攻略せよ、要衝モーリシャス(下) ジャック・オーブリーシリーズ
2004年7月27日 読書記録(04.02〜)
ISBN:4150410666 文庫 高津 幸枝 早川書房 2004/07/22 ¥735
というわけで読了しました。
あ〜、相変わらず、船のことにしか興味のない艦長と、博物学のことにしか興味のないドクターが、てんでんばらばらに好き勝手なことを話しながらお互い仲良しだと思っているところがすごいです。
楽しかった。
以下、ちょいネタばれ
↓
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ドクターが他の艦長の船に乗って戦闘に巻き込まれたとき、あまりの戦術の悪さに「やっぱりジャックはすごい艦長なんだなぁ」と思い、気の利いたプリングズくんが現れると「ああ、やっぱりジャックが育てた船乗りはいい奴だ」と思ったり、ジャックのすばらしさを思い知った4巻でした。
でも、ジャックの指揮下に入った二人の勅任艦長の死に様は、それぞれ感慨深かったなぁ……。
というわけで読了しました。
あ〜、相変わらず、船のことにしか興味のない艦長と、博物学のことにしか興味のないドクターが、てんでんばらばらに好き勝手なことを話しながらお互い仲良しだと思っているところがすごいです。
楽しかった。
以下、ちょいネタばれ
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ドクターが他の艦長の船に乗って戦闘に巻き込まれたとき、あまりの戦術の悪さに「やっぱりジャックはすごい艦長なんだなぁ」と思い、気の利いたプリングズくんが現れると「ああ、やっぱりジャックが育てた船乗りはいい奴だ」と思ったり、ジャックのすばらしさを思い知った4巻でした。
でも、ジャックの指揮下に入った二人の勅任艦長の死に様は、それぞれ感慨深かったなぁ……。
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攻略せよ、要衝モーリシャス
2004年7月21日 本・映画にまつわるよしなし事
ISBN:4150410658 − 高津 幸枝 早川書房 2004/07/22 ¥714
……で、マスコマ4巻を発見したのでライラの冒険はひとまず置いておいてこちらに取り掛かる。
初っ端の、艦長と軍医の再会シーンですでに「おいおいおい(苦笑)」と心の中でつぶやいてしまいました。あー、やっぱり楽しいよ、この本。
……で、マスコマ4巻を発見したのでライラの冒険はひとまず置いておいてこちらに取り掛かる。
初っ端の、艦長と軍医の再会シーンですでに「おいおいおい(苦笑)」と心の中でつぶやいてしまいました。あー、やっぱり楽しいよ、この本。
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黄金の羅針盤〈上〉
2004年7月21日 読書記録(04.02〜)
先週は、以前買ったままになっていた以下の本を読み始めた。
□(読み始め)「経営革命の構造」米倉 誠一郎、岩波新書、1999
最初は、18世紀に始まったイギリス産業革命における技術革新と経営の関係を紹介していて「ジャックやスティーヴン(=M&C)の時代ね(はぁと)」と思って楽しく読んでいた。
19世紀にはいって舞台がアメリカに移っても「鉄道王とか石油王とかいうのはこういう人たちだったのね」とそれなりに関心を持って読み進められたのだけれど、そこら辺でちょーっと関心が薄まってしまったので休憩。もう少しで「自動車王」フォードの話になりそうなので、しばらくしたらまた再読します。
で、代わりになにか読みたいなぁと書店を見回していましたら、ちょうど新潮文庫の夏の100冊フェアをやってまして、2冊買うと読んだパンダのブックチャームなるものがもらえるらしい。ので、以前から気になっていた上下巻のこの本を読む。
ISBN:4102024115 文庫 大久保 寛 新潮社 2003/10 ¥620
(なんで原作者じゃなくて訳者の名前が出るかなぁ。ちなみに著者はフィリップ・プルマンです)
いやー。女の子が活躍する話はいいね!
それこそ19世紀くらいのイギリスによく似たパラレル・ワールドのオックスフォードに住む少女が、実は世界を変える運命にあることになっていて、けれども本人はそれを知らずに成し遂げなければならない。なので、周りの大人はそれとなく手を貸したり邪魔したりするが、本人はあくまで「自分はフツーの女の子」だと信じて冒険する。
しかもこの女の子がまた嫌な女でねぇ(誉めてる)。大人のいうことは聞かないは、ウソをつくのが得意だは、取り得は無謀と紙一重の勇気だけ。でも、子どもってそんなもんだよなぁとしみじみ思うのです。13歳の女の子が、世界やら正義やらに関心があるわけないじゃん!
というわけで、大変楽しく読めました。3部作の2まで文庫落ちしているということなので、引き続き2を……と思いつつ、M&Cの4巻ゲットとどちらが先になるか。
□(読み始め)「経営革命の構造」米倉 誠一郎、岩波新書、1999
最初は、18世紀に始まったイギリス産業革命における技術革新と経営の関係を紹介していて「ジャックやスティーヴン(=M&C)の時代ね(はぁと)」と思って楽しく読んでいた。
19世紀にはいって舞台がアメリカに移っても「鉄道王とか石油王とかいうのはこういう人たちだったのね」とそれなりに関心を持って読み進められたのだけれど、そこら辺でちょーっと関心が薄まってしまったので休憩。もう少しで「自動車王」フォードの話になりそうなので、しばらくしたらまた再読します。
で、代わりになにか読みたいなぁと書店を見回していましたら、ちょうど新潮文庫の夏の100冊フェアをやってまして、2冊買うと読んだパンダのブックチャームなるものがもらえるらしい。ので、以前から気になっていた上下巻のこの本を読む。
ISBN:4102024115 文庫 大久保 寛 新潮社 2003/10 ¥620
(なんで原作者じゃなくて訳者の名前が出るかなぁ。ちなみに著者はフィリップ・プルマンです)
いやー。女の子が活躍する話はいいね!
それこそ19世紀くらいのイギリスによく似たパラレル・ワールドのオックスフォードに住む少女が、実は世界を変える運命にあることになっていて、けれども本人はそれを知らずに成し遂げなければならない。なので、周りの大人はそれとなく手を貸したり邪魔したりするが、本人はあくまで「自分はフツーの女の子」だと信じて冒険する。
しかもこの女の子がまた嫌な女でねぇ(誉めてる)。大人のいうことは聞かないは、ウソをつくのが得意だは、取り得は無謀と紙一重の勇気だけ。でも、子どもってそんなもんだよなぁとしみじみ思うのです。13歳の女の子が、世界やら正義やらに関心があるわけないじゃん!
というわけで、大変楽しく読めました。3部作の2まで文庫落ちしているということなので、引き続き2を……と思いつつ、M&Cの4巻ゲットとどちらが先になるか。
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ニック・オブ・タイム
2004年7月11日 映画鑑賞記録(04.03〜)
DVD パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2004/05/28 ¥2,090 税理士のワトソンはLAのユニオンステーションで、警察を装った暗殺者たちに目をつけられ、娘を人質にとられる。彼らは「90分以内にカリフォルニア知事を暗殺せよ」とワトソンに指示を出し、彼は知事がいるホテルで右往左往するハメに。 ジョニー・デップが、とんでもない事件に巻き込まれた平凡な税理士を熱演。助けも求められないま…
非常によくできたタイムリミットもの。「90分以内に指定の人物を暗殺しなければ娘を殺される」という状況へ主人公が追い込まれるまでに、15分しかかけていない。あとは、映画の進行と話の中の時間がほぼ同じスピードで進み、しかも舞台は知事が選挙運動をしている巨大ホテルの内部に限定されている。主役は芸達者なジョニデに、悪役はクリストファ・ウォーケンと手堅く押さえ、山椒は小粒でぴりりと辛い作品。に、なるはずなのに。
うーん、今ひとつインパクトに欠けるのは、上手に作りすぎてきれいにまとまっちゃったからかなぁ。
カイシャの近くの駅ビル内のCD屋で、「1枚買うと1枚タダ」キャンペーンのワゴンから、これと「サウンド・オブ・サイレンス」を買いました。
で、会計を済ませて振り向いたら、店内の別の場所に「1枚買うともう1枚は半額」キャンペーンの棚が……。思わず近寄ってみたら、先日大変おもしろかったスパイダーマンの1と、しばらく前に見て気に入っていたデカダンSF「ガタカ」が置いてあった。
こっちに気づいてたらこの2枚を買ったのに!
……けっきょく翌日買っちゃったけどね。
非常によくできたタイムリミットもの。「90分以内に指定の人物を暗殺しなければ娘を殺される」という状況へ主人公が追い込まれるまでに、15分しかかけていない。あとは、映画の進行と話の中の時間がほぼ同じスピードで進み、しかも舞台は知事が選挙運動をしている巨大ホテルの内部に限定されている。主役は芸達者なジョニデに、悪役はクリストファ・ウォーケンと手堅く押さえ、山椒は小粒でぴりりと辛い作品。に、なるはずなのに。
うーん、今ひとつインパクトに欠けるのは、上手に作りすぎてきれいにまとまっちゃったからかなぁ。
カイシャの近くの駅ビル内のCD屋で、「1枚買うと1枚タダ」キャンペーンのワゴンから、これと「サウンド・オブ・サイレンス」を買いました。
で、会計を済ませて振り向いたら、店内の別の場所に「1枚買うともう1枚は半額」キャンペーンの棚が……。思わず近寄ってみたら、先日大変おもしろかったスパイダーマンの1と、しばらく前に見て気に入っていたデカダンSF「ガタカ」が置いてあった。
こっちに気づいてたらこの2枚を買ったのに!
……けっきょく翌日買っちゃったけどね。
スパイダーマン 2
2004年7月4日 映画鑑賞記録(04.03〜)
先行で見てきました。
スゴイよ……。シリーズものの続編は1よりも面白くなくなることが多いのに、これは1よりも断然面白い! 最高だ!!
(以下、いちおうネタバレには配慮していますが、映画を見る前にどんな先入観も抱きたくない方は読まないほうがいいかも)
↓
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↓
スパイダーマンの面白いところは、ヒーローじゃないときの主人公のドラマがしっかり描かれていることがあると思う。あまりの不幸てんこ盛り状態には「ウソだろー」とこっそり呟きたくなることもなきにしもあらずですが、とことんまで間の悪い不幸体質に描かれているので、もうこれは仕様ということで(笑)。それで、主人公が悩む悩む。その悩みが、見ているこちらにとって等身大の悩みだから、感情移入できるんですね。
同時に悪役にも悪役になる心理面での理由がきちんと描かれている。前作では、そこがいまいち弱かったんですが、今回はその辺も説得力あったし。
そしてなんといっても機械の触手との融合! えろちっくだわ〜。ぼんでーじだわ〜。すばらしいわ〜。
それらCGもまったく違和感なくうつくしかったです。そして、コミックのキャラクターらしく、スパイダーマンの決めの格好がまた格好いいんだ! タワーの尖塔のてっぺんにぴたっと止まるところとか、疾走する列車の上に止まるところとか、シーンのいちいちが計算されていて本当に気持ちいい。
この作品の魅力のまた別のひとつに、実際のNYを舞台にしているところもあると思います。誰もが見慣れた景色の隅々を効果的に使っているなぁと。もちろん架空の場所もあるでしょうけれど。そういう意味で、「都市」を描いた映画としても面白いとおもいます。
あーもうさっきから「おもしろい」を連発してますね。でもホントに面白いので、ぜひぜひ見てみて下さい〜。(人間関係で前作から繋がっているところがあるので、1を見てから行くことをお薦めします。)
スゴイよ……。シリーズものの続編は1よりも面白くなくなることが多いのに、これは1よりも断然面白い! 最高だ!!
(以下、いちおうネタバレには配慮していますが、映画を見る前にどんな先入観も抱きたくない方は読まないほうがいいかも)
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スパイダーマンの面白いところは、ヒーローじゃないときの主人公のドラマがしっかり描かれていることがあると思う。あまりの不幸てんこ盛り状態には「ウソだろー」とこっそり呟きたくなることもなきにしもあらずですが、とことんまで間の悪い不幸体質に描かれているので、もうこれは仕様ということで(笑)。それで、主人公が悩む悩む。その悩みが、見ているこちらにとって等身大の悩みだから、感情移入できるんですね。
同時に悪役にも悪役になる心理面での理由がきちんと描かれている。前作では、そこがいまいち弱かったんですが、今回はその辺も説得力あったし。
そしてなんといっても機械の触手との融合! えろちっくだわ〜。ぼんでーじだわ〜。すばらしいわ〜。
それらCGもまったく違和感なくうつくしかったです。そして、コミックのキャラクターらしく、スパイダーマンの決めの格好がまた格好いいんだ! タワーの尖塔のてっぺんにぴたっと止まるところとか、疾走する列車の上に止まるところとか、シーンのいちいちが計算されていて本当に気持ちいい。
この作品の魅力のまた別のひとつに、実際のNYを舞台にしているところもあると思います。誰もが見慣れた景色の隅々を効果的に使っているなぁと。もちろん架空の場所もあるでしょうけれど。そういう意味で、「都市」を描いた映画としても面白いとおもいます。
あーもうさっきから「おもしろい」を連発してますね。でもホントに面白いので、ぜひぜひ見てみて下さい〜。(人間関係で前作から繋がっているところがあるので、1を見てから行くことをお薦めします。)
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殺しの接吻
2004年7月1日 読書記録(04.02〜)
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キッチン・ストーリー
2004年6月30日 映画鑑賞記録(04.03〜)
スウェーデンの家庭調査員が、ノルウェーの独居男性の台所における生活導線を調査するために、偏屈な老人の家に数週間居座ります。調査員は調査対象と会話をしてはいけないことになっているのですが、自分も中年独身男である調査員は、次第に老人と心を通わせるようになり……。
というお話です。主要な登場人物はこの調査員と老人、老人の友達(この人も中年独身男性)と調査員の上司、という少なさで、しかも調査の始まった当初はまったく台詞がないし、最後のクライマックスもほとんど台詞なしで進み、役者の演技で見せる作りと、それに見合う演技力がすばらしい映画だと思います。
雪の積もったクリスマス前のノルウェーは背景としてもシンプルで美しく、構図も絵的に凝っていて、激しい起伏のない話ながら飽きさせません。(……告白しますと、途中でちょーっと眠くなったりしました/汗)。
くたびれた冴えないおじさんたち(とくにノルウェーの人たちはスウェーデンに比べると相対的に裕福でない)の交流はほのぼのしていて微笑ましいです。いや、途中でちょっと冗談にならない嫉妬も交じったりするのですが。
ちょっと悲しい結末ではあるのですが、いい気分になれること請け合いの映画です。
というお話です。主要な登場人物はこの調査員と老人、老人の友達(この人も中年独身男性)と調査員の上司、という少なさで、しかも調査の始まった当初はまったく台詞がないし、最後のクライマックスもほとんど台詞なしで進み、役者の演技で見せる作りと、それに見合う演技力がすばらしい映画だと思います。
雪の積もったクリスマス前のノルウェーは背景としてもシンプルで美しく、構図も絵的に凝っていて、激しい起伏のない話ながら飽きさせません。(……告白しますと、途中でちょーっと眠くなったりしました/汗)。
くたびれた冴えないおじさんたち(とくにノルウェーの人たちはスウェーデンに比べると相対的に裕福でない)の交流はほのぼのしていて微笑ましいです。いや、途中でちょっと冗談にならない嫉妬も交じったりするのですが。
ちょっと悲しい結末ではあるのですが、いい気分になれること請け合いの映画です。
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ISBN:4531081390 単行本 石井 礼子 日本教文社 2004/05 ¥1,950
おもしろい小説の条件のひとつに、「その内容を一言で説明できるか」というのがあるそうです。
その意味では、この本は小説ではないですけれど内容はいたってシンプル。しかも説明するまでもなくタイトルがそのまんま。さらに、そこにいろいろなドラマが想像できて求心力があります。
この本は、ニューヨーク州郊外に住むジャーナリストの著者が、牧場にいる牛と、マクドナルドのハンバーガーの間の無知を埋めるべく、畜産牛の受精からと蓄解体までを追ったルポルタージュです。
著者は、人工授精用冷凍精子の採取を見学したその牛の精子から生まれた子牛2頭を買って、その成長を追うのですが、あくまで観察者として距離を置いていたはずなのに、いつの間にか子牛に愛着を抱いてしまい、当初の目的どおり子牛をと蓄するかどうか、最後まで悩みます。その著者が最後にどういう決断を下すのか予測がつかず、一気に読んでしまいました。
同時に、アメリカの近代畜産農業がどういう状況にあるのか、それぞれの段階の現状がわかって興味深いですし、それぞれの段階で著者が出会う人々の人生も垣間見られて感慨深く、本当に面白く読めました。
この本を読みながら思い出していたのが、一月ほど前に佐世保で起こった、小学6年の少女が同級生に刺殺された事件の、被害者の父親のことです。
自身新聞記者である父親は、「自分はジャーナリストだから」という職業意識のもとに、事件当日の夜に記者会見を行って心境を他の記者やカメラの前で告白していました。
すごい精神力と、職業への真摯な態度に尊敬を覚えました。と、同時に、そんな無理をしたらかえってこの父親が心的外傷を被らないかと、心配にもなりました。
「語る」という行為は、追体験でもありますから。というのは、以前読んだ「記憶/物語」(2003年6月27日付)に詳しいので割愛。(いや、でも自分の感想を読んでもどういう内容の本かわからないよ……)
父親は、その後はやはり人前で語ることができないようで、手記による報告に留まっていますが、その手記の内容もあくまで理性的で、犯人である少女やその両親への理解も見せ、読んでいるほうが辛くなります。もっと怒りや憎しみといった感情を外に出せればいいのに……。
この本の話に戻れば、著者は自分の牛への愛着という個人的感情と、ジャーナリストとしての当初の目的の完遂という理性、そして、取材を通して知り合った畜産業に関わっている人たちへの尊敬の気持ちとの板ばさみから、取材を続けながらも子牛の処理について悩みます。けれど、子牛の肥育は16ヶ月というタイムリミットがあって、さらに一番最後の解体業の取材が一番難航したり……、と、盛り上げ方も上手く、本当におもしろかった。
途中で、この著者が以前動物愛護団体で働いていたことがわかって、「現実離れした動物愛護運動家の話だったのか?!」と心で警鐘がなりましたが、結局最後までジャーナリストとして中立の立場を貫こうという態度が保たれ、そこもポイント高かったです。
お薦め。いろんな人に読んで欲しい本です。
最後に。
えーっと、いちおうBL読みな方にもちょっと「おおっ?!」と思う場面が一か所だけあるので、邪まな気持ちで読み始めるのも入り口としては可かと(ああっごめんなさいごめんなさい/大汗)。「台牛」って初めて知りました。
きっと最後には、まじめに食肉文化について考えさせられるようになると思います。
おもしろい小説の条件のひとつに、「その内容を一言で説明できるか」というのがあるそうです。
その意味では、この本は小説ではないですけれど内容はいたってシンプル。しかも説明するまでもなくタイトルがそのまんま。さらに、そこにいろいろなドラマが想像できて求心力があります。
この本は、ニューヨーク州郊外に住むジャーナリストの著者が、牧場にいる牛と、マクドナルドのハンバーガーの間の無知を埋めるべく、畜産牛の受精からと蓄解体までを追ったルポルタージュです。
著者は、人工授精用冷凍精子の採取を見学したその牛の精子から生まれた子牛2頭を買って、その成長を追うのですが、あくまで観察者として距離を置いていたはずなのに、いつの間にか子牛に愛着を抱いてしまい、当初の目的どおり子牛をと蓄するかどうか、最後まで悩みます。その著者が最後にどういう決断を下すのか予測がつかず、一気に読んでしまいました。
同時に、アメリカの近代畜産農業がどういう状況にあるのか、それぞれの段階の現状がわかって興味深いですし、それぞれの段階で著者が出会う人々の人生も垣間見られて感慨深く、本当に面白く読めました。
この本を読みながら思い出していたのが、一月ほど前に佐世保で起こった、小学6年の少女が同級生に刺殺された事件の、被害者の父親のことです。
自身新聞記者である父親は、「自分はジャーナリストだから」という職業意識のもとに、事件当日の夜に記者会見を行って心境を他の記者やカメラの前で告白していました。
すごい精神力と、職業への真摯な態度に尊敬を覚えました。と、同時に、そんな無理をしたらかえってこの父親が心的外傷を被らないかと、心配にもなりました。
「語る」という行為は、追体験でもありますから。というのは、以前読んだ「記憶/物語」(2003年6月27日付)に詳しいので割愛。(いや、でも自分の感想を読んでもどういう内容の本かわからないよ……)
父親は、その後はやはり人前で語ることができないようで、手記による報告に留まっていますが、その手記の内容もあくまで理性的で、犯人である少女やその両親への理解も見せ、読んでいるほうが辛くなります。もっと怒りや憎しみといった感情を外に出せればいいのに……。
この本の話に戻れば、著者は自分の牛への愛着という個人的感情と、ジャーナリストとしての当初の目的の完遂という理性、そして、取材を通して知り合った畜産業に関わっている人たちへの尊敬の気持ちとの板ばさみから、取材を続けながらも子牛の処理について悩みます。けれど、子牛の肥育は16ヶ月というタイムリミットがあって、さらに一番最後の解体業の取材が一番難航したり……、と、盛り上げ方も上手く、本当におもしろかった。
途中で、この著者が以前動物愛護団体で働いていたことがわかって、「現実離れした動物愛護運動家の話だったのか?!」と心で警鐘がなりましたが、結局最後までジャーナリストとして中立の立場を貫こうという態度が保たれ、そこもポイント高かったです。
お薦め。いろんな人に読んで欲しい本です。
最後に。
えーっと、いちおうBL読みな方にもちょっと「おおっ?!」と思う場面が一か所だけあるので、邪まな気持ちで読み始めるのも入り口としては可かと(ああっごめんなさいごめんなさい/大汗)。「台牛」って初めて知りました。
きっと最後には、まじめに食肉文化について考えさせられるようになると思います。
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SEX PISTOLS 2 (2)
2004年6月24日 読書記録(まんが)
ISBN:4835216067 コミック 寿 たらこ ビブロス 2004/06/10 ¥600
先週思い余って続きを買いに夜中に車を出そうとまで思ったマンガの続き。その後、近くの本屋では軒並み売っていない(平台においてあった形跡だけが……)状態に業を煮やし、とうとうアマゾってしまいました。
で、ようやく2組目のカップルが出来上がったのを読んで。
……いいのか、それで?
散々引っ張られた割に謎はほとんどご都合主義でスルーされ、あとはベタ甘ならぶらぶ描写で終わってしまって、ちょっと肩透かしだなぁ。
雑誌連載されていたのでしょうから、リアルタイムで読んでいた人には待ちきれなかったでしょうが、どうせBL、最後に出来上がるのは当然なんですから、もう少し二人の葛藤を読ませて欲しかったなぁ。
それとも、お若い方々にはこれでも十分なのかしら……。
一番引っかかったのは、斑類の人たちは同性間でも子どもが作れるという設定で、自分たちは軒並みホモなのに、親はみんな男女のペアだということ。
BL読みの腐女子たちの隠れた願望が垣間見えるようだ。
ちなみに、送料タダにするために合わせて購入したのは以下の2点。
「私の牛がハンバーガーになるまで」ピーター・ローベンハイム著 石井礼子訳、日本教文社、2004
一頭の牛の受精からと殺までを追うドキュメンタリーを書こうとした著者が3頭の子牛を買ってからの2年間のルポルタージュ。
タイトルが秀逸ですね。著者の発想もいいけれど、この日本語タイトルのおかげで興味を持つ人は多いと思う。
「エルガー:チェロ協奏曲、エニグマ (謎)変奏曲」ジャクリーヌ・デュ・プレ
CDです。先日飲んだ友人と映画の話をしていて、「本当のジャクリーヌ・デュ・プレ」を大絶賛したら、「ジャクリーヌの演奏はすごいよ!」と逆プッシュされたので買ってみた。
先週思い余って続きを買いに夜中に車を出そうとまで思ったマンガの続き。その後、近くの本屋では軒並み売っていない(平台においてあった形跡だけが……)状態に業を煮やし、とうとうアマゾってしまいました。
で、ようやく2組目のカップルが出来上がったのを読んで。
……いいのか、それで?
散々引っ張られた割に謎はほとんどご都合主義でスルーされ、あとはベタ甘ならぶらぶ描写で終わってしまって、ちょっと肩透かしだなぁ。
雑誌連載されていたのでしょうから、リアルタイムで読んでいた人には待ちきれなかったでしょうが、どうせBL、最後に出来上がるのは当然なんですから、もう少し二人の葛藤を読ませて欲しかったなぁ。
それとも、お若い方々にはこれでも十分なのかしら……。
一番引っかかったのは、斑類の人たちは同性間でも子どもが作れるという設定で、自分たちは軒並みホモなのに、親はみんな男女のペアだということ。
BL読みの腐女子たちの隠れた願望が垣間見えるようだ。
ちなみに、送料タダにするために合わせて購入したのは以下の2点。
「私の牛がハンバーガーになるまで」ピーター・ローベンハイム著 石井礼子訳、日本教文社、2004
一頭の牛の受精からと殺までを追うドキュメンタリーを書こうとした著者が3頭の子牛を買ってからの2年間のルポルタージュ。
タイトルが秀逸ですね。著者の発想もいいけれど、この日本語タイトルのおかげで興味を持つ人は多いと思う。
「エルガー:チェロ協奏曲、エニグマ (謎)変奏曲」ジャクリーヌ・デュ・プレ
CDです。先日飲んだ友人と映画の話をしていて、「本当のジャクリーヌ・デュ・プレ」を大絶賛したら、「ジャクリーヌの演奏はすごいよ!」と逆プッシュされたので買ってみた。
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最後のドアを閉めろ 2 (2)
2004年6月23日 読書記録(まんが)
ISBN:4835216059 コミック 山田 ユギ ビブロス 2004/06/10 ¥650
話も面白くきちんとエロく、安心して読めるBLマンガ家の新刊。
前半の表題作のシリーズも、カップルが出来上がってからさらに盛り上がって面白い。
後半には別のシリーズ『誰にも愛されない』が2話入っている。弱小出版社の営業(だけど編集までさせられている)攻×チェコ語の翻訳もできる古書店店主受、のお話。
こちらも単純攻と情緒欠陥ありそうな美形受という黄金パターンながらも出版がらみということでおもしろく読んだ。
が。
以下ネタバレになります。無駄に長い文章なので、おヒマな方だけどうぞ。
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著作権保護期間切れで結局出版できなくなる、という話なのですが、欄外におそらく編集者により「著作権法により著者の死後50年間は著作権が保護される」云々の注意書きが書かれています。いちおう業務で著作権についてかじった者としてはちょっとツッコミ入れたくなりまして。
このマンガでは、1952年に死去しているチェコ人の作家の翻訳本の著作権の切れる時期が問題になっていますが、外国の著作物の場合、著作権法とともに「ベルヌ条約」等の国際協定によって、著作権保護期間が決まります。日本・チェコともに加盟している「ベルヌ条約」では、内国民待遇、つまり、相手国の著作権は自国の著作権と同等以上の保護を受けることになっているので、この場合、チェコの法律で著作権保護期間が何年に設定されていようとも、日本の保護期間である50年が適用されるのです。まあ、この「ベルヌ条約」で基本的に著作権保護期間50年としているので、加盟国はほとんどこれに準じてますが、アメリカなんかは(というかネズミーや聖林の映画制作会社などは)もっと長くしようとしています。
さらに、このチェコの作家は架空の人物でしょうけれど、チェコ・ジャーナリズムで活躍した……などという描写もあるので、おそらくチャペックあたりをモデルにしていると思われますが、そうすると、この著作物は1941年以前に出版されたものである可能性が高くなります。
すると、注意しなければならないのは「戦時加算」。
第二次大戦での敗戦国である日本は、戦時中(1941年の開戦から和平条約締結までの約10年間)は連合国の出版物を勝手に出版するなど著作権侵害をしていたと考えられるので、その期間分だけ著作権保護期間が延長されるのです。
もっともこれは、チェコが連合国側だったかどうか、という問題がありますが、その前に、過去の判例によって、「和平条約で署名した国にのみ戦時加算が適用される」という判断が下されています。で、チェコとは和平条約を締結していないので、戦時加算は適用されない、ということになるそうです。
以上の判例についてはこちらをご参照ください。
//www.translan.com/jucc/precedent-1998-03-20.html
さらに、著作権保護期間は、著作者が死亡した翌年の1月1日から数えて50年になります。
ですので、この架空のチェコ人作家の著作権が切れるのは、2003年1月1日以降、ということになります。
「著作権が切れるのは死後50年」という短い注の後ろには、こういう長ったらしく難しい計算があるわけです。
で。著作権が消滅していたので基本的には誰でも自由にこの作家の本を出版できることになりますが、それをしてこのマンガのキャラクターが「版権フリーだ!」と言っているのは、ちょっと違和感があります(汗)。
「版権フリー」って、クリップアートじゃないんだから、という感覚の問題だけでなく。
版権=出版権だけフリーになっても、この本は出版できないからです。
いえ、ホント細かい話なんですが、出版権というのは著作権の一部分であって、翻訳権などとは同列の権利なわけで。
翻訳権までフリーでないと出版できないのになぜわざわざ版権だけを取り上げて「フリーだ!」というのか、そこに違和感を感じます。なんで「著作権フリーだ!」にしなかったのかしら。そうすれば出版権も翻訳権もまとめてフリーだということになるのに。
とまれ、決定的に間違っている記述ではないので、普通に読んでいればさらっとスルーできる点を、重箱の隅をつついてみました。
この文章を書くに当たってぐぐったら、こんなヤバめなサイトまで見つかってしまいました。
ビブロス社は直接関係ないようですが、担当者さん、お勉強したんだろうな〜。
楽曲無断使用事件に関して
//bsvmusic.pos.to/pirate/01.html
話も面白くきちんとエロく、安心して読めるBLマンガ家の新刊。
前半の表題作のシリーズも、カップルが出来上がってからさらに盛り上がって面白い。
後半には別のシリーズ『誰にも愛されない』が2話入っている。弱小出版社の営業(だけど編集までさせられている)攻×チェコ語の翻訳もできる古書店店主受、のお話。
こちらも単純攻と情緒欠陥ありそうな美形受という黄金パターンながらも出版がらみということでおもしろく読んだ。
が。
以下ネタバレになります。無駄に長い文章なので、おヒマな方だけどうぞ。
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著作権保護期間切れで結局出版できなくなる、という話なのですが、欄外におそらく編集者により「著作権法により著者の死後50年間は著作権が保護される」云々の注意書きが書かれています。いちおう業務で著作権についてかじった者としてはちょっとツッコミ入れたくなりまして。
このマンガでは、1952年に死去しているチェコ人の作家の翻訳本の著作権の切れる時期が問題になっていますが、外国の著作物の場合、著作権法とともに「ベルヌ条約」等の国際協定によって、著作権保護期間が決まります。日本・チェコともに加盟している「ベルヌ条約」では、内国民待遇、つまり、相手国の著作権は自国の著作権と同等以上の保護を受けることになっているので、この場合、チェコの法律で著作権保護期間が何年に設定されていようとも、日本の保護期間である50年が適用されるのです。まあ、この「ベルヌ条約」で基本的に著作権保護期間50年としているので、加盟国はほとんどこれに準じてますが、アメリカなんかは(というかネズミーや聖林の映画制作会社などは)もっと長くしようとしています。
さらに、このチェコの作家は架空の人物でしょうけれど、チェコ・ジャーナリズムで活躍した……などという描写もあるので、おそらくチャペックあたりをモデルにしていると思われますが、そうすると、この著作物は1941年以前に出版されたものである可能性が高くなります。
すると、注意しなければならないのは「戦時加算」。
第二次大戦での敗戦国である日本は、戦時中(1941年の開戦から和平条約締結までの約10年間)は連合国の出版物を勝手に出版するなど著作権侵害をしていたと考えられるので、その期間分だけ著作権保護期間が延長されるのです。
もっともこれは、チェコが連合国側だったかどうか、という問題がありますが、その前に、過去の判例によって、「和平条約で署名した国にのみ戦時加算が適用される」という判断が下されています。で、チェコとは和平条約を締結していないので、戦時加算は適用されない、ということになるそうです。
以上の判例についてはこちらをご参照ください。
//www.translan.com/jucc/precedent-1998-03-20.html
さらに、著作権保護期間は、著作者が死亡した翌年の1月1日から数えて50年になります。
ですので、この架空のチェコ人作家の著作権が切れるのは、2003年1月1日以降、ということになります。
「著作権が切れるのは死後50年」という短い注の後ろには、こういう長ったらしく難しい計算があるわけです。
で。著作権が消滅していたので基本的には誰でも自由にこの作家の本を出版できることになりますが、それをしてこのマンガのキャラクターが「版権フリーだ!」と言っているのは、ちょっと違和感があります(汗)。
「版権フリー」って、クリップアートじゃないんだから、という感覚の問題だけでなく。
版権=出版権だけフリーになっても、この本は出版できないからです。
いえ、ホント細かい話なんですが、出版権というのは著作権の一部分であって、翻訳権などとは同列の権利なわけで。
翻訳権までフリーでないと出版できないのになぜわざわざ版権だけを取り上げて「フリーだ!」というのか、そこに違和感を感じます。なんで「著作権フリーだ!」にしなかったのかしら。そうすれば出版権も翻訳権もまとめてフリーだということになるのに。
とまれ、決定的に間違っている記述ではないので、普通に読んでいればさらっとスルーできる点を、重箱の隅をつついてみました。
この文章を書くに当たってぐぐったら、こんなヤバめなサイトまで見つかってしまいました。
ビブロス社は直接関係ないようですが、担当者さん、お勉強したんだろうな〜。
楽曲無断使用事件に関して
//bsvmusic.pos.to/pirate/01.html
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25時
2004年6月21日 読書記録(04.02〜)
ISBN:4102225218 文庫 田口 俊樹 新潮社 2001/08 ¥660
麻薬の不法所持で7年の刑期を宣告され、翌日収監される主人公とその友人たちの25時間。
白人でハンサムな主人公は、刑務所に入れば女の代用品にされることは目に見えている。大人しく収監されるか、逃亡するか、自殺するか。3つの選択肢のうち、彼はどれを選ぶのか。
という話。25時間を様々な人の視点からじっくりと書き込んだ秀作。どの登場人物にもそれぞれ人生があり、感じ方があり、ずるいところときれいなところを併せ持っていてしみじみします。
これは、映画トロイの脚本家の処女作。映画にもなってます。
こちらの映画の方は見ていないのですが、トロイもこの小説のように一人一人をじっくりと書き込んでたら……秀作にはなったでしょうがハリウッド大作にはならなかったろうな。
人には向き不向きってものがあるのだ、としみじみ感じた次第。
麻薬の不法所持で7年の刑期を宣告され、翌日収監される主人公とその友人たちの25時間。
白人でハンサムな主人公は、刑務所に入れば女の代用品にされることは目に見えている。大人しく収監されるか、逃亡するか、自殺するか。3つの選択肢のうち、彼はどれを選ぶのか。
という話。25時間を様々な人の視点からじっくりと書き込んだ秀作。どの登場人物にもそれぞれ人生があり、感じ方があり、ずるいところときれいなところを併せ持っていてしみじみします。
これは、映画トロイの脚本家の処女作。映画にもなってます。
こちらの映画の方は見ていないのですが、トロイもこの小説のように一人一人をじっくりと書き込んでたら……秀作にはなったでしょうがハリウッド大作にはならなかったろうな。
人には向き不向きってものがあるのだ、としみじみ感じた次第。
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SEX PISTOLS 1 (1)
2004年6月20日 読書記録(まんが)
ISBN:4835215443 コミック 寿 たらこ ビブロス 2004/01/10 ¥630
他のマンガを探しに行って、以前人様が面白いと言っていたこの本が目に入ったので試しに買ってみた。
うわーなんか設定は凝りすぎて細部でつじつま合ってないような気がするものの、なんかスゴイおもしろいんですけど?!
BLものの常として、片思い→恋愛成就を見せ続けないとならないので、この話も主人公カップルができあがると脇役カップルに話が移りますが、この脇役カップル(まだ出来上がってない)が! とくに眼鏡受けくんが!!
先が気になって、夜中に車で続きを買いに行こうかと血迷いました(思いとどまりましたが)。
他のマンガを探しに行って、以前人様が面白いと言っていたこの本が目に入ったので試しに買ってみた。
うわーなんか設定は凝りすぎて細部でつじつま合ってないような気がするものの、なんかスゴイおもしろいんですけど?!
BLものの常として、片思い→恋愛成就を見せ続けないとならないので、この話も主人公カップルができあがると脇役カップルに話が移りますが、この脇役カップル(まだ出来上がってない)が! とくに眼鏡受けくんが!!
先が気になって、夜中に車で続きを買いに行こうかと血迷いました(思いとどまりましたが)。
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刑事ジョン・ブック 目撃者
2004年6月20日 映画鑑賞記録(04.03〜)
DVD パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2004/05/28 ¥2,090 フィラデルフィアの駅で殺人を目撃したアーミッシュの少年。捜査を担当したジョン・ブック刑事は、目撃者の少年に事件のことを聞き出そうとする。そして彼が指した犯人とは驚くべき人物だった。 少年を狙う犯人をチラつかせ、スリリングに見せる一方、信心深く、質素な生活を送るアーミッシュの人々との心の交流など、人間ドラマもし…
下の「レディ・ホーク」と一緒に借りてきました。
ロード・オブ・ザ・リングの流浪の王様役の人がチョイ役で出ていることは知っていましたが、あんまり熱心に過去の出演作を追っていませんでした。今回見たのはどちらかというと、M&CつながりでP.ウィアー監督作を。
……すばらしい!
徹底的にそぎ落とされた台詞で主人公の刑事がアーミッシュの村に逃げ込まなければならない状況をあっという間に理解させる手腕はスゴイです。そして、アーミッシュの村の生活の素朴なうつくしさは溜息もの。先日見た「真珠の首飾りの少女」を彷彿とさせる、清貧の生活が心地よい……と思ったら、特典についていた監督のインタビューで、直接名前は出なかったものの、映像の参考にした17世紀絵画としてフェルメールの絵が紹介されてました。納得。
最後の台詞も気が利いてるし、もう、ほんっと、わたしこの監督の作風が好きなのかも知れない。引き続き他の作品も追いかけてみるつもりです。
で、気になって見てみたらこちらも1985年の作品なのね。
レディ・ホーク……ちゃちいのは年代のせいではなかったか(嘆息)。
下の「レディ・ホーク」と一緒に借りてきました。
ロード・オブ・ザ・リングの流浪の王様役の人がチョイ役で出ていることは知っていましたが、あんまり熱心に過去の出演作を追っていませんでした。今回見たのはどちらかというと、M&CつながりでP.ウィアー監督作を。
……すばらしい!
徹底的にそぎ落とされた台詞で主人公の刑事がアーミッシュの村に逃げ込まなければならない状況をあっという間に理解させる手腕はスゴイです。そして、アーミッシュの村の生活の素朴なうつくしさは溜息もの。先日見た「真珠の首飾りの少女」を彷彿とさせる、清貧の生活が心地よい……と思ったら、特典についていた監督のインタビューで、直接名前は出なかったものの、映像の参考にした17世紀絵画としてフェルメールの絵が紹介されてました。納得。
最後の台詞も気が利いてるし、もう、ほんっと、わたしこの監督の作風が好きなのかも知れない。引き続き他の作品も追いかけてみるつもりです。
で、気になって見てみたらこちらも1985年の作品なのね。
レディ・ホーク……ちゃちいのは年代のせいではなかったか(嘆息)。
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レディホーク
2004年6月20日 映画鑑賞記録(04.03〜)
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2002/03/08 ¥4,179 SF、ホラー、アクション、西部劇、ヒューマンドラマと何でもござれのリチャード・ドナー監督が、中世ヨーロッパを舞台に描く剣と魔法のヒロイック・ファンタジー。悪魔と取引した大司教の呪いをかけられた男女。男(ルトガー・ハウアー)は夜になると狼になり、女(ミシェル・ファイファー)は昼間は鷹の姿に変えられる。両者は日の出と日…
道を外した司教の呪いにより、昼は女性が鷹に、夜は男が狼に姿を変えられ、人間同士の姿で愛し合えない恋人たちの物語。
公開当時からこのロマンティックな設定を気に入っていたものの、ずっと見ていなかったのですが、ツタヤの半額セールを機にようやく手を出した。
――そ、そんな!
タイトルロールからして安い作り見え見えのあの展開はナニ?!
長年の憧れが崩れ去った瞬間でした……。
ルトガー・ハウアーはブレードランナーの最強レプリカントがかっこよかったのだから、もっとこうストイックに闘う騎士でいてほしかった。渋くてカッコはいいんですが、殺陣がいまいち。ミシェル・ファイファーはとってもうつくしかった……。中世風のドレスにきっちり身を包んだところも見てみたかったなぁ。
なにはさておき、あの現代風な音楽はやめてほしかったです(涙)。いっそ「ロック・ユー!」のようにコテコテに作るならそうしろ!とわたしは言いたい。あんな、2時間ドラマのような中途半端に中世風で中途半端に現代風な衣装も美術もダメだダメだ!!
まあ、1985年というからいまから20年近く前の映画だから、ちゃちぃのは仕方がないのかしら……。
道を外した司教の呪いにより、昼は女性が鷹に、夜は男が狼に姿を変えられ、人間同士の姿で愛し合えない恋人たちの物語。
公開当時からこのロマンティックな設定を気に入っていたものの、ずっと見ていなかったのですが、ツタヤの半額セールを機にようやく手を出した。
――そ、そんな!
タイトルロールからして安い作り見え見えのあの展開はナニ?!
長年の憧れが崩れ去った瞬間でした……。
ルトガー・ハウアーはブレードランナーの最強レプリカントがかっこよかったのだから、もっとこうストイックに闘う騎士でいてほしかった。渋くてカッコはいいんですが、殺陣がいまいち。ミシェル・ファイファーはとってもうつくしかった……。中世風のドレスにきっちり身を包んだところも見てみたかったなぁ。
なにはさておき、あの現代風な音楽はやめてほしかったです(涙)。いっそ「ロック・ユー!」のようにコテコテに作るならそうしろ!とわたしは言いたい。あんな、2時間ドラマのような中途半端に中世風で中途半端に現代風な衣装も美術もダメだダメだ!!
まあ、1985年というからいまから20年近く前の映画だから、ちゃちぃのは仕方がないのかしら……。
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邪馬台国と大和朝廷
2004年6月16日 読書記録(04.02〜)
ISBN:4582852246 新書 武光 誠 平凡社 2004/05 ¥861
いわゆる「邪馬台国はどこだ!」論争ほか、文献解釈や考古学的発見を元に、文化人類学的視点も交えて筆者なりの論を展開。
九州説・大和説両方へのバランスの取れた視線を保持しつつ、自分の解釈もちゃんと言っていて説得力がある。まあ、結局は考古学分野から新たな発見・発掘があれば説はころっと変わってしまうけれど、という立場なんですが、当然だよなぁ、と思いました。
邪馬台国本にはトンデモ本も多いですが、これは新書という手軽さに反して信頼できると思います。
それにしても、久々にまともな本を読んだよ……。
いわゆる「邪馬台国はどこだ!」論争ほか、文献解釈や考古学的発見を元に、文化人類学的視点も交えて筆者なりの論を展開。
九州説・大和説両方へのバランスの取れた視線を保持しつつ、自分の解釈もちゃんと言っていて説得力がある。まあ、結局は考古学分野から新たな発見・発掘があれば説はころっと変わってしまうけれど、という立場なんですが、当然だよなぁ、と思いました。
邪馬台国本にはトンデモ本も多いですが、これは新書という手軽さに反して信頼できると思います。
それにしても、久々にまともな本を読んだよ……。
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チョッパー・リード〜史上最凶の殺人鬼〜
2004年6月13日 映画鑑賞記録(04.03〜)
DVD キングレコード 2001/04/25 ¥4,935
バナつながりで。
映画自体も、血がぴゅんぴゅん飛び散るものの、絵的に美しく面白かった。ただ、原作(モデルになった人の手記)をつづめようとしたために話の流れがわかりにくい部分があったかな。
けれど、やっぱりデブデブに太ったバナ兄の、凶悪な笑い方とか、突拍子もないことですぐキレて人を殺しちゃう雰囲気とか、怖ろしいながらもカッコいい感じがよかったです。
で、笑っちゃったのが、ビデオ版を借りたんですが最初に「フォース・フロア」という映画の予告が入っていて、その主演が偶然先日ここで話題を出したジュリエット・ルイスでした。
しかも、字幕で名前が出るまでそれがジュリエット・ルイスだと気づかなかった……。
か、顔変わった?←相手のせいにするし。
バナつながりで。
映画自体も、血がぴゅんぴゅん飛び散るものの、絵的に美しく面白かった。ただ、原作(モデルになった人の手記)をつづめようとしたために話の流れがわかりにくい部分があったかな。
けれど、やっぱりデブデブに太ったバナ兄の、凶悪な笑い方とか、突拍子もないことですぐキレて人を殺しちゃう雰囲気とか、怖ろしいながらもカッコいい感じがよかったです。
で、笑っちゃったのが、ビデオ版を借りたんですが最初に「フォース・フロア」という映画の予告が入っていて、その主演が偶然先日ここで話題を出したジュリエット・ルイスでした。
しかも、字幕で名前が出るまでそれがジュリエット・ルイスだと気づかなかった……。
か、顔変わった?←相手のせいにするし。
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ISBN:4757709722 コミック 森 薫 エンターブレイン 2002/08 ¥651
流行のメイドさんマンガ。
19世紀ロンドンの風俗を細かく描写している、ということだったので読んでみたけれど、自分にはメイドさん属性がないことが判明。
いや、先日みた映画「真珠の耳飾りの少女」のメイドさんとご主人の禁じられた恋の方が強烈に萌えだったもので。
流行のメイドさんマンガ。
19世紀ロンドンの風俗を細かく描写している、ということだったので読んでみたけれど、自分にはメイドさん属性がないことが判明。
いや、先日みた映画「真珠の耳飾りの少女」のメイドさんとご主人の禁じられた恋の方が強烈に萌えだったもので。