可解さを理解することになるのならいいなぁと思うし、そうすることで、彼の死に多少なりとも意味が与えられればいいのに、と思う。
というか、「わからないもの」を無視したり忌避したり否定したりして、向き合い理解しようとしないのは、思考停止にすぎない。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索