「記憶/物語」

2003年6月27日
■(読了)「記憶/物語(思考のフロンティアシリーズ)」岡真理、岩波書店、2000
記憶を他人と分有しようとするとき、記憶が過去のものになった時点で言葉にできるのであって、今現在、<出来事>の生々しい記憶に(PTSDのように)襲われて生きている人たちの記憶を分有することは難しい、とか。
生の記憶を小説や映画などのコンテクストのなかに置いた時点ですでに生の記憶ではなくなっているのだ、とか。
記憶したことと、それを他人に伝えること(受け取ること)について、アラビア文学者の考察。
自分の考えていることを言葉に置き換えたり、それを他人と共有したり、他人から受け取った言葉を自分で理解するそれぞれの段階で起こる困難について、しみじみ考えてしまう。

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