■(読了)「猫の帰還」ロバート・ウェストール、徳間書店
第二次大戦中のイギリスで、黒猫のロード・ゴートが、空軍の飛行機乗りのご主人を追って家出し、各地を旅する間に出会った人々との交流をオムニバスで描く。
第二次大戦中、イギリスはドイツの空爆に晒されていたことを、初めて知った。「東京大空襲」のように、ロンドンへの空爆はLondon Blitzsと呼ばれているそうだ。(この作品の原題はBlitzs Cat)
最後は猫にとってはハッピーエンド。でも、多分現実ってこんなもん。この作者の作品にそこはかとなく流れる諦観は、一人息子を事故で失ったから……?かと思ったけど、最初に世に出た作品「機関銃要塞の少年たち」(これも、子どもの目から見た大人の世界をクールに描いていて印象的)は息子に戦争について伝えるために書いたっていうので、もともとの作風なんだろうな。

で、後回しにしていたサトクリフの「トロイア」に戻ったんですが、引きこもりのアキレウスに代わって、いとこのパトロクルスが出陣して戦死したのを、アキレウスがうじうじと後悔し、恨みを内に溜めているところまで読んで、返却期限が来たので返してしまいました。
サトクリフはそのうち再チャレンジしてみたいですが、この本はやめときます(汗)。阿刀田高のトロイア戦争の話がおもしろいらしいので、そちらに挑戦してみようかな。

で、代わりに次の4冊を借りる。
「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール、徳間書店、1994
「クローディアの秘密」カニグズバーグ、岩波少年文庫、1975
「明るい旅情」池澤夏樹、新潮社、1997
「ハワイの花300種ガイド」武田和男、朝日新聞社、1998

■(読了)「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール、徳間書店、1994
11才のキャロラインは牧師のおじさんの家にあずけられていた。おじさんはやさしいけれど気弱で、性悪な家政婦のいいなり。家は寒く、外出は禁じられ、友だちは猫と高い塀を越えて現れた少年だけだった。クリスマスの物語。
この身重の猫を、少年ボビーとともに家政婦から守るのだが、クリスマスの夜に、奇跡が起こる。
ウェストールらしからぬ明るい作風の、短いおとぎ話。この、クリスマスの奇跡が、とても現実的な「めぐり合わせ」によるもので、納得がいく。でも、100年前の、裕福な層と労働者階級の歴然とした差とか、移民が増えていく様子などがイメージ豊かに描かれている。

■(読了)「クローディアの秘密」カニグズバーグ、岩波少年文庫、1975
少女クローディアは、弟を誘って家出をします。行く先は、ニューヨークのメトロポリタン美術館。そこでこっそり生活するうちに、二人はミケランジェロ作とされる天使の像に惹かれ…。
「メトロポリタン美術館に家出する話」として有名(笑)。
この本、たしか私が中学生の頃に課題図書になっていた気がする(年バレる/汗)。図書室の入り口に展示されていて、当時のあおり文句は、悩める中学生が自分探しの旅に出る、みたいな深刻な内容のようで、気にはなりつつ結局手に取らなかったんだよな……。いや、たしかに自分探しのための家出なんだけど、もっと前向きで楽しい内容です。あの時読んでいれば!

「ハワイの花〜」は、旅行に持って行っちゃおうかと。
いろいろ調べてみて、わたし、ハワイ旅行は楽しみなんだけど、ビーチにも買い物にも興味がないことが判明した。
わたしのハワイ旅行の目的は、熱帯の山や植物と、シュノーケリングで魚を見ること。あとは、日本公開が2ヶ月以上遅れる超大作映画を見ることだ(笑)。
……だから、ハワイに行くのにぜんぜんリゾートしないのよ。

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