■(読了)「時のかなたの恋人」ジュード・デヴロー、新潮文庫、
旅先のイギリスの古い教会で、恋人に無一文で放り出されて泣き暮れていたダグレスの目の前に、突然中世の鎧を身に着けた騎士が現れる。彼はエリザベス朝からやって来た、無実の罪で処刑される直前の伯爵だった。現代で、彼の無実を証明する証拠を集めるため、ダグレスは騎士ニコラスを助けるのだが。
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何度読んでも、結果がわかっていても面白い、タイムスリップ・ラブロマンス。こてこてのお約束てんこもりなのですが、主人公ダグレスのコミカルな性格と、ニコラスの、セクシーなのに少年のように好奇心旺盛という、女性のドリームを余すところなく具現化したキャラクターが魅力的。さらに、彼らの恋の行方と、いつかは元の時代に戻らなければならないというしばりが、ロマンスを盛り上げます。
ご都合主義といえばご都合主義ですが、いいじゃん、夢見るならゴージャスなほうが(笑)。
それに、先にも書きましたが、ただのご都合主義に留まらせないのが、実に精緻な16世紀の世界の描写。駒崎優「足のない獅子」シリーズ(講談社X文庫ホワイトハート)をお好きな方、時代は多少(300年くらい……/汗)違いますが、あの世界を堪能できます。


■(読了)「犬を飼う」谷口ジロー、小学館文庫
飼い犬の最期を看取る数ヶ月を描く表題作ほか3編を収録した文芸マンガ。
上の本を帰りの電車のなかで読み終わってしまったので、乗換駅の本屋で「あと10分乗る電車のなかで読める軽い本」を探していたら、なんとその書店で「イヌ特集コーナー」が!
思わず選んだのがこれ。でも、失敗でした。わたし、死にモノってダメなんです。電車の中で読み始めて5分で涙が込み上げてきて、慌ててかばんにしまいました。
淡々と、イヌの死を見つめる様子がかえって心を打ちます。自分には、ここまでして飼い犬のために尽くすことはできないなあ。

そのほか、いきおいで以下の本を購入。
△(購入)「紫嵐 Violet storm(R/EVOLUTION 2nd mission)」五條瑛、双葉社、2002
なんか、五條瑛って、タイムリーな北東アジア情勢を話題にしていて、大薮春彦賞を取った上に腐女子には大人気なのに、この本は書店への配本数が軒並み少ないらしい。10巻シリーズなのでぜひ最後まで書いて欲しい(そして大川先生を幸せにして欲しい/笑)という願いを込めて、買い支え。
△(購入)「おしゃれ生活ルール シンプル、すっきり、快適な暮らし」高見恭子、ベストセラーズ、2002
高見恭子といえば2世タレント、というイメージで別に思い入れはないんですが、仕事に疲れて人間らしい生活から脱落しかかっていたとき、この人の「あなたの「きれい」を見つける5週間レッスン」(成美文庫)などというコテコテなハウツー本を読んで、なんかきれいにする元気が出たので、この新刊も購入。でも、このページ数、この字の大きさで¥1400……。「紫嵐」が¥1800なのと比べるとなんか腑に落ちないぞ。

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