「砂の城」(2)〜(4)
2003年9月5日■(読了)「砂の城」(2)〜(4)、一条ゆかり、集英社マンガ文庫
勢いついて最終巻までイッキ読み。
次々と主人公を襲う不幸てんこ盛りに、刊行当初は感動して読んでいたのだと思うけれど、これほどスレた大人になっちまった今では、韓国TVドラマを見る心境。
そして、忘れていたけれど主人公の相手役の男の子が男に迫られていてびっくり。
勢いついて最終巻までイッキ読み。
次々と主人公を襲う不幸てんこ盛りに、刊行当初は感動して読んでいたのだと思うけれど、これほどスレた大人になっちまった今では、韓国TVドラマを見る心境。
そして、忘れていたけれど主人公の相手役の男の子が男に迫られていてびっくり。
「A-A’」
2003年9月3日■(読了)「A-A’」萩尾望都、小学館マンガ文庫
一角獣種と呼ばれる、遺伝子操作によって感情表現に乏しくコンピュータ操作に適応した希少人種を巡るSF短編集。
砂の城とハチクロを買っている書店の入っているデパートが休みだった。駅の構内にある小さい書店ではどちらも置いていなかったので、たまたま目に付いたこれを読んでみた。
一角獣種と呼ばれる、遺伝子操作によって感情表現に乏しくコンピュータ操作に適応した希少人種を巡るSF短編集。
砂の城とハチクロを買っている書店の入っているデパートが休みだった。駅の構内にある小さい書店ではどちらも置いていなかったので、たまたま目に付いたこれを読んでみた。
今日の日記
2003年9月2日■(読了)「ハチミツとクローバー」(2)、羽海野チカ、集英社クイーンズコミックス
おっと、前回コミックス名を間違えておりました。
■(読了)「砂の城」(1)、一条ゆかり、集英社マンガ文庫
あ、これも文庫名適当。
初出は25年前(!)の名作の再読。クールな年上の女性と一途な年下の男の子の恋愛だと、同じ著者の数年前の作品「恋のめまい 愛の傷」(ヤングユーコミックス)もいいんですが、とりあえず古典的名作のほうを再読しています。
おっと、前回コミックス名を間違えておりました。
■(読了)「砂の城」(1)、一条ゆかり、集英社マンガ文庫
あ、これも文庫名適当。
初出は25年前(!)の名作の再読。クールな年上の女性と一途な年下の男の子の恋愛だと、同じ著者の数年前の作品「恋のめまい 愛の傷」(ヤングユーコミックス)もいいんですが、とりあえず古典的名作のほうを再読しています。
「第六大陸」(2)、「ハチミツとクローバー」(1)
2003年8月28日■(読了)「第六大陸」(2)、小川一水、ハヤカワ文庫SF、2003
月面に民間企業が基地を作るプロジェクトの、怒涛の後編。
中盤のショックな出来事で順調に見えた計画にどんどん困難が襲ってくるけれど、最後は大団円。
この話、単純に「悪い人」が出てくるわけでない(それぞれの思惑や駆け引きで計画の邪魔をする人はいても)ので読後感も非常にさわやか。最後は、計画が達成されるだけでなく、さらに夢のある広がりを見せた終わり方で、これもとてもいいと思う。
かといって、いてもたってもいられないような吸引力にいまひとつ足りないのは、やっぱり人物描写が、ステレオタイプというか、ひとりの人物がひとつの側面でしか描かれないからかな……。
でも、この話のメインは人物描写よりも、計画を具的で緻密にシミュレーションすることだと思うので、そこに人物描写の深みまでぶち込むと収拾つかなくなるだろうから、これでよかったんだと思う。
■(読了)「ハチミツとクローバー」(1)、羽海野チカ、集英社ヤングユー クイーンズコミックス
チマタで人気のマンガをようやく読んでみた。
めっちゃおもしろい。
オビ書きから、なんとなくもっと湿っぽい話をイメージしていたのだけれど、実は笑える。でも、リアルな等身大の人物の感情表現に長けているのは相変わらず。
続きも買おうっと。
月面に民間企業が基地を作るプロジェクトの、怒涛の後編。
中盤のショックな出来事で順調に見えた計画にどんどん困難が襲ってくるけれど、最後は大団円。
この話、単純に「悪い人」が出てくるわけでない(それぞれの思惑や駆け引きで計画の邪魔をする人はいても)ので読後感も非常にさわやか。最後は、計画が達成されるだけでなく、さらに夢のある広がりを見せた終わり方で、これもとてもいいと思う。
かといって、いてもたってもいられないような吸引力にいまひとつ足りないのは、やっぱり人物描写が、ステレオタイプというか、ひとりの人物がひとつの側面でしか描かれないからかな……。
でも、この話のメインは人物描写よりも、計画を具的で緻密にシミュレーションすることだと思うので、そこに人物描写の深みまでぶち込むと収拾つかなくなるだろうから、これでよかったんだと思う。
■(読了)「ハチミツとクローバー」(1)、羽海野チカ、集英社ヤングユー クイーンズコミックス
チマタで人気のマンガをようやく読んでみた。
めっちゃおもしろい。
オビ書きから、なんとなくもっと湿っぽい話をイメージしていたのだけれど、実は笑える。でも、リアルな等身大の人物の感情表現に長けているのは相変わらず。
続きも買おうっと。
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ため込んじゃった
2003年8月26日この半月ばかりの読書&映画記録
■(読了)「愛犬マックス」関口哲平、徳間書店、2003
一流のスポーツ選手夫妻の愛犬が、難病に冒された愛児の治療費に困った中年男に誘拐される。
被害者側・加害者側双方に感情移入できて、最後はどっちに転ぶのかハラハラしながら読みました。
被害者側の夫の職業であるスポーツについては、まったく未知の世界だったため、ウンチクが読めてそれも面白かった。物語冒頭ではこのスポーツについて伏せられているので、それを推理するのも楽しい。
ただ、愛犬の可愛らしさについては微に入り細に渡って書かれている一方で、加害者側の愛児についての描写が通りいっぺんで、バランスが悪い気がしたが、著者の愛犬がモデルとわかって納得。
この著者は選挙プロデューサーとしてアントニオ猪木や枡添要一のブレーンもしたことがあるそうで、上原多賀子からの献辞をオビとカバー袖に載せていたり、ネット上のペットサイト掲示板に、(元々そこに書き込んだ経験がないにも関わらず)自著の宣伝を書き込んだりして、ちょっと売り方があざといところも見え隠れ……(ごほごほ)。
そう考えると、ラストの後味がちょっとよくないのも、余韻というよりも著者の性格?と思えてしまって残念。
■(再読)「EDGE」(1)〜(3)、とみなが貴和、講談社X文庫
出た当初はそれなりにおもしろいと思っていたのだけれど、いま再読すると、とくに(1)なんて苦痛以外の何者でも……。
それでもまだ(2)や(3)には何度も読み返したいところがあるのだけれど。
□(読み始め)「東電OL殺人事件」佐野真一、
たまたまいっしょにご飯を食べた友だちから友だちへ、返却されるはずだった本がなぜかわたしの元へ(笑)。
最近プチ・ドキュメンタリーづいていて、この本もとても面白いのだけれど、いかんせん重くて通勤に持ち歩けない。ちょっとずつ読みます。
◎(映画)「パイレーツ・オブ・カリビアン」
好きな役者が出ているため、大変期待して観にいって「……」だった。
「Dズニー映画なんだから」っていうのは、期待しちゃいけない枕詞だったのか?! だって、アニメはいい作品ありませんか? さすがに白雪姫は古すぎて例に挙げなくても、美女と野獣とか、アラジンとか……。
あ、いい作品は全部原作が他にある話か!!<問題発言?
◎(映画)「クローン・オブ・エイダ」
記憶とコンピュータを扱ったSF映画だというので、前衛気味で退きつつも期待して観にいって「……」だった。
あとからパンフで監督のプロフィールを見たら、「8歳で大学に入学」「インタラクティブなアートビデオで有名で、これが長編映画第一作」「起承転結を気にしたことはない」。
……わたし、映画はアートよりエンタメ系が好きだな。
簡単に説明すると、SF映画かと思わせておいてオカルトっぽく、実はドキュメンタリだったりして最終的にオカルトに戻る、ってカンジ?
◎(映画)「キリクと魔女」
お友だちに「意外とおもしろかった」と聞いて、映画で外してばっかりだったので、ふらっと観にいった。
すごくよかった。
アフリカの民話を元にしているそうなんですが、日本でいえば一寸法師の話。民話の基本的な構造をきちんと押さえた筋を、洗練された脚本で無駄を殺ぎ落として語り、あとは映像の力でバーンと見せる。これが、わたしが映画に求めているものだよ!
ジブリが提供していて吹き替えも監修しているそうで、その辺もよかったのかな。
■(読了)「愛犬マックス」関口哲平、徳間書店、2003
一流のスポーツ選手夫妻の愛犬が、難病に冒された愛児の治療費に困った中年男に誘拐される。
被害者側・加害者側双方に感情移入できて、最後はどっちに転ぶのかハラハラしながら読みました。
被害者側の夫の職業であるスポーツについては、まったく未知の世界だったため、ウンチクが読めてそれも面白かった。物語冒頭ではこのスポーツについて伏せられているので、それを推理するのも楽しい。
ただ、愛犬の可愛らしさについては微に入り細に渡って書かれている一方で、加害者側の愛児についての描写が通りいっぺんで、バランスが悪い気がしたが、著者の愛犬がモデルとわかって納得。
この著者は選挙プロデューサーとしてアントニオ猪木や枡添要一のブレーンもしたことがあるそうで、上原多賀子からの献辞をオビとカバー袖に載せていたり、ネット上のペットサイト掲示板に、(元々そこに書き込んだ経験がないにも関わらず)自著の宣伝を書き込んだりして、ちょっと売り方があざといところも見え隠れ……(ごほごほ)。
そう考えると、ラストの後味がちょっとよくないのも、余韻というよりも著者の性格?と思えてしまって残念。
■(再読)「EDGE」(1)〜(3)、とみなが貴和、講談社X文庫
出た当初はそれなりにおもしろいと思っていたのだけれど、いま再読すると、とくに(1)なんて苦痛以外の何者でも……。
それでもまだ(2)や(3)には何度も読み返したいところがあるのだけれど。
□(読み始め)「東電OL殺人事件」佐野真一、
たまたまいっしょにご飯を食べた友だちから友だちへ、返却されるはずだった本がなぜかわたしの元へ(笑)。
最近プチ・ドキュメンタリーづいていて、この本もとても面白いのだけれど、いかんせん重くて通勤に持ち歩けない。ちょっとずつ読みます。
◎(映画)「パイレーツ・オブ・カリビアン」
好きな役者が出ているため、大変期待して観にいって「……」だった。
「Dズニー映画なんだから」っていうのは、期待しちゃいけない枕詞だったのか?! だって、アニメはいい作品ありませんか? さすがに白雪姫は古すぎて例に挙げなくても、美女と野獣とか、アラジンとか……。
あ、いい作品は全部原作が他にある話か!!<問題発言?
◎(映画)「クローン・オブ・エイダ」
記憶とコンピュータを扱ったSF映画だというので、前衛気味で退きつつも期待して観にいって「……」だった。
あとからパンフで監督のプロフィールを見たら、「8歳で大学に入学」「インタラクティブなアートビデオで有名で、これが長編映画第一作」「起承転結を気にしたことはない」。
……わたし、映画はアートよりエンタメ系が好きだな。
簡単に説明すると、SF映画かと思わせておいてオカルトっぽく、実はドキュメンタリだったりして最終的にオカルトに戻る、ってカンジ?
◎(映画)「キリクと魔女」
お友だちに「意外とおもしろかった」と聞いて、映画で外してばっかりだったので、ふらっと観にいった。
すごくよかった。
アフリカの民話を元にしているそうなんですが、日本でいえば一寸法師の話。民話の基本的な構造をきちんと押さえた筋を、洗練された脚本で無駄を殺ぎ落として語り、あとは映像の力でバーンと見せる。これが、わたしが映画に求めているものだよ!
ジブリが提供していて吹き替えも監修しているそうで、その辺もよかったのかな。
「タイムスリップ明治維新」
2003年8月8日■(読了)「タイムスリップ明治維新」鯨統一郎、講談社ノベルス、2003
この読書記録にも書いた、同じ著者の「タイムスリップ森鴎外」の続編。前作の主人公、現代人のうららが、今度は幕末にタイムスリップし、25世紀からこの時代にやってきて歴史を改変しようとする悪者の企みをかいくぐって、明治維新を成功させるために奔走する。
歴史モノとしてはたいへん面白くて、軽い読み口とともにイッキ読みでした。
強いて言えば、未来人(25世紀の人)が出てくるあたりが少し強引な印象を受けました。あと、うららちゃんが維新の立役者たちと関係を持ってしまうのが、ううーん、女性として、ナンダカナアと思いました。
あと、この著者のデビュー作「邪馬台国はどこですか?」の中にある明治維新の話のネタを、そのまま使っているんですが、「実はあれは間違いだった!」ってなことになるかと期待していたんですが……。
この読書記録にも書いた、同じ著者の「タイムスリップ森鴎外」の続編。前作の主人公、現代人のうららが、今度は幕末にタイムスリップし、25世紀からこの時代にやってきて歴史を改変しようとする悪者の企みをかいくぐって、明治維新を成功させるために奔走する。
歴史モノとしてはたいへん面白くて、軽い読み口とともにイッキ読みでした。
強いて言えば、未来人(25世紀の人)が出てくるあたりが少し強引な印象を受けました。あと、うららちゃんが維新の立役者たちと関係を持ってしまうのが、ううーん、女性として、ナンダカナアと思いました。
あと、この著者のデビュー作「邪馬台国はどこですか?」の中にある明治維新の話のネタを、そのまま使っているんですが、「実はあれは間違いだった!」ってなことになるかと期待していたんですが……。
「タイトロープ・ダンサー STAGE1」
2003年8月1日■(読了) 「タイトロープ・ダンサー STAGE1」久能千明、2003
SFボーイズ●ブ(いまさら伏字にしても……)「青の軌跡」シリーズ最新作。
相変わらず、色っぽいシーンは強烈に色っぽい。それだけでBL小説としては充分なのだけれど、今回は、つい先日「第六大陸」を読んだばかりだったので、ついSFなところのアラが目に付いてしまい、どうもノリが悪かった。
でも、繰り返すが、BL小説だから逆に小難しいSF的設定は邪魔になるので、この程度の分かりやすさが妥当だろう。
続編が楽しみだ。
SFボーイズ●ブ(いまさら伏字にしても……)「青の軌跡」シリーズ最新作。
相変わらず、色っぽいシーンは強烈に色っぽい。それだけでBL小説としては充分なのだけれど、今回は、つい先日「第六大陸」を読んだばかりだったので、ついSFなところのアラが目に付いてしまい、どうもノリが悪かった。
でも、繰り返すが、BL小説だから逆に小難しいSF的設定は邪魔になるので、この程度の分かりやすさが妥当だろう。
続編が楽しみだ。
「東京の[地霊(ゲニウス・ロキ)]」
2003年7月31日■(読了)「東京の[地霊(ゲニウス・ロキ)]」鈴木博之、文春文庫、1998
東京の、ごく狭い土地に注目して、そこの経てきた歴史や文化、社会的視点を通じて、土地を読み解こうとする。
タイトルを見たとき、変なオカルトかと思いこみましたが、れっきとしたサントリー学芸賞受賞作。
都内の13の場所が取り上げられているが、その場所を実際に知っていればとても面白い。とくに明治維新のときに大きく様変わりした土地の様子が、そこにまつわる歴史上の人物とともに語られていて面白い。
でも、そこを知らないとおもしろさ半減。登場人物を知らないと、さらに半分。読む人を選ぶ本だ。わたしは、7、8か所知っていたので十分楽しめましたが。
東京の、ごく狭い土地に注目して、そこの経てきた歴史や文化、社会的視点を通じて、土地を読み解こうとする。
タイトルを見たとき、変なオカルトかと思いこみましたが、れっきとしたサントリー学芸賞受賞作。
都内の13の場所が取り上げられているが、その場所を実際に知っていればとても面白い。とくに明治維新のときに大きく様変わりした土地の様子が、そこにまつわる歴史上の人物とともに語られていて面白い。
でも、そこを知らないとおもしろさ半減。登場人物を知らないと、さらに半分。読む人を選ぶ本だ。わたしは、7、8か所知っていたので十分楽しめましたが。
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「第六大陸 1」
2003年7月28日■(読了)「第六大陸 1」小川一水、ハヤカワ文庫SF、2003
50年先の近未来、極地の建設工事が得意な建設会社と日本で第3の遊園地を経営するエンターテインメント会社が共同で、月に基地を作ろう、とする話。
最初の数ページから、「うわ、これライトノベルじゃん」と思った。理由ははっきりしない。たぶん、ヒロインの造型が黒髪さらさらの超美少女お嬢様だからかもしれないけれど、じゃあこのヒロインがもっと別のキャラクターだったらライトノベルだと思わなかったか、と考えると、じつはもう一人の主人公である建築会社社員の青年が出てきた時点ですでに「ライトノベル」っぽさを感じていた気がするし。(ちなみに表紙を見たときには、とくにライトノベルっぽさは感じなかった。)
なにをして「ライトノベルっぽい」と感じたかどうかは、突き詰めると長くなりそうなので置いておいて。
これはとても面白い。月に基地を作るという夢のような物語が、ごく具体的に進められていく。あとがきにもあるように、使われている数値もすべて現実に即したものとなっているそうで、その辺も安心して読み進められる。
いつも参考にしている本の感想サイトでプロジェクトXにたとえていましたが、言いえて妙。
50年先の近未来、極地の建設工事が得意な建設会社と日本で第3の遊園地を経営するエンターテインメント会社が共同で、月に基地を作ろう、とする話。
最初の数ページから、「うわ、これライトノベルじゃん」と思った。理由ははっきりしない。たぶん、ヒロインの造型が黒髪さらさらの超美少女お嬢様だからかもしれないけれど、じゃあこのヒロインがもっと別のキャラクターだったらライトノベルだと思わなかったか、と考えると、じつはもう一人の主人公である建築会社社員の青年が出てきた時点ですでに「ライトノベル」っぽさを感じていた気がするし。(ちなみに表紙を見たときには、とくにライトノベルっぽさは感じなかった。)
なにをして「ライトノベルっぽい」と感じたかどうかは、突き詰めると長くなりそうなので置いておいて。
これはとても面白い。月に基地を作るという夢のような物語が、ごく具体的に進められていく。あとがきにもあるように、使われている数値もすべて現実に即したものとなっているそうで、その辺も安心して読み進められる。
いつも参考にしている本の感想サイトでプロジェクトXにたとえていましたが、言いえて妙。
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「B級グルメ倶楽部」
2003年7月25日■(読了)「B級グルメ倶楽部」今市子、ダリアコミックス(MOVIC)、2003
雑誌掲載された表題作に、書き下ろし続編や同人誌収録作などを寄せ集めた1冊。
この人の話は、昔っからいい話が多くて、安心して読める。
それにしても、古いのはとくに、昔の萩尾●都マンガを読んでいるような気になってくるくらい絵柄の雰囲気が似てるよな。(とくに人物の目が……)
雑誌掲載された表題作に、書き下ろし続編や同人誌収録作などを寄せ集めた1冊。
この人の話は、昔っからいい話が多くて、安心して読める。
それにしても、古いのはとくに、昔の萩尾●都マンガを読んでいるような気になってくるくらい絵柄の雰囲気が似てるよな。(とくに人物の目が……)
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「発掘捏造」
2003年7月24日■(読了)「発掘捏造」毎日新聞旧石器遺跡取材班、新潮文庫、2003
上高森遺跡の埋蔵文化財捏造をスクープした取材班のドキュメンタリ。
この事件が発覚したときは、表面的なことしか知りませんでしたが(ウチ読売だし)、徒労に終わるかも知れない取材をいかに苦心して進めたか、スクープ後の動きなどもまとめてあって、とてもおもしろかった。
捏造してしまったF氏って、本当に、どこにでもいる普通のおじさんだったんだろう。つい、ちょっとした嘘で自分をよく見せたくなる、ごく普通の人間が、いつの間にかこういう罪を犯してしまう怖さとか、それを周囲が止められない、容認してしまう、さらには助長してしまう「雰囲気」が出来上がっていってしまう怖さって、この事件特有のものでなくて、どこにでもある危うさの先にあるものだろう。
すごく考えさせられる1冊だった。
上高森遺跡の埋蔵文化財捏造をスクープした取材班のドキュメンタリ。
この事件が発覚したときは、表面的なことしか知りませんでしたが(ウチ読売だし)、徒労に終わるかも知れない取材をいかに苦心して進めたか、スクープ後の動きなどもまとめてあって、とてもおもしろかった。
捏造してしまったF氏って、本当に、どこにでもいる普通のおじさんだったんだろう。つい、ちょっとした嘘で自分をよく見せたくなる、ごく普通の人間が、いつの間にかこういう罪を犯してしまう怖さとか、それを周囲が止められない、容認してしまう、さらには助長してしまう「雰囲気」が出来上がっていってしまう怖さって、この事件特有のものでなくて、どこにでもある危うさの先にあるものだろう。
すごく考えさせられる1冊だった。
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「パラサイト・シングルの時代」
2003年7月17日■(読了)「パラサイト・シングルの時代」山田昌弘、ちくま新書、1999
パラサイト・シングルという言葉を最初に提唱した社会学者のパラサイト・シングル入門書。
以前に読んだニュータウンに関する講演集のなかで、この人の話が面白かったので読んでみたんですが、この本は、統計の数字を持ってきて説明してくれるのはいいんですが、そこから導き出す結論が、少々飛躍しすぎだったり、主観的だったりしていまひとつ。
うーん、でも、いつまでもパラサイトしてちゃダメだよな、とは思いました。ハイ。
パラサイト・シングルという言葉を最初に提唱した社会学者のパラサイト・シングル入門書。
以前に読んだニュータウンに関する講演集のなかで、この人の話が面白かったので読んでみたんですが、この本は、統計の数字を持ってきて説明してくれるのはいいんですが、そこから導き出す結論が、少々飛躍しすぎだったり、主観的だったりしていまひとつ。
うーん、でも、いつまでもパラサイトしてちゃダメだよな、とは思いました。ハイ。
「物語の体操」
2003年7月14日■(読了)「物語の体操 みるみる小説が書ける6つのレッスン」大塚英志、朝日文庫、2003
しばらく前に読んだ同じ著者の「キャラクター小説の作り方」の前に書かれた、小説の書き方ハウツー本の体裁を取ったキャラクター小説論。
著者の言う「キャラクター小説」、もしくはライトノベルの業界に関わる人たちの中には、なかなか、文壇の論者と渡り合えるだけの文学論の知識や論戦を構えるだけの訓練を受けている人が少ないため、余計に世の中に(よしにつけ悪しきにつけ)認知されにくいように思われる。
そんななかで、筑波大学で民俗学を学んだ著者は、広く文学のなかでの「キャラクター小説」の位置付けを描いてみせる。
そういったライトノベル側に立った論者が、女性向けのほうからはなかなか出てこないのがもどかしいなぁ。たまにいても、なにか感情論や自分の経験に深く密着したエッセイに流れていってしまうんだものなぁ。
しばらく前に読んだ同じ著者の「キャラクター小説の作り方」の前に書かれた、小説の書き方ハウツー本の体裁を取ったキャラクター小説論。
著者の言う「キャラクター小説」、もしくはライトノベルの業界に関わる人たちの中には、なかなか、文壇の論者と渡り合えるだけの文学論の知識や論戦を構えるだけの訓練を受けている人が少ないため、余計に世の中に(よしにつけ悪しきにつけ)認知されにくいように思われる。
そんななかで、筑波大学で民俗学を学んだ著者は、広く文学のなかでの「キャラクター小説」の位置付けを描いてみせる。
そういったライトノベル側に立った論者が、女性向けのほうからはなかなか出てこないのがもどかしいなぁ。たまにいても、なにか感情論や自分の経験に深く密着したエッセイに流れていってしまうんだものなぁ。
「メディア・コントロール」
2003年7月9日■(読了)「メディア・コントロール」ノーム・チョムスキー、集英社新書、2003
著名な言語学者であり、かつアメリカの強硬な外交政策に反対する論客の論集。論文と講演録と辺見庸とのインタビューが載っている。
先日の「記憶/物語」でも思ったけれど、学者って(というか「だから」?)残酷なまでに「正しさ」を突き詰めるよなぁ。わたしのような一般人には「あなたのようにはできません」と拒否反応が出てしまうと思うんですが、社会全体からすれば、こういう極端な人や、反対側に極端な人もいるからバランスが取れているんだろうと思います。
とまれ。
闘わなければ、自由や権利は手に入らないものだ。
著名な言語学者であり、かつアメリカの強硬な外交政策に反対する論客の論集。論文と講演録と辺見庸とのインタビューが載っている。
先日の「記憶/物語」でも思ったけれど、学者って(というか「だから」?)残酷なまでに「正しさ」を突き詰めるよなぁ。わたしのような一般人には「あなたのようにはできません」と拒否反応が出てしまうと思うんですが、社会全体からすれば、こういう極端な人や、反対側に極端な人もいるからバランスが取れているんだろうと思います。
とまれ。
闘わなければ、自由や権利は手に入らないものだ。
「アニマル・ファクトリー」
2003年7月2日■(読了)「アニマル・ファクトリー」エドワード・バンカー、ソニーマガジンズ、2000
麻薬の密売で刑務所に入れられた主人公が、先輩受刑者と友情を築きながら、刑務所の掟を学んでいく。
いや、この主人公とセンパイが!
お互い、自分の中に同性愛嗜好があることを自覚しつつ、この相手とは親子のような親愛の情を深めていく過程がイイです。
主人公は、刑務所に入る前から女役にされることを恐れるような、若くてハンサム。センパイは、スキンヘッドで受刑歴が長く、刑務所の白人グループのリーダー的存在。
これはBLか?!
秋に友人と「京都でプチ豪遊」する予定なので、以下の本を購入。
「サライの京都」サライ編集部、小学館、2003
麻薬の密売で刑務所に入れられた主人公が、先輩受刑者と友情を築きながら、刑務所の掟を学んでいく。
いや、この主人公とセンパイが!
お互い、自分の中に同性愛嗜好があることを自覚しつつ、この相手とは親子のような親愛の情を深めていく過程がイイです。
主人公は、刑務所に入る前から女役にされることを恐れるような、若くてハンサム。センパイは、スキンヘッドで受刑歴が長く、刑務所の白人グループのリーダー的存在。
これはBLか?!
秋に友人と「京都でプチ豪遊」する予定なので、以下の本を購入。
「サライの京都」サライ編集部、小学館、2003
「記憶/物語」
2003年6月27日■(読了)「記憶/物語(思考のフロンティアシリーズ)」岡真理、岩波書店、2000
記憶を他人と分有しようとするとき、記憶が過去のものになった時点で言葉にできるのであって、今現在、<出来事>の生々しい記憶に(PTSDのように)襲われて生きている人たちの記憶を分有することは難しい、とか。
生の記憶を小説や映画などのコンテクストのなかに置いた時点ですでに生の記憶ではなくなっているのだ、とか。
記憶したことと、それを他人に伝えること(受け取ること)について、アラビア文学者の考察。
自分の考えていることを言葉に置き換えたり、それを他人と共有したり、他人から受け取った言葉を自分で理解するそれぞれの段階で起こる困難について、しみじみ考えてしまう。
記憶を他人と分有しようとするとき、記憶が過去のものになった時点で言葉にできるのであって、今現在、<出来事>の生々しい記憶に(PTSDのように)襲われて生きている人たちの記憶を分有することは難しい、とか。
生の記憶を小説や映画などのコンテクストのなかに置いた時点ですでに生の記憶ではなくなっているのだ、とか。
記憶したことと、それを他人に伝えること(受け取ること)について、アラビア文学者の考察。
自分の考えていることを言葉に置き換えたり、それを他人と共有したり、他人から受け取った言葉を自分で理解するそれぞれの段階で起こる困難について、しみじみ考えてしまう。
衝動買いWAVE+「都会で犬や猫と暮らす」
2003年6月24日本日から、「アニマル・ファクトリー」エドワード・バンカー、ソニーマガジンズ、2000なるを読み始めているのですが、立ち寄った書店で一気に4冊も衝動買いしてしまいました。
「世界の建築・街並みガイド2 イギリス/アイルランド/北欧4国」渡邉研司・松本淳・北川卓、エクスナレッジ、2003
「お屋敷拝見」内田青蔵・小野吉彦、河出書房新社、2003
「記憶/物語(思考のフロンティアシリーズ)」岡真理、岩波書店、2000
「都会で犬や猫と暮らす」芝内裕子・大塚敦子、岩波ブックレット、2002
最後の1冊は、電車の中で読み終わっちゃいました。
最近は、ペットといわずコンパニオン・アニマルと呼ぶらしい犬・猫とのつき合い方について、ごくさわりを対談形式で紹介。
この手の話を読むと、25年以上前に、なにも分からずに飼っていて可哀相な思いをさせてしまった愛犬ジミーのことを思い出して辛い。
今度飼うときにはちゃんと勉強してシアワセに飼ってやりたいと思う反面、また世話を面倒だと思うようになってしまわないかと怖いよ。
というわけで、お魚ちゃんをかわいがって満足してます。
「世界の建築・街並みガイド2 イギリス/アイルランド/北欧4国」渡邉研司・松本淳・北川卓、エクスナレッジ、2003
「お屋敷拝見」内田青蔵・小野吉彦、河出書房新社、2003
「記憶/物語(思考のフロンティアシリーズ)」岡真理、岩波書店、2000
「都会で犬や猫と暮らす」芝内裕子・大塚敦子、岩波ブックレット、2002
最後の1冊は、電車の中で読み終わっちゃいました。
最近は、ペットといわずコンパニオン・アニマルと呼ぶらしい犬・猫とのつき合い方について、ごくさわりを対談形式で紹介。
この手の話を読むと、25年以上前に、なにも分からずに飼っていて可哀相な思いをさせてしまった愛犬ジミーのことを思い出して辛い。
今度飼うときにはちゃんと勉強してシアワセに飼ってやりたいと思う反面、また世話を面倒だと思うようになってしまわないかと怖いよ。
というわけで、お魚ちゃんをかわいがって満足してます。
「死体は語る」
2003年6月20日■(読了)「死体は語る」上野正彦、時事通信社、1989
監察医が、仕事で出会った出来事などをまとめたエッセイ。
この大変有名な、この手の本の走りとも言える本が、うちにはたぶん10年以上前からあったのに、ようやく手にとって読みました。
日ごろニュースやミステリを読んでよく耳にするけれど実態はよく分からない「検死」「監察医」の仕事について、やさしく興味深くわかりやすく書かれていてとても面白い。なんで読んでなかったんだろう、わたし……。
監察医が、仕事で出会った出来事などをまとめたエッセイ。
この大変有名な、この手の本の走りとも言える本が、うちにはたぶん10年以上前からあったのに、ようやく手にとって読みました。
日ごろニュースやミステリを読んでよく耳にするけれど実態はよく分からない「検死」「監察医」の仕事について、やさしく興味深くわかりやすく書かれていてとても面白い。なんで読んでなかったんだろう、わたし……。
「紫嵐」
2003年6月18日■(読了)「紫嵐」五條瑛、双葉社、2002
R/evolutionシリーズ第2巻。買ったまま読んでいなかったのを、3巻が出たと聞くまで忘れていた。
相変わらず面白い国際情勢を反映したノワール小説で一気読みなのですが、やっぱり某ナゾの男が出てくると褪めちゃうんだよな。この人だけ少女マンガみたいで。
とまれ、第3巻「心洞」も読む。なにせ、わたしのご贔屓・大川先生がパワーアップして再登場すると聞いてるし。
そうそう。潜伏期間中に読んだ本で忘れていたのがあった。
・「獣王星」第5巻、樹なつみ、白泉社
4巻までの盛り上がりにくらべて慌ただしい終息でしたが。ううっ。サードが、サードがぁ……(愁嘆)。
R/evolutionシリーズ第2巻。買ったまま読んでいなかったのを、3巻が出たと聞くまで忘れていた。
相変わらず面白い国際情勢を反映したノワール小説で一気読みなのですが、やっぱり某ナゾの男が出てくると褪めちゃうんだよな。この人だけ少女マンガみたいで。
とまれ、第3巻「心洞」も読む。なにせ、わたしのご贔屓・大川先生がパワーアップして再登場すると聞いてるし。
そうそう。潜伏期間中に読んだ本で忘れていたのがあった。
・「獣王星」第5巻、樹なつみ、白泉社
4巻までの盛り上がりにくらべて慌ただしい終息でしたが。ううっ。サードが、サードがぁ……(愁嘆)。
「持たない生活」
2003年6月10日■(読了)「持たない生活」向山昌子、晶文社、2003
アジア的「物を持たない」「手を抜く」生活提案の本。
以前、同じ著者の「旅で覚えたアジア的シンプル生活術」を読んでこちらで感想も書きましたが、こちらはもう少しエッセイ的というか、洗練された文章で日々の暮らしを書いている。
この著者、旅に出る時間やお金がないときは、部屋の模様替えをしてストレスを解消するらしい。それもひとつの手かも(笑)。
物を捨て、部屋の模様替えをしたくなる。
アジア的「物を持たない」「手を抜く」生活提案の本。
以前、同じ著者の「旅で覚えたアジア的シンプル生活術」を読んでこちらで感想も書きましたが、こちらはもう少しエッセイ的というか、洗練された文章で日々の暮らしを書いている。
この著者、旅に出る時間やお金がないときは、部屋の模様替えをしてストレスを解消するらしい。それもひとつの手かも(笑)。
物を捨て、部屋の模様替えをしたくなる。