しばらく前に読みかけていた「銃姫」を手に取りました。(なんか最近こういうのが多いな)
少年向けライトノベルの、しかもいかにもゲームっぽい体裁なので最初はたいへんとっつきにくかったのですが、再読して読み進めたら、いつもの高殿節になって面白かったです。
いろんな立場のキャラクターが、それぞれの正義とそれぞれの理屈で動いていくし、結果についてはわりとシビアなところが子供だましじゃなくていい。
2巻の最後で、泣かされましたわ、ハイ。

せりふ回しとか舞台設定とかに「型」というか歌舞伎の「見得」みたいなところがあって、話にリズムが感じられる気がする。(ああ〜上手く言えません)

あと、魔法のルールがオリジナリティに溢れている。血の濃さで魔力が増減するというのは、若い子が好きそうな選民思想っぽいのですが、そのほかに「魔法式の洗練さ」や「文法の正確さ」「古語の力強さ」も魔法の威力に関係してきて、唱える魔法がつまり詩だ、というあたりは、マニアな本読みにもうれしい設定です。

1巻では「美人で巨乳でおっとりした姉」と「ちゃきちゃきで貧乳で血筋がよくて主人公をほのかに慕っている旅の同行者(ゲーム用語ではパーティというんですか?)」という、男性読者むけキャラがとり揃っていましたが、2巻では「マッチョでおおらかで実はいいとこの人らしい主人公を助ける男」と「軍服・軍帽・メガネ着用オールバックでクールで優秀な主人公の敵」という、女性読者にもうれしいキャラの登場でますます先が楽しみになってきました。

ISBN:4840110700 文庫 高殿 円 メディアクファクトリー 2004/04 ¥609

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