まんがは読書記録の数から外して別立てしたものの、BL小説は相変わらず一般の本と混ぜて数えていて、いいのかしらんと(自分的に)迷うところもあるけれど、木原音瀬は入れてもいいような気がする。

いわゆるBLなので細かいあらすじは略。

痛い登場人物も強引に読者に共感もたせてしまう木原音瀬作品の中で、まっとう度の高い人たちのほのぼのした恋愛を描く一群がある。
「恋愛時間」とか、「恋について」とか。「美しいこと」も、かろうじてまっとう……?(いや女装癖の時点でまっとうでないってば/汗)
この本もその一群に含まれ、しかもさらにまっとうな人たちの話でした。
木原作品は、あまりの痛さ切なさに、自分の精神状態がよろしくないときには手に取るのが恐くてしばらく離れていることもあるのですが、たまに出るまっとう・ほのぼの路線の作品をうっかり手にとってまた引き戻されちゃうんだよな……。


この人ですな。

(私の感想はこちら>http://yogiribook.diarynote.jp/200602072309590000/

こういう本も出してますが。
http://yogiribook.diarynote.jp/200704031255280000/

基本クレバーな人だと思われますが、特定選手への偏愛が激しく、そしてバトルさんは愛されてなかったのでなぁ。


真保裕一のフジテレビとタイアップで映画化前提だった「アマルフィ」(感想はこちら→http://yogiribook.diarynote.jp/201012302201524044/)の続編。こちらも映画化されている。

ヨーロッパの小国・アンドラで殺人事件発生。外務省邦人保護担当の黒田は、アンドラからのSOSを受けてスペイン・バルセロナから現地に向かい、一人の日本人女性と出会う。彼女は何者なのか。ふくれあがる疑念とともに、黒田にも危険が迫る。外交官は、どこまで捜査にかかわれるのか。自身のアイデンティティまで問われかねないぎりぎりの状況を切り開いていく黒田だが、そこには巧妙な罠が張り巡らされていた。「外交官黒田康作」シリーズ第3弾、最高傑作。


ブックオフで、出待ちしていた本と合わせ技で送料無料にするために買った本。
前作「アマルフィ」もきちんと面白い話だったので、安心して手に取れる。
真保裕一らしく国同士の駆け引きが大胆かつもっともらしい設定で、その中で個人の思惑がずれていくのが面白かった。

とはいえ、キャラクターで見るとあまり個性らしい個性が立ってないところが残念かなぁ。
黒田は1人で職務に忠実で真面目で弱者に優しくてすべての謎を説明してくれるのが便利すぎ。
織田裕二だからしかたないか(笑)。
アイスダンスまんがとしてタイトルは知っていたけれど、手に取る機会がありませんでした。
先日、BookOffで1巻を見かけてぱらぱらっと読んでみて、おおっコレは!と思い、帰宅してオンラインBookOffでオトナ買いしました。

ドラマティック・アイスダンスワールド、開幕!! アメリカに住む少女・黒城(くろき)みちるは、幼い頃から母にフィギュアスケートを習っていた。シングルスケーターとして育てられていた彼女の憧れは、アイスダンス。ハーフの少年・礼音(れおん)と友達になり、ふたりでアイスダンスを習い始めるのだが……。ラブコメ!? スポ根!? ミステリー!? 『きみはペット』の小川 彌生の新境地!!
eBook Japanサイトより http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/20759.html


講談社のサイトでもまともなあらすじを見つけられなくて、電子書籍サイトから引っ張ってきましたが、これではまだまったく話のとっかかりにもなってません(汗)。

みちるは子どもの頃に1晩行方不明になりその間の記憶を失ってしまう。同じ夜、アイスダンスの指導をしていたサブ・コーチが他殺されているのが発見される。(←ここミステリ)それを機に、みちるは日本に帰国し礼音とは別れ、10年後、世界ジュニア・女子シングルで優勝するが、もともと両親に憧れてアイスダンスをしたかったこともあり、殺されたサブ・コーチの弟の晶(ひかる)とカップルを組む。(←ここスポ根) この頃、スケートを諦めてモダンバレエで才能を開花させた礼音が帰国してみちると再会。幼馴染の2人の間に恋が芽生えるものの、みちるは過去の性的虐待の心の傷のせいでなかなか自分の気持ちに素直になれず…。(←ここラブコメ/コメ?)

というお話です。
アイスダンスのカップルというのは演技で恋愛感情を表現することが多く、礼音くんはやきもきするのですが、後に2人に振り付けをすることになってさらに葛藤します。
みちるが記憶を封印しなければ乗り越えられないような記憶に、少しずつ対峙することでトラウマを克服していく過程もしっかり描かれているし、なんといってもフィギュアスケートの、アイスダンスのルールや仕組みの分厚い知識の上に素晴らしいデッサン力のポーズと「ファンなら見てみたい」というツボを押さえたプログラムがしっかりしたリアリティを肉付けしています。
あー、黒城・四方田組のサロメとか見た過ぎるー!!

いやー一気読みしてしまいました!これぞオトナ買いの醍醐味。
(……月曜からナニやってんだ私/遠い目)


追記
そうそう、このページを読んで、手に取ろうと思ったんだった!
http://www.asahi.com/showbiz/column/manga_henai/TKY201006240250.html
このライターさん、平気でシラッとBLマンガ(や小説)を紹介するし、どうやら世代が近いらしくシュミや感覚も近いので参考にしてます。
輪廻転生マンガの先月出た最新刊。

自らの正体を明かす覚悟を決めた皆見。
しかし、またもや黒板に書かれていたメッセージが新たな混乱をもたらす……。
戦うべき敵は一体誰なのか!?
前世×学園ジュブナイルストーリー第六巻が登場!!


私の完治していない厨二病を再発させる生まれ変わりネタのマンガ(笑)。
すごく面白いし各巻で重要な過去を小出しにされるので先が気になって読まざるを得ない(笑)。
でも、学校が舞台なので登場人物がほとんど同年代で顔の見分けが付かない上に、それぞれの前世の名前と立場(前世では敵対する2か国と第3の勢力としての教会が存在する)まで覚えないとならないので正直おばさんの記憶力ではそろそろ整理が付きません(涙)。
これまで読んできたマンガで、ここまで巻頭の人物紹介と本文を行きつ戻りつしたのは初めてです……。
おもしろいんだけど!
先日、ペットロスに関するシンポジウムへ行ったところ、大村英昭氏のお話がとてもおもしろかった上に素直に理解できる内容だったので、他にどんな本を書いているんだろう?と思ったらずいぶんと著名な社会学者だった(冷汗)。
取り合えずとっつきやすそうな、最近出た嵐山光三郎との対談「上手な逝き方」という本を読んでみようか、と思ったら。


asahi.com  2011年11月28日
集英社が新書「上手な逝き方」を絶版 「著作権侵害」

 集英社は28日までに、第三者の発言を無断で掲載していたとして、昨年11月に出版した新書「上手な逝き方」を絶版にすることを決めた。「著作権、著作者人格権を侵害している」と判断、すでに回収を始めている。

 同書は、死をテーマに作家・嵐山光三郎さんと宗教社会学者・大村英昭さんが対談、共著として発売された。だが、実際の対談には、本願寺仏教音楽・儀礼研究所常任研究員の多村至恩さんが同席。多村さんの発言の一部が大村さんの発言として、許可なく編集され、1万8千部が発行された。
http://www.asahi.com/culture/update/1128/TKY201111280450.html


あらら~。
そんなわけで密林にはこの本のページすらなくなっているのだけれど、地元図書館で検索すると普通にヒットする不思議(笑)。
職場のある区の図書館で借りて読みました。

とはいえ、話はあまりおもしろくない。というのも、嵐山光三郎も大村氏も、おおむね考え方や価値観は同じ方向を向いているから。
ペットロスのシンポジウムでは、ペットにまつわる様々な立場の人の中で仏教を踏まえた社会学者としての科学的な視線が信頼感を醸していたのだけれど、仏教の話となると、どうしても大村氏の浄土真宗のことを話すことになり、客観性が薄まってしまったのがちょっと残念だった。

でも関西弁で柔らかくはっきり物言うところはやっぱりいいなぁと思う(笑)。
年齢のわりにはなかなかいいラインを保っている――と鏡を見て自己評価する食堂のおばちゃん(?)村田チカと美大生・木野はお互いが気になる存在。 きっかけが掴めないふたりに、チカの元ダンナで講師の田中まで絡んで来て…。35歳バツイチ女×21歳草食美大生の真剣恋愛! 描きおろし後日談収録。


年上女とワカモノとの恋愛ものmyブーム続行中。

これはいい年の差もの。そもそも恋愛対象に入ってないのに自分の気持ちに戸惑ったり、ちゃんと年齢の差に迷ったり。
ああ!この「そもそも恋愛対象に入ってない相手」への恋愛感情に萌えてるんだ私!!
二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった―。翠の国は百数十年、鳳穐と旺厦という二つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・〓(ひづち)が治めていた。ある日、〓(ひづち)は幽閉してきた旺厦の頭領・薫衣と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。日本ファンタジーの最高峰作品。


このあらすじを読むと「BL?」と思うけれど、けっしてそんなことはなく、架空の古代歴史もの、といった感じ。
2人の王はできすぎなくらいの立派な人物なのだけれど、それでもひとつの国には様々な人々がいて、それぞれに価値観が違い、けっして2人の王のように10年先50年先を見ているわけではなく、王にそむいたりもする。それを統べることの困難さが丹念に描かれている。
戦争も起こるけれども戦争のスペクタクルはこの話の主眼ではない。
だから、どちらかというと、組織の中で生きている人のほうがこの物語を楽しめるかもしれない。

というか私はすごく楽しかった!
この著者の小説は初めて読んで、最初は絢爛豪華な中華風ファンタジーかと思ったけれどもどんどんのめりこんでいって、結局(飲んでかえって)夜中の1時半に帰宅してから、4時までノンストップで読み通した。
BL的萌えはないけれど、とても燃えた。

まあ、強いて言えばこの2人の王の息子たちが萌えかもしれないけれども、強いてまで萌えを探さなくてもいいんだよ。>自分
先日見た映画(感想はこちら→http://yogiribook.diarynote.jp/201205182247022356/)の原作を読んだ。

てっきりハーレクインのようなロマンス小説だと思い込んでいたので、読み進めながら「なんだか調子がでないなぁ」といぶかりながら、読むスピードも出ずにこつこつと1週間ほどかけて読み通した。途中で「なんでこんなに時間がかかるんだろう?」と思って総ページ数を確認したら、500ページを超えていた。そりゃ長いわ。
読み終わってから、ああ、いわゆるロマンス小説じゃないんだ~どちらかといえば一般恋愛小説なんだ~と納得。
ちなみに片岡義男があとがきを書いている。

先に映画を見ていたので、この原作から何をどうかいつまんで映画にしたのかしら、と考えながら読んでいた。
そういう意味では、かなり忠実に映画化している。最後の1章を除いて。

映画では、最後の1章にあたる部分(ネタばれしないように説明すると、いったん別れた2人がよりを戻すまで)をかなり端折っているけれど、小説ではとても丹念に、執拗に、ロマンス小説を期待している読者にはとても不親切に書き込んでいる。
でもここの、生活環境や文化が正反対の2人がなんとか歩み寄る部分が、実は一番面白かった。(映画と違うので初見で興味が引かれたから、というのもあるだろうけれど)

でも、薦めてくれた友人には悪いけど、これは私が求めていた「年下の男の子ががんばる年の差恋愛小説」じゃないんだ!
私はもっと軽くてらぶらぶなロマンス小説が読みたいんだ!
ようするに、BLでは性別(というか性が同じこと)が恋愛の障壁になっているけれど、それが年齢差(しかも女性が上)になっているような、そんな小説が読みたいんだーだーだー………


Amazonさんが新刊出ているのを教えてくれたので、姉と協議して私が購入。

この本を読むと、がんばってご飯作ろうという意欲が湧いてくる。
シロさんほど手際よくいろんなバリエーションでご飯作れないけどねー。

この2人もこなれた熟年(ってほどではないけれど)ゲイカップルでほのぼのします。
お友だちに「このマンガを読むと夜霧(仮名)さんを思い出す」と言われて読んだ。

「娚の一生」で大人気を博した西炯子が、またまた恋愛漫画の新境地を開く会心作を打ち出す。もう恋愛だの結婚だのは煩わしいと思っている独身女性ヨリ(39歳)の前に、突如として幼なじみと名乗る怪しいイケメンが現れる。
新手の詐欺かと思いきや、本当に少年の頃からヨリを慕っていた精神科医・真木。しかし彼は妻帯者だった……。避けよう避けようとするヨリを追い詰める真木。さらに真木の妻はヨリにそっくりの容貌だった。同居する妹の心配をよそに事態はだんだん泥沼に。この恋愛(?)の行く末はどこに落ち着くのか?


東京でばりばり働いていたけれど恋に破れて地元に戻ってきた、疲れたアラフォー独身女性が、突然現れた3K(死語)男に強引に口説かれ迫られ、頑なな心を開いていく、というと「娚の一生」とまったく同じなんだけど、前作では3K男がすごく年上、今作では妻帯者でストーカー、という点で違いがある…かな。
まあ、バブル期に青春を送って仕事に入れ込むあまりに嫁き遅れた女のファンタジーです(苦笑)>3K男に強引に口説かれる。
それでも、主人公が呟くアラフォー独身女の心情吐露が「あるある!」って机をこぶしで叩きたくなるほど心に刺さるので、止まりません。
3巻でまだ継続中。先が楽しみ。
以前住んでいた街のおたくフレンドリーな書店に行って、BLマンガを買うついでにまともな本も1冊くらい買おうかしら、と思って翻訳文庫コーナーに行ったらこの本が目に留まった。

500年の時を生き延びた稀代の古書“サラエボ・ハガダー”。それはなぜ造られ、どんな人々の手で守られてきたのか?鑑定をまかされたハンナがその本の中で見つけた白い毛、塩の結晶、ワインの染み、留め金の痕跡、蝶の羽が、15世紀スペイン、17世紀ヴェネチア、19世紀ウィーン、20世紀サラエボで起きた驚くべき苦難の物語を雄弁に語っていく!運命に翻弄されながらも激動の歴史に耐えた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリ。翻訳ミステリー大賞受賞作。 (文庫上巻裏書き)


歴史ミステリは大好きなので、躊躇わず購入。結構のめりこんで5日で読了。

正確に言えば、主人公は歴史の謎解きをするわけではない(過去の歴史は主人公の現代パートとはまったく独立して語られるし、まったくの著者のフィクション)。
でも、中世イベリア半島以降、歴史のうねりの中で、時に迫害され、時に利用されてきたユダヤ人の歴史を、現代から遡る形で紐解いていく。

現代の主人公サイドでは、ハガダーを鑑定・修復する主人公と母親との確執、ロマンス、そして贋作とのすり替え疑惑事件が次々起こって飽きさせない。

”サラエボ・ハガダー”は実在する本で、19世紀以降のエピソードについては現実を踏まえたフィクションとなっている。第2次大戦と、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の2度の戦火の中でこの本を学芸員が命をかけて守ったそうで、学芸員ってすばらしい、と思わされる。

それと、紛争直後のサラエボの描写と、サラエボの学芸員の次の台詞が非常に印象に残っている。ちょっと長いけれど、自分のメモのために引用。(文庫上巻p59~60)

「(前略)ぼくたちの大切な街、オリンピックが行われた理想の街サラエボでは、紛争など起きるはずがなかった。この街の住人は充分に知的で、充分に冷静だから戦うはずがないと思ってた。でも、かならずしも愚かで野蛮な人間でなくても、愚かで野蛮な死に方はできる。いまぼくたちはそれを痛感しているよ。でも、紛争が始まって最初の数日のぼくたちの行動はちょっと浮ついていた。(中略)十人ぐらいの若者が狙撃手に撃たれても、ぼくたちはまだその意味をきちんと理解しなかった。国際社会が止めてくれると思ってたんだ。ぼく自身もそう信じていた。ほんの何日か我慢していれば、片がつくと思ってた。(後略)」

コリン・ファースが出てカンバーバッチが出てゲイリー・オールドマンまで出て、その上衣装協力ポール・スミスなんだから、そりゃ観るでしょう。
と思いながらもなんだかんだとようやく今週見てまいりました。
(写真は原作本)

スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの代表作を「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソン監督、ゲイリー・オールドマン主演で映画化したスパイスリラー。1960年代のロンドン。ある作戦の失敗でイギリスの諜報機関サーカスを引責辞職したジョージ・スマイリーに、ある日特命が下される。それは、いまもサーカスに在籍する4人の最高幹部の中にいる裏切り者=2重スパイを探し出せというものだった。共演にコリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハートほか。(映画.comより) http://eiga.com/movie/57526/


先に見ていた友だちから「人間関係が複雑だから、先に相関図を見ておくといいよ!」と言われていたのだけれど、映画館の周りのパネルとかにそれらしいものがなくて、なんだろうなぁと思いながら結局相関図を見ずに鑑賞。
後から、チケットを買ったときに一緒に渡されたチラシに相関図があったと知ってかなりショック……。

とはいえ、上記3人とトム・ハーディが分かっていれば、顔の見分けが付かないことはなかったです。
原題を知っていたのでコードネームも3つは理解していたし。
それよりも、ビルだのジムだのピーターだのジョージだの、ありきたりなファーストネームのほうが覚えづらかった。映画のかなり早い方で、昔の仲のよかったころのとある2人の写真が出てくるのだけれど、この2人が現在の誰なのかがわからなかったのは、映画を理解するうえで大きな失敗でした…。

けれど人間関係で混乱したとしても、映画自体はとてもストイックで、不自然な説明台詞はそぎ落とされ1シーン1シーンの情報量が豊富で、英国的な雰囲気にどっぷり浸れる2時間でした。
コリン・ファースは当然スーツが似合うし、カンバーバッチも背が高いのでトレンチコートが似合うし、ゲイリー・オールドマンも枯れた風情が霧のロンドンによく似合う。

そうそう、主人公にとってとても重要なある2人は、映画の中で決して顔が映らない、その演出もすばらしいと思いました。


この映画、内容が複雑で1度では理解しきれないだろうから、と2回目は1,000円で見られるキャンペーンをやってます。
観に行ってしまおうかしら?
先日、「猫弁」を読み終わってネットで相変わらず「年下の男の子ががんばっちゃう恋愛もの」を探して、よし、明日会社帰りにこの本探そう!と目星を付け、翌日の朝の通勤電車で読むつなぎの本を、我が家の書棚の積読本コーナーで物色していたところ。

あれー、この本どういう内容だっけ?

と思って手に取った本が、17歳の男子高校生が32歳の女教師と恋をする話でした。

灯台下暗し。

戦争が終わって何年か経ったとき、十七歳のぼくは、三十二歳になった彼女と再会した。小学生の頃に憧れていた女の先生エマが、ぼくの高校の教師として転任してきたのだった。年寄りばかりの先生たちの中では、彼女はきれいだったし、いつも励ましてくれるいい先生だった。ぼくは胸をときめかせた。だが、ぼくの毎日はラグビーと進学のための勉強でいっぱいだったし、エマの方は、婚約者を戦争で亡くし、今は同僚の先生とつきあっているという噂だった。だから、普通ならあんなことは起こるはずがなかった。なのに、ぼくたちは恋に落ちた。ほかに何も、目に入らなくなった…。年上の先生と恋に落ちた十七歳の少年ロビーの日々を、ラグビーチームの個性豊かな仲間たちや、ロビーに惹かれる素朴なクラスメートの少女、理不尽な校長や大好きな祖母など、まわりの人々との交流の中で描きだす、みずみずしい物語。自信と劣等感、粗雑さと繊細な優しさが混在し、生命力に溢れる「十七歳」の肖像が、くっきりと浮かびあがる、巨匠ウェストールによる、深く心を揺さぶられる青春の物語。


うーん、でも17歳のぼくは勉強も出来てラグビーも強いけど計算高くて、若さゆえ目先のことしか考えてなくて、彼女が大好きなんだけどどちらかといえばただの熟女好きって気がするのはなぜだろう…。
そういう意味で萌えはなかったのですが、なにせウェストールですから心理描写に容赦がない(容赦がないから、「ぼく」のこともただのわんこに描かない)ので、読み応えはありました。

こうして逆年の差カップルものを続けて読んだり見たりしていると、だんだん自分のツボが分かってきますね。
たとえアナタがおばさんでもぼくはアナタが好きなんですー!と、年齢の壁を飛び越えて愛を捧げてくれる、ってのは、「年齢」を「男同士」に置き換えればつまりはBLなんだろうなー。
先日ツイッターで「いま年下の男との年の差カップルものにはまってて~」と呟いたら、いまネパールで働いてる高校時代の友人が「ホワイト・キャッスル」という小説をお薦めしてくれた。
(ついったーすごい!)
ホワイト・キャッスルはホワイト・パレスの間違いだったんだけど、それでも密林でヒットしないよ~と文句を言ったら、やっと邦題を思い出してくれた。
……「ぼくの美しい人だから 」!!
それならタイトルだけはよく知ってるよ!
ということで、本を読もうと思ったら20年も前の発行でBookOffでも入荷待ち状態だったので、先に映画を見てみた。

セントルイスの高級住宅地に住むエリート広告マン、マックス(ジェームズ・スペイダー)は、24時間営業のハンバーガーショップで働く中年女性ノーラ(スーザン・サランドン)と出会い、酒の勢いから一夜を共に過ごす。マックスは妻を、ノーラは幼い息子を事故で亡くし、互いに孤独を抱えていた二人。真剣な恋愛から遠ざかっていた彼らだったが、たちまち情熱的な恋に溺れていく。だが、性格も生活も違いすぎる二人は、事あるごとに衝突を繰り返すのだった…。


タイトルだけは知っていたのだけれど、もっとほのぼのロマンティック・コメディかと思ってました。
スーザン・サランドンの捨て身の下品な中年女役が真に迫ってて胸が痛い…(苦笑)。
でも、ジェームズ・スペイダーの年下男が恋人を見つめる子犬のような目に萌え(笑)。
そしてラストシーンの派手さには爆笑。いやー若い恋人って感じでいいわー♪

とはいえ、ストーリー的には、この2人の障害は年齢というよりも裕福なユダヤ人と貧しい白人(おそらくアイリッシュ?)との階級差にあるので、ノーラは自分が年上という点にはあまり葛藤がなくてちょっと物足りない。

ジェームズ・スペイダーの一生懸命な年下男っぷりがよかったので、他にどんな映画に出てるのかしら?と思ったら……
「ザ・ウォッチャー」?「セクレタリー」??
見たことあるけど、いったいどこにあの可愛い子ちゃんが出てた???
そして、Wikipediaで現在の姿を見て……脱力。

とはいえ、基本に忠実な由緒正しい年下男とのロマンス映画でした☆
女性向けも出してください。

FDS×アーティスト作品第二弾!!
夏の風物詩、金魚をモチーフとしたボクサーパンツが登場です。
■about ”深堀隆介”■
数々の賞を受賞し、海外(ヨーロッパ、アジア)で個展を開くなど、現在精力的に活動の幅を広げる”深堀隆介”。意外にも2000年、長いスランプに陥った事もあったそうだが、当時粗末に飼っていた金魚に魅了された事がきっかけとなり現在の活躍があると言う。これを作家深堀は”金魚救い”と呼ぶ。2009年にはドイツでの個展を開催予定など、海外での注目度も高い、今後目が離せない作家のひとり。

職場近くの書店で平台に並んでいた本(「陽だまりの彼女」)を読み、その隣にあった本(「年下の男の子」)もおもしろかったので、同じ平台に並んでいた本からこれを選んだ。
なんだか今は久しぶりに本が読みたい気分なんだ!

猫いっぱいの事務所につとめる弁護士・百瀬太郎(ももせたろう)。彼の元には一風変わった依頼が持ち込まれる。
結婚相談所に通って運命の人を探しながら、事務所では依頼人の幸せを考える日々に、新たな難題が舞い込んだ。
「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい!」
人と人がつながり、最後には誰にも予想できない結末が待っている。
笑いあり涙あり、一級のハートフル・ミステリー!


TBS・講談社ドラマ原作大賞第3回受賞作。
つい先日放送されていたドラマは、気になっていたのに気づいたら見逃していた。それを思い出して取り合えず原作を手に取った。
バラバラに起こった事件が最終的にひとつに収束していく話で、実を言えば最初はそれぞれの話になかなか関心がもてなくて乗り切れなかったのだけれど、それぞれのつながりが見え始めたら俄然おもしろくなった。
そして最後の最後に、まさかここまで、と思うストーリーラインまで繋がって大団円。
うまいよなぁ、と膝を打った。

始めになかなか話に乗れなかったのは、登場人物がみんな一癖どころか癖ありすぎな人たちばかりだったから。ヒロインがたとえ「眉が太く一文字」で、「ドスの効いた声」でつっけんどんな話し方しかしてなくても、ドラマで杏が演じればそれだけで感情移入できるんだろうけれど、文字だけで読むと、ちょっとどこが可愛いのよこの子(注:可愛いという設定ではありません)となってしまう。主人公然り。
それと、様々な事件が繋がっていてひとつに収束していくのは面白い反面、どうしても偶然要素が増えてくるし世界が小さくまとまってしまう嫌いもある。

「猫弁」という設定を思いついたところがこの話の成功ポイントだと思うけれど、話の発端は「遺体の誘拐」を発想したところじゃなかろうかと、なんとなく思った。
逆に言えば「遺体の誘拐」という発想から、魅力的な主人公を生み出したとしたらそれはすごいと思う。

著者はもともとシナリオを書いていた人だそうで、作品がなかなか映像化されず、それで小説を書いたそうで、ドラマ化に際しても著者が脚本を担当したそうだ。
やっぱりドラマも見てみたい。
秋林さんから「若い男の子が迷いなく自分を好きになってくれて大切にしてくれてめちゃくちゃがんばっちゃう」映画としてこれをオススメされたので、さっそくレンタルしてきました。

ハリー(ジャック・ニコルソン)は音楽業界で権威を振るう63歳の独身富豪。彼が付き合う女性は決まって30 歳以下の美女ばかり。そんなハリーが恋人マリン(アマンダ・ピート)と週末を過ごそうと彼女の母親の別荘にやってきた。そうとは知らずに妹のゾーイ(フランシス・マクドーマンド)と一緒に別荘を訪れたマリンの母親エリカ(ダイアン・キートン)は、突然あられもない姿で現れた“娘のボーイフレンド”に絶句!気まずい雰囲気の夕食の後、心臓発作に倒れたハリーは病院に運ばれ、エリカの別荘で療養生活を送ることになる。自分だけの静かな時間に持ち込まれた喧騒とハリーの病人らしからぬ傍若無人な振る舞いに、エリカの我慢も限界寸前。一方、彼の担当医となったジュリアン(キアヌ・リーブス)は病院で出会ったエリカに一目惚れ。20歳近くも年下の彼からの告白にうろたえるエリカ。そんな中、エリカは一つ屋根の下で暮らすうちに見えてきたハリーの内面に惹かれ始め、ハリーもまたエリカに対して無関心ではいられなくなっていた・・・。


先生!ここにワンコがいます!!
耳もしっぽもないけれどすっごい健気な瞳でご主人様を見上げて「待て」をしているワンコが!!!

はうー。わんこ(=キアヌ)萌えました~。
ジャック・ニコルソンも渋くて情けなくて可愛いおやじで好きなんだけど、
キアヌのすげーがんばって年上の彼女を落とそうとしているところがきゅんきゅんきました!

そして、ジャック・ニコルソンもきゅんきゅんしてるというコメンタリーも見なきゃですね。ラジャ!
マンションを買ってしまった、37歳課長補佐の恋の行方は?

銘和乳業勤務のわたし(川村晶子)は37歳にしてマンションを購入。
契約翌日、新製品の健康ドリンクの宣伝用フリーペーパーをめぐって
トラブルが発生。価格欄が空白のまま刷り上ってしまったのだ。
これは、徹夜で空白部分にシール貼りをするしかない。
担当者のわたしは、ピーアール会社の23歳の契約社員・児島くんと
夜を徹してのシール貼り作業を敢行。なぜか二人は話が合ったのだが…。
[解説・大浪由華子]


昨日読了した「陽だまりの彼女」を書店に買いに行ったとき、平台に並んで隣にこの本がありました。
あらすじを読むに付け今のワタシに非常に身につまされる設定で、むしろこっちのほうが読みたい、と思ったものの、いちおう初志貫徹して先の本を購入。3日かけて読み終わって、さて、満を持してこちらの本を買って帰りました。

で、一気読みしてしまったわけです(笑)。

14歳年下の男の子がアラフォー女子を熱心に追いかけてくれるなんて、ある意味「陽だまりの彼女」よりも激しいファンタジーだということは百も二百も承知の上ですが、こちらのほうが女性の気持ちに非常にしっくり来たわけです。
偶然ながらも、「陽だまり~」もこちらも主人公は企業の広告・宣伝関係の仕事をしていて、前者もそれなりに実情を踏まえていましたがこちらのほうがより描写が詳細でリアルだし。
マンションを買ってしまった出不精なアラフォー女子の繊細な感情の描写も、まるで自分のことを読まされているよう。

とはいえ、まあつまり、

一条ゆかり「砂の城」もしくは「恋のめまい 愛の傷」に萌えまくったのと同じツボにがっちり深くヒットした、という次第です。
萌えるよ! 若い男の子が迷いなく自分を好きになってくれて大切にしてくれてめちゃくちゃがんばっちゃうところなんて!! 主人公うらやましすぎ!!!

この2作品にアンテナの立った貴女は、明日すぐ書店に走ってこの本を買い給え。
決して後悔しないと保証します!
幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。


先日のイタリア旅行のツアーに母親と参加していた男子(25歳)が読んでいたので、ちょっと関心を引かれて読んでみた。
事前にこの著者の予備知識はなかったのだけれど、ファンタジーノベル大賞受賞者だそうだ。

ちなみに、文庫オビには
「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」
とある。

が、ううーん、微妙にツボを外しているのでドキドキもキュンキュンもきゅーっと切なくもならなかった……。
たぶんこのカップルの描写が、完全オトコのコ目線でラノベ的だからじゃないかしら。
ラノベ的、というか現実的でないのは、この設定(というかオチ)ならば致し方ない部分もあるのだけれど、
それはオチを知ってから振り返れば納得するのであって、初読の際には感情移入を阻む要因になりかねない。
それ以外の部分では、例えばお仕事描写とか、お互いや家族を思いやる台詞回しとか、地に足の着いたいいところもあるんだけどなぁ。
二度目に、オチを知ってから読めばいろいろ納得もするのだろうけれど、1度目に感情移入
できていないと2度読む気にもなれなくて。

それと、なんだかこんなオチでもっとツボにくる翻訳小説かマンガの短編が過去に2、3本はあったような気がする。
だから、最初にこのネタに出会った人ならば感動するかもしれないけれど、どうにも既視感が拭えないのが、こそばゆい。

それにしても驚いたのは、主人公たちの地元が私の実家のある市で、彼女の勤め先のあるオフィスビルに私も勤めていたことがあり、彼らが一緒に暮らし始める街の沿線に私も住んでいたことがある、という、
なんとも不思議な偶然が重なっていること。
著者は東京出身でこの市との縁はなさそうだけれど、なんだってこんなマイナーな市を舞台に選んだかな?

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