▼(挫折)「藤沢周平 負を生きる物語」高橋敏夫 集英社新書、2002
ひさびさの「金返せ!」本。10ページ読み通せませんでした。でも、マンガな表紙の子供向けエンタテインメントならまだしも、よもや新書で(絶句)。
しょっぱなからポエム入ってます。著者が藤沢周平の短編作品のいくつかの部分を引用して、ここを読むと、「これでしばらく、生きていける」と思うらしいんですけど、前後の脈絡もなく、とつぜん一部分を引用されて、なんで著者がそこでそう思うのか、『これでしばらく、生きていける』っていうのがどういう心の動きなのか、まったく説明はない。しかも、読点で改行しちゃうし。
さらに、項が改まったらいきなり、「重い病から生還して数年たち、業界紙(「日本加工食品新聞」)の勤めにも慣れ、ようやく小説を書き始めたころ」と来るので、また著者の自分エッセイか?と思ったら「……藤沢周平は、」とか続いて、肩すかし。周平が業界紙の仕事をしていたことは、当然のごとくに押さえておかなければいけないようなこの書きっぷり。そのうえ、いきなり周平の旅の随筆の一節を引いて、「このとき、藤沢周平は、これでしばらく生きていける、という気持ちをいだいていなかっただろうか」。
勝手なこと抜かすな〜ッ!!! あんたのその『これでしばらく、生きていける』がどういう感覚なのか、まだまったくわからないのにわたしの愛する藤沢周平を勝手に自分の仲間に引き込むな!!!
いや、著者もね、勝手な思い込みかも、と注釈は入れてるんですけど、なんというかこう、自意識過剰ナルシスティックな書き様に虫酸が走るのよぅ(怒髪)。
というわけで、あまりに怒り狂ってここで挫折。こんなに下手な文章書くのはどこの素人だ、と思ったら。これがまた。●大の学生さんにご同情申し上げます。
あ、この感想文中の引用は、原本を見ずに書いてますので用語の使い方など正確ではありませんのであしからず。気持ちが落ち着くまで、もう一度ページを開く気にもなれなくて。
【引用を正し、文章に一部手を入れました(2002.3.3)】

■(読了)「ざ・とりぷる」安達遥、祥伝社文庫、2002
上記の本を朝の通勤電車で読もうと思ったのに、10ページもよめずに挫折したので、途中の乗換駅の書店で急遽購入。昨日読了した「ざ・だぶる」の続編です。
今回もエロス・サスペンスですが、前作よりもサスペンスの比重がやや高くなってるかな。それ以外のスタンスはほぼ前作を踏襲。今回は政治の世界なども絡んできて、いまの国際状況などにも触れ、また前回の山場は黒部第四ダムでホワイト・アウトなみのアクションを見せた主人公が、今回は都内の地下を通る、神田川地下分水道のトンネルの中での闘いで、身近な場所でのサバイバルが意外で、おもしろかったです。
今回も主人公が女の子にモテモテなんですが、ただひとり、彼に惹かれながらも一線を画している女医・葉子先生がとっても好み。葉子先生には、ぜひぜひ最後まで貞操を守っていただきたい。
そういえば。ここにもホモが。っていうか、主人公が幼少時に成人男性から性的虐待を受けた過去が明らかになります。しかも、そのワルい大人が、23歳になった主人公にまだ未練タラタラなのがなかなかそそります。いっそのこと、竜二に比べて女にもてない大介くんには、オヤジキラーとしてがんばってくれるとやおい読みにはとってもおいしいかも。

◇(購入)「ざ・とりぷる」安達遥、祥伝社文庫、2002

そういえば、ハリポタを貸してくれた甥っ子(10歳)が「ぼく、ハリポタの1巻は映画観ただけで本読んでなかったから、おばちゃんはやく読み終わって返してね」と言うので、次こそはあの性格の悪いハリポタを読まねば。

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