「抱擁」
2003年2月6日■(読了)「抱擁」A.S.バイアット、新潮文庫、2002
おもしろかった。ひさびさに「小説」を堪能した、というかんじ。
内容紹介は1/23分の日記をご参照のこと。
文庫上下巻合わせて1200ページという大部で、しかも19世紀の詩人の詩やら往復書簡やら日記やらが随所に大量に挿入されていて、しかも現代の登場人物は学者だからよくわからない文学談義が、聖書シェークスピアギリシャローマ神話をたっぷり引用しながら展開されるうえに、地の文の説明もやたらめったら細かいクドイ。
でもここは、焦らず呆れず、読了まで1ヶ月くらいかけるつもりで、そのゆったりとした小説の流れにたゆたうように読み進めます。これも、映画で大まかな筋を知っていたらから、先を焦らずに読めたんだろうな。
でも、その映画はこれだけの長い話を2時間に収めるために、大幅な改変を行っています。一番びっくりしたのは、主人公の性格の改変。映画ではいかにもアメリカ人〜、なちょっと自堕落気味のオニイチャンだったのに、原作では、ヒロインより小柄で自信喪失気味だけど真面目な青年でした。そのほかにもストーリーを単純化するために大筋をざくざくと切り貼りしてますが、それでも映画としてみせるのにふさわしい筋(プロット)はしっかり残していて、ふさわしい演出もプラスされていて、原作つきの映画としてはなかなかなんじゃないでしょうか。ネタばれになっちゃうかもしれないが、原作では最後に補遺として載っている部分に繋がるシーンを冒頭に持ってきたのは、映画的に(定石かもしれないけど)上手いと思いました。
あああ、もっと語りたいことは山のようにあるのに〜。
とにかくお薦め。
おもしろかった。ひさびさに「小説」を堪能した、というかんじ。
内容紹介は1/23分の日記をご参照のこと。
文庫上下巻合わせて1200ページという大部で、しかも19世紀の詩人の詩やら往復書簡やら日記やらが随所に大量に挿入されていて、しかも現代の登場人物は学者だからよくわからない文学談義が、聖書シェークスピアギリシャローマ神話をたっぷり引用しながら展開されるうえに、地の文の説明もやたらめったら細かいクドイ。
でもここは、焦らず呆れず、読了まで1ヶ月くらいかけるつもりで、そのゆったりとした小説の流れにたゆたうように読み進めます。これも、映画で大まかな筋を知っていたらから、先を焦らずに読めたんだろうな。
でも、その映画はこれだけの長い話を2時間に収めるために、大幅な改変を行っています。一番びっくりしたのは、主人公の性格の改変。映画ではいかにもアメリカ人〜、なちょっと自堕落気味のオニイチャンだったのに、原作では、ヒロインより小柄で自信喪失気味だけど真面目な青年でした。そのほかにもストーリーを単純化するために大筋をざくざくと切り貼りしてますが、それでも映画としてみせるのにふさわしい筋(プロット)はしっかり残していて、ふさわしい演出もプラスされていて、原作つきの映画としてはなかなかなんじゃないでしょうか。ネタばれになっちゃうかもしれないが、原作では最後に補遺として載っている部分に繋がるシーンを冒頭に持ってきたのは、映画的に(定石かもしれないけど)上手いと思いました。
あああ、もっと語りたいことは山のようにあるのに〜。
とにかくお薦め。
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