「尾のない蠍」
2003年1月23日■(読了)「尾のない蠍」高殿円、角川ビーンズ文庫、2002
シリーズ最新刊。
あとがきに「慌しく終わることになって……」などと書かれていたように、当初想定していたよりも巻数が減ったようで、この巻の半ばにひとつ山場とその収斂がある。この前半のエピソードは、ちゃんと書き込まれたものを読みたかった気がします。
後半は、いよいよ主人公の過去のトラウマが顕在化してくる部分。ラストに「おおっ?!」と目を剥くオットナーなシーンがあります。
この著者、大人向けっぽい部分で光るものも持っているし、ライトノベル読者向けの軽いお笑いシーンはしっかりと笑わせてくれるのですが、そのギャップがうまくひとつに収まっていないような感じがしてもったいないなぁ。むー。
でも、このシリーズも次で最終巻だそうなので、楽しみに待ってます。
□(読み始め)「抱擁」A.S.バイアット、新潮文庫、2003
イギリスでブッカー賞をとり、グウィネス・パルトロウ/アーロン・エックハート主演で映画化もされた小説。
100年前の英国の桂冠詩人を研究している現代の若い研究者(男性)が、この詩人が秘密の恋人に宛てた手紙の下書きを偶然発見する。手紙の相手が、当時としてはスキャンダラスなフェミニストの女性詩人ではないかと見当をつけた研究者は、その女性詩人の研究者(女性)とともに100年前の恋のミステリを探りつつ、自分たちも次第に恋に落ちていく……、という内容。
なんでこの本を手に取ったかというと、先日のイギリス旅行の帰りの飛行機の中で、この映画を見まして。
疲れてたんでイヤホンを外して、ぼんやり画面だけ見ていたんですが、なんとなく話もわかってこの歴史ミステリっぽいところがおもしろかったので、帰国してから調べてみたら原作があるということで、手に取った次第。
映画はロマンスだったけれど、この「英国女性最高の知性」と呼ばれる女史が書いたブッカー賞受賞作は、ビクトリア朝の文学・世相をこれでもかというほどふんだんに盛り込んだ、「ロマンスのパロディ」。あらすじを知っているからか、まったく身近でない知識てんこ盛りで遅々として進まない話も、(いまのところは)面白いです。
すっごい分厚い文庫2冊組みだけど。
シリーズ最新刊。
あとがきに「慌しく終わることになって……」などと書かれていたように、当初想定していたよりも巻数が減ったようで、この巻の半ばにひとつ山場とその収斂がある。この前半のエピソードは、ちゃんと書き込まれたものを読みたかった気がします。
後半は、いよいよ主人公の過去のトラウマが顕在化してくる部分。ラストに「おおっ?!」と目を剥くオットナーなシーンがあります。
この著者、大人向けっぽい部分で光るものも持っているし、ライトノベル読者向けの軽いお笑いシーンはしっかりと笑わせてくれるのですが、そのギャップがうまくひとつに収まっていないような感じがしてもったいないなぁ。むー。
でも、このシリーズも次で最終巻だそうなので、楽しみに待ってます。
□(読み始め)「抱擁」A.S.バイアット、新潮文庫、2003
イギリスでブッカー賞をとり、グウィネス・パルトロウ/アーロン・エックハート主演で映画化もされた小説。
100年前の英国の桂冠詩人を研究している現代の若い研究者(男性)が、この詩人が秘密の恋人に宛てた手紙の下書きを偶然発見する。手紙の相手が、当時としてはスキャンダラスなフェミニストの女性詩人ではないかと見当をつけた研究者は、その女性詩人の研究者(女性)とともに100年前の恋のミステリを探りつつ、自分たちも次第に恋に落ちていく……、という内容。
なんでこの本を手に取ったかというと、先日のイギリス旅行の帰りの飛行機の中で、この映画を見まして。
疲れてたんでイヤホンを外して、ぼんやり画面だけ見ていたんですが、なんとなく話もわかってこの歴史ミステリっぽいところがおもしろかったので、帰国してから調べてみたら原作があるということで、手に取った次第。
映画はロマンスだったけれど、この「英国女性最高の知性」と呼ばれる女史が書いたブッカー賞受賞作は、ビクトリア朝の文学・世相をこれでもかというほどふんだんに盛り込んだ、「ロマンスのパロディ」。あらすじを知っているからか、まったく身近でない知識てんこ盛りで遅々として進まない話も、(いまのところは)面白いです。
すっごい分厚い文庫2冊組みだけど。
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